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〜不定期連載・取材後記〜「2022December取材後記:モハマド・ファルザンサナ&ヤマモト・オウタ」

今回の取材後記は来季トップチーム昇格が内定している、2人のレイソルアカデミー選手であるMFモハマド・ファルザン佐名選手とFW山本桜大選手についての投稿となります。

まずは柏Uー18チームで背番号10を背負ったMFモハマド・ファルザン佐名選手から。

インド人のお父さまと日本人のお母さまの血を引くファルザン佐名選手の武器は左右どちらからでも、スピードの緩急で相手を抜き去る能力と右足のミドルシュートやチャンスメイク。特にスラリと伸びる両足のリーチを活かしたボールの置き所は印象的でした。
2021年はシステムの違いもあり、中盤にポジションを移して奮闘。鋭く勇敢なプレスバックや勘の良いボール奪取が印象的でした。
また、当時のポジション柄、得意のドリブルは主にカウンターの場面で威力を発揮。自分へのマークを剥がし、次の展開を切り開く場面で威力を発揮していました。2022年のトップチーム選手に置き換えると「ドッジ選手型」のMFだったと表現すべきかもしれません。

今季はその両方のポジションでプレーをしたそうですが、このあたりは昨年からファルザン佐名選手を高く評価、積極的に起用していた酒井直樹Uー18監督の工夫といったところでしょうか。
ちなみにファルザン選手は以前「自分がまだ小さい頃、帰り道の方向が同じだった古賀太陽くんに一緒に帰ってもらうこともありました。いつか一緒にプレーしたいです」とキラキラした目で話してくれたことがあります。その夢か叶う手前まできました。

さて、まずはファルザン佐名選手のインタビューをどうぞ!

◆先日試合を見させてもらった際には前線でプレーしていましたが、中盤でプレーする機会もありました。昨シーズンと今シーズンの働きについて教えてください。

MFS:昨季シーズンは主にMFとして出場して中盤でプレーをしてしいたので、セカンドボールを回収することや守備から攻撃に移る場面でドリブルを使っていましたが、今シーズンは攻撃的なポジションでプレーする機会があって、ドリブルを使った中央突破などで貢献しようとがんばってきました。そして、終盤戦にまた中盤に戻ってプレーしていますが、また昨シーズンのように、まずはセカンドボールを奪っていこうとプレーしています。

◆その中での感じている課題となりますと、どのあたりになるのでしょうか?

MFS:監督から一番要求されるのは守備面のことですね。ポジション的なブランクがあったせいか、自分としても昨シーズンのようにプレーできていない感覚があって、上手くボールが奪えていない場面やファールになってしまう場面がある。あとは「予測」の部分で課題があります。以前なら取れていたボールに遅れてしまっているので、中盤を任された以上はそのあたりを改善していきたいです。

◆12月にはUー18日本代表に選出されました。W杯後とあって、時期的にも代表のユニフォームを着るにあたり、特別な感情が沸いたのでは?

MFS:すごく気持ちが高まりましたよ!今回招集された時は本当にうれしかったですが、レイソルと代表チームではやっているサッカーも違うし、スタイルも場面場面での強度も違うので、最初は付いていけていない不安や戸惑いはありましたが、日に日に理解を深めることができましたし、試合の中で良い形を出せるようになり、最終的にはゴールも決められましたし、今日もドリブルから仕掛けることができたのでホッとしています。

◆今日もカウンターから鋭いアタックを2つ出しました。ミドルシュートも1本ありましたね。全体的に守勢だったこともあり、ボールを追う展開が続きましたから、カウンターの中でファルザン佐名選手の色を出しましたね。特にカットインのドリブルは有効でした。サッカーこそ違えど、このあたりはトップチームでも試される部分かもしれません。

MFS:自分はマテウス・サヴィオ選手に憧れています。タイプ的にもプレースタイル的にも近いものを感じていて、いつもサヴィオ選手のプレーを参考にしているんです。今日も「中央へドリブルを仕掛けてミドルシュート」という形を意識をしていました。自分の得意な形ですし、良い形で出せたことは自信になりましたが、今日の相手は歳上の大学生たちで、実力のあるチームを相手にした場合の守備の強度が足りず、球際でも勝てずという感じで、良い守備ができなかったのは課題として残りました。トップチームではこの課題についてしっかりと取り組みたいです。今の自分の感覚からしたら、「命懸けで守備をする」くらいの気持ちです。

◆今ファルザン佐名選手から話してもらいましたが、来月1月からはトップチームの一員です。ユース年代最後のスケジュールを終えたこのタイミングで今後の抱負をください。

MFS:来シーズンからトップチームでプレーすることになりますが、自分がプレーする中盤はたくさんの先輩たちが競争するポジションなので自分も負けないようにしっかりとアピールをしていきたいですし、代表チームにも続けて呼んでもらえるようにこれからも努力していきたいです。自分はいつか試合を決める仕事ができる選手になりたいです!

続いては、FW山本桜大選手ー。

2021年の山本選手は1トップを務めていたFW真家英嵩選手をフォローするシャドーストライカー型の選手でした。相手からボールを奪って、MF升掛友護選手とMF高貫太瑛選手(順大)が躍動した左サイドからアタックを仕掛けるメイン戦術が魅力の1つだったチームにおいて、得点源の真家選手の背後から鋭くチャンスに顔を出して、ゴールを量産していました。

取材にお邪魔するたびにいつもゴールを決めるような印象がある選手で、ゴールを決めてコーナーへ駆け出して、はち切れんばかりの笑顔で喜びを分かち合うセレブレーションをよく覚えています。

2022年は背番号が9になり、エースとしてチームを牽引。既報の通り、トップチーム昇格に続き、この12月にはファルザン佐名選手と共にUー18日本代表に選出され、「IBARAKI Next Generation Cup」に出場。ユース年代を締めくくりました。

さて、山本選手はどのような思考を持つ選手なのか、インタビューをどうぞ!

◆トップチームへ昇格するにあたり、今シーズンの振り返りをください。

オウタ:昨年は1つ上の代の先輩たち頼りな面が強く、少しずつ点を取ることでしかチームに貢献できなかった。そこを踏まえて臨んだ今年は「点を取った上でチームを勝たせる選手に」という貢献を自分に課していたので、そのあたりは成長できたと感じています。

◆ユース年代最終年の一番の出来事といえば、やはり…夏?

オウタ:やっぱり夏のクラブユース選手権ですね。大会前から自分たちは優勝候補に挙げられることもなかったチームでしたが大会の中でチーム全員で戦いながら自信を付けて、ベスト4まで戦い勝ち切れたのは今年一番うれしかったですし、良い思い出になりました。

◆その一方でプレミアリーグでは難しい結果に。でも、最終的にはプレミアリーグ残留を決めた。このアップタウンの中で感じていたことや成長したことなどはありますか?

オウタ:そうなんですよね。自分たちの世代らしいところでもあるというか(笑)、ずっと安定した結果を出してきたチームではないので。ただ、それではいけないですし、チームは集中していました。終盤戦は「自分たちがすべきことをすれば結果は付いてくる」とチーム全員が落ち着いて戦うことができていたのは自分たちが成長できたポイントなのかなと思います。個人としては守備面のハードワークは体力的にも自信があります。攻撃では左サイドや2トップでプレーしてきたので、バリエーションを出せるはずです。ドリブルからアイデアやゴール前での決定力には自信があるので、トップチームでもがんばっていきたいです。

◆そのアップタウンの先にあったのはUー18日本代表選出でした。代表チームへの想いや憧れの選手はいますか?

オウタ:W杯をしっかりと見れてはいなかったのですが、今回このように代表で戦えたことは良い経験となりました。どんな年代でも日の丸を付けて戦うことは選手として特別なことだと実感しました。自分はブンデスリーガなどをよく見ています。好きな選手はいましたが、バイエルン・ミュンヘン時代のレバンドフスキ選手とか自分のスタイルとは異なる選手ばかりなので、今はざっくりで究極な例になってしまいますが、メッシ選手のように自分でも行けて、周りも使うこともできるような選手になりたいと思っています。

◆さあ、もうすぐにトップチームの一員として新しいシーズンが始まります。山本選手の中にはどんな思いがありますか?

オウタ:トップチームの選手とプレーして驚いたのはCBの先輩たちのフィジカルだったんです。ゴツゴツしていて驚きました。背負っても裏を取ってもフィジカルで圧倒されるというのとスピードが想像以上に速くて、今までとは違う怖さを感じていましたが、来季はまず1年目からアピールをして試合に出続けることという気持ちを忘れずに持ち続け取り組んでいきたいです。たとえ、それが叶わなくても、めげずに毎日を過ごしいくこと。それがまずあり、きっと必ず壁にぶつかると思うので、そんな時も自分の長所や全体の能力を伸ばして、いつか世界で戦えるような世界になりたいです。


お2人のインタビューは以上です。
今回取材をしてみて印象的だったのは淀みなくハキハキと自分を紹介できるあたりや意思表示をできるあたりでしょうか。憧れます。今後どんなキャリアを歩むかはまだ想像もつきませんが、お2人ともポジション争いへ参入を明言しているあたり、まずはこんな時代ですから健康に気をつけて、柏レイソルをさらに強くしてくださいね。

(2022年11月27日日立柏サッカー場人工芝グラウンド「高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2022:、12日25日ケーズデンキスタジアム水戸「IBARAKI Next Generation Cup」にて収録・編集)
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