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わたしたちは何に向き合うのか

100人程度のオンラインコミュニティのコミュニティマネージャーと、同じく同規模のwebベンチャーの組織開発職をやっていると、どちらも「集団を良くしていく」という役割だけど、やはり違うところも多々ある。

最近感じることは、最終的に向き合う「問い」が違うなと感じている。

当たり前だけど、企業(株式会社)は株主の所有物(もの)であり、株主にとっての価値である「企業価値の最大化」がミッションにある。
そしてミッションのために、ユーザー・顧客に価値を提供し、売上利益をあげる必要がある。その一部として、従業員というものが存在する。

何が言いたいかというと、webベンチャーの組織開発が向き合うべきものとして「効率」というものが存在する。効率的に従業員を動かすこと、少ない人数や稼働時間で最大のアウトプット(成果)を出す(それも持続的に出す)ことに向き合う。

最近は「心理的安全性」や「働きがい」といった、会社が従業員の幸せ・心地良さに貢献するような動きも出ているけれど、勘違いしてはいけないのは「そうした方が(結果的に)効率的だから提供している」に過ぎないということだ。
チームの心理的安全性が高い方が中長期的に成果が最大化するから、レクリエーションや1on1など一時的にはコストはかかるけれど、投資しているに過ぎない。事業の状況が中長期に投資できる状況ではなかったら、心理的安全性や働きがいは二の次三の次なのだ。

より直接的に言ってしまえば「企業価値最大化のために、どうしたら従業員(人的資源/Human Resource)が効率的に動き、ROI(投資収益率)を最大化するのか?」という問いに向き合うのが企業の組織開発職だ。

それに比べて、地域コミュニティなど、コミュニティの所有権がコミュニティの構成員・参加者にある集団は違う。

先ほどの企業と比較すると出発点が違う。
集団の外にいるひと(企業における「株主」)への価値貢献ではなく、集団の内にいるひと(コミュニティメンバー)への価値貢献が起点となる。

もちろん今居るひとだけではなく、将来コミュニティに入ってくるひとのために行うことはあるので、中長期的な視点は必要だが一貫して「コミュニティに所属するひとに価値貢献する」というのが第一にある。

なので、コミュニティマネージャーは「コミュニティの参加者にとっての価値を最大化させるために、どうしたらコミュニケーションが生まれたり、経済活動が回ったりするのか?」という問いに向き合う。

そういった違いをうっすら感じながら、最近は生きている。

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