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来年こそは!お節敗北物語/ 発酵おせち


#料理の失敗談

2023年の私は、挫折感とともに幕を開けた。
その原因は・・・

『おせち料理』

元旦に囲む華やかでめでたい料理である。




3年前に結婚し、子どもも生まれ、発酵料理を学んだ私は、この度、
人生初のおせち料理に挑戦する運びとなった。

既に、市販の調味料や加工食品には頼らず自家製調味料でつくる発酵生活になっていたので、
おせちも全て手作りで。
という意地だけは備わっていた。

そして、
2022年の時点では、
わくわくしながら、何を拵えようかとリストアップしていた。
初めてだからお手柔らかに..と思いつつ、作りたいものリストは溢れ、なんとか厳選した。
それくらい楽しみだった初おせち作り。


※物語は敗北感で一杯なので、いったん飛んで、終わり良ければ全て良し画像だけ載せておこう。
一応なんとかできました。


※ここから先は時系列ですが、
あとのまつりで学んだ教訓を▲で差し込んでおきます。


買い物


年の暮れ、スーパーや産直、魚市場を毎日覗いた。鰤の値がつり上がっているなぁ。でも、分厚くて脂の乗った立派な鰤。他にも、「迎春」と謳った食材が沢山並んでいたけれど、
どれもこれも、特に魚や肉なんかは、買うのが早すぎる。冷凍したのを解凍して食べるのも何かなぁ。と、ぎりぎりの大晦日まで買わないものばかりになった。

--後から思えばこの時から、敗北への道は始まっていたのだ。



買うべきものは他にもたくさんあった。
南天の実やウラジロ、橙などの、おせちレイアウトに華を添えるもの、

ほんの少ししか使わないけれど、、めでたい料理だし、伝統食だし、柚子も買おう。

男性陣には肉が必須。焼豚にしようかローストポークにしようか、とにかく豚の塊肉。

雑煮用に、手作り感のあるお餅。

大晦日の年越しそばや、そこに乗せる天麩羅の具。

こう書き並べていると、どう考えてもキャパオーバーだったのだ。勝負は単に「おせちを作ること」だけに絞れていない。
そしてそのおせちの一つ一つも、作ったことのないものばかり。
あの時はワクワクが勝って気付いていなかったのだ。

▲高くても、冷凍で妥協しようとも、できるだけ大晦日より前に買う!

2日前


「お節は段取りが勝負」なんていうから、日持ちのするものをまず作ってしまおう。
どれが日持ちのするものかも知らず、調べるところからであったが、一応、早仕込みメンバーが確定した。


「保存食」に慣れていないから、どうしても、できるだけぎりぎりに作って、美味しい状態を食べてもらいたいと思ってしまう。肉だって、調理するにせよ買ったばかりのほうが美味しいはずだ。
そして、これらが本当に日持ちするのかまだ信用していない。早めに作って傷んでいるのを出したりしたら、最もいけない。
そう、「人に出す」という事も、勝負にのしかかってくる重圧。お正月には夫の両親も訪れる予定だ。

▲鉄板レシピを残す。


実際に作ったスケジュール。
緑字は、反省。数字は、何日前に作れるかの検討。

前日


いよいよ、時が来た。ナマモノを買うのだ。刺身、海老、肉。
最寄りのスーパーに行ったら、丁度良いサイズの肉がなくてもう一軒。あれ、ここの海老すごく高い。あそこのスーパーのほうが安かった、と思ってもう一軒。
--ん?こんな時間、予定に入れてなかったぞ。
大丈夫、午後まるまる、台所にこもれば十分。


材料は全て揃った!
なんかここまででもう達成感を感じてしまいそうな買い物の日々だった。
さぁ、どんどん作るよーー!


使う食材が多すぎて台所はいっぱい。
お店屋さんなら、手際良く何品も同時にするのだろうけど、私は子育て中の母。子どもの機嫌も取りながら、自分も一杯一杯にならないよう、趣味でゆるりと仕込んでゆくの。あぁ、赤ちゃんが泣いた、おっぱいの時間だね。
夫は休みでいたけれど、これは代われない仕事。ほんとうは台所に篭って一気に作り上げたいのだけれど。

▲子育て中の料理は予定通りには進まない。2倍かかると思ってかなりの余裕を!



暗くなった。
紅白が始まった。一気に年の瀬モード。
お腹空いてきたな、そろそろ年越しそばの出番じゃない?

蕎麦を茹でるくらいなんて事ない筈なんだけど、今いろんなもので一杯になった台所、結構余裕がない。まず鍋やコンロを他のものに占領されている。
一旦洗って、、 あぁ、洗い物も一杯。一旦食洗機かけなきゃな、、


それよりも問題は、
これから天麩羅をしなきゃならないこと!
これは一番の後悔。
▲来年は天麩羅は買う!ふにゃふにゃでも。

サクサク天麩羅を乗せたくて、粉と水溶いて揚げればスグだし!と、食材を買ってしまった。
ところがこの台所の状態で、更に揚げ物セットを出すスペースなどない。揚げ物後の片付けをする心のスペースも、無い!!

のに、買ったからにはと作ったもんだから、一気に寿命が縮まってしまった。
ここから加速して雲行きが怪しくなる。


後◯時間もある、料理にそんなにかからない、とか考えていたけれど、
私たちは生活をしているのだ、それを忘れていた。お風呂の時間、食事の時間、全てに付随する子どもにかける時間、
もっとも今日は大晦日。一年を振り返って楽しくゆっくり家族で過ごすべしな夜。
それらがすっぽり計算外になっていた。

▲家族時間を考慮せよ、年の瀬はゆっくり過ごしたい。


それで、年越しそばを食べた後はもう料理をする時間など無かった。麺を2歳に食べさせて、片付けて、お風呂、ドライヤー、着替え、、定期的に来る授乳、ご機嫌とり、、
いつもより遅く寝かしつけて、、
自分も、、寝た。
2022年、終了。

元旦

朝起きたら、
年越しそばの揚げ物一式そのまんまだわ、
伊達巻も焼豚も海老も作れてないわ、
食洗機も回せてないわ

もう泣きたい気持ち。

もうお正月の台所、いやーーー!!と叫んだ。


とりあえずお雑煮、、と思ったら
三つ葉は見つからないわで、
もうお正月の冷蔵庫、いやーー!!と自暴自棄。


こんな下がる朝めったにない。
新年だというのに最悪の朝。


そして待ったなしの
おなかすいたー👦の声。
間に入るおむつと授乳
作れたものを盛る余裕もない。
ごめんね、と半泣きで、具無しのお雑煮を盛る。

年の初めの、さみしい食卓。。

鰤の刺身は出すだけで良い。
なんて優秀なの、鰤さん、、
今後お正月は鰤の刺身さえあればいいわ。
▲あの日高かった鰤の刺身。これが救世主だったとは。鰤は買うべし。




もうお節のこと考えたくなくて、
とりあえず出せるものだけを
お気に入りの器たちに盛ったら、

、、あらっ、良い感じ..♡ と
救われた。

いつか器屋さんが言っていたことが
身に染みた。





久々に料理で失敗。
あれもこれもできてない..とのしかかる敗北感。
もう思い切って今日はやめた。

目の前の時間をたのしもう。


正月、夜



そして夜、リベンジは始まる🔥
残りの物仕込んで3時寝7時起き。



やりきった。
すっきり。
明けました、2023。




漬けるだけで美味しい
発酵調味料たちは
私を助けてくれた。


発酵教室で初めに教わった
塩麹鶏ハムは原点。
安定して
自信をもって出せる。

万能だしひとつ作っておけば、
何品も作れる。

効果絶大


おかし>ごはん の2歳君は
消防車とみかんジュースでつった。

伊達巻は2個並べると、
「タイヤみたーい!」とノッてきた。

クチナシの実なんて初めて買った。
↑何に使うか知らないクセに、カワイイから買おうとして、隣で買っていったおばあさんに、
「何に使うんですか。」と尋ねた。

▲作ったことのないもの、扱ったことのない食材は、検索したらプリントアウトしてまとめておく。その場で調べればいいわと思っていたけれど、そんな時間さえ、惜しい!


寝不足の1月2日、
達成感だけはあった。

黒麹甘酒で、おつかれ、私!




しかたない、
お節1年生だもの
ここからだ。




▲全てが初めてであった。滅多に作らない種類の料理。調べながらの調理、そりゃぁ手際は悪い。
ということで「おせちnote」を残した。
来年はぐんと効率が上がる、、はず!

ぱくぱく食べてくれる姿、やりがい、、
買っておいて良かった。華やかさの救世主。



レシピ


以下、おせちnoteより。
失敗も込みで。
「まずい。」とか「死ぬほど濃い」とか
書いてあるものも、、笑
note には他に、店名ごとに買った食材を記録しています。これはここでget!を決めて、もう行ったり来たりしないように。
また、醤油などの調味料のメーカーや、昆布の種類、商品名も記録。繊細な和食は、調味料やだしが味を左右するから。味見調整の時間すら省きたい。
※購入した店名、商品名、家族の名前は消しています。

保存のきくもの順に(早くから作れる順に)並べています。

黒豆煮


1週間保存ができた。これは大分早くから仕込めそう。砂糖(きび糖)を使ったのはこの黒豆だけ。一般的レシピよりだいぶ少なくしてあります。
シュガーレスおやつとして、お正月以外にもいいかも。

きんとん

(塩檸檬さつまいもきんとん)
消化に負担のかかるものは使いたくなくて、極力シンプルな材料にしています。いや、シンプルなのか?この材料。使っているものはだいぶ違うけど、見た目は同じ。甘さや滑らかさを追求したら、これではないのだろうけど。

田作

こちらは最も保存が効きそう。(10日程)
田作り用の立派なものではなく、子どものおやつにしている大きめのかえりちりめんを使用。見栄えはこれでも十分。乾物屋さんでどさっと袋に入って売られているもの。でも、味が入り過ぎてしまったのは小ささゆえ。

紅白なます(塩麹ラペ)

こちらも、水分は出てくるが、意外にも1週間もった。柚子のカップも腐らずに。
ほんの少しのことだけれど、柚子は必須。この香りが良い。

たたきごぼう


面倒でも、叩いて繊維を潰すのが大事。熱いうちに和えることで、味がしみる。

塩麹浅漬けカブ



ごぼうの下に写っているもの。10%重量程の塩麹に野菜を漬けておくだけ。一品色を増やしてくれるので、良い。

金柑煮

砂糖ではなく蜂蜜で。梅干しのようになってしまったのは失敗だが、艶が美しい。問題は、こんなに沢山作ったのに、食べる家族がいなかった。
長持ちするので冷蔵保存し、ヨーグルトのお供に。豚肉と焼いても美味しそう。


くわいのうま煮



こちらも初めまして食材。
正直、食べたいと思う物でも無いけれど..見た目はとっても可愛いので、居てくれると良い存在ではある。でもこれだけのために鍋をひとつ使うのか。筑前煮と一緒に煮てしまうと良いかな。味は濃くなるけれど。
そんな苦労をしても家族も手を付けないので残されていたくわいを雑煮に入れると、とても可愛らしく。また、ホクホクして美味しい。


もともと美味しいとは信用していなかった跡。
青のりフライ、、美味しそう。でも揚げ物は、、無理。

筑前煮

いよいよ肉登場。でもこれは、長持ちするので早めに買える肉。1週間もった。
以前息子の節句に作り、美味しくできたので自信あり。だったはずが。
煮れば美味しくなると長めに煮た結果、芋がドロドロして見た目の悪いものに。
▲芋は軽く煮る、または入れない。

金時人参の型抜きは年末の2歳息子のお手伝いに。家族で準備してる、って有意義な時間でもあったが、この時の余裕ぶりが後に響いたような。
▲ 型抜き野菜は簡単でも時間をとるので、早めに取りかかって冷凍すればよい。

その後のリベンジ記録付き


鶏ハム巻き

塩麹に1日漬け、包んで湯煎でほったらかし、でできる簡単な料理。5日もったので、早めに取りかかれそう。

醤油麹焼豚


こちらは豪華でありながら、漬けてオーブンに入れるだけの最も簡単な料理なので、是非用意したい。焼きたては美味しそうではあるが、余熱で火を通すのと、包んで向きを変えながら置くと肉汁が行き渡りしっとりとなるので、前日かその前に焼くと良い。
みんな手が伸びる人気NO.1


甘酒伊達巻

自然な甘さで美味しい。こちらも人気ですぐに無くなった。反省があるとすれば、
▲もう一本作る。卵を多めに買っておく。
思い出した。スーパーはしごの原因がここにもあった。年末、はんぺんが売り切れて、無い!
▲はんぺんはあるうちに買っておく。

出汁は雑煮に使うものを使っている。
「あれもこれも..出汁を取らなきゃ」っていうのも気が重くなる原因だった。昆布とかつおを入れ、醤油と味醂を入れるという、難しいことではないのだけど。
▲出汁はだいぶ前にとって冷凍しておくとよい。


海老酒粕焼き

高いし手がかかるし、別に家族は好きでもない。けれどやっぱり、正月には縁起物だろう、と買った海老。できるだけらくに調理したい。そのために煮しめでなく焼きに。塩酒粕に漬けて焼くだけ。

かまぼこ

かまぼこの地位が爆上がりした正月だった。
別になくてもいい一品。さすがにこれは作れないし、添加物も気になるし。まぁ正月食材だからと買っておいた一本。
敗北の元旦、なんとか食材を飾ってくれたのは、鰤の刺身やこのかまぼこだった。
そして子どもはこれが大好き。「おなかすいたー
」対応もしてくれるし、食べやすい。せっせと動かなきゃならない母も、これならぱくっとつまみ食い。あぁ、なんてありがたい存在なんだ。
▲かまぼこは買っておく。2本でも3本でも。


雑煮

元旦は、涙の味だった雑煮。写真も残っていない。 こちらは3日目の朝ごはん。出汁が取ってあると、餅さえ焼けばいいから、楽できる。具はお節の中から取ったもの。
気を重くしていた「だし」が、とたんに救世主へと変わる。
※だしは年越しそばに使ったもの。少し味気なかったので醤油とみりんを追加。なんだかとても濃く見えるが。


年越しそば

こちらも写真の余裕などなかった。
でも年末のだしはその後いろんなものへと適応してくれる万能選手になる。
むしろだしを制すものは正月を制す、とでも言おうか。
▲余裕をもって、ていねいにとっただしを用意しておくべし。

揚げたてのゲソ天、美味しいのだが、ここで海老の良さを知る。蕎麦に合わせるとゲソのほうが硬くが噛み終わらない。
▲海老天を、買う。

持ち寄り

夫の実家で集まりがあった。ちょっとは嫁らしさを発揮するとき。おせち1年生の作品を持っていくのはかなり勇気がいたけれど、品数が増えれば賑やかになる。
「飾りにしてください。」と手渡すことができた。
※もし手を付けられなくても気にしない精神は持ち合わせるべし

おせち1年生はお重もまだ持っていない。
クリスマスシーズンに売っていた耐熱ガラスの大きな容器、買っておいて正解。



おわりに

涙とともに明けた2023、元旦。
来年こそは!負けないっ!
段取りに打ち勝つ強い味方を手にした私は、そう誓ったのであった。

失敗は成功のもと!


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