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オフィスの近所にある鰻屋の店先にある、のぼりが変わった。よく見てみると「日本一美味い!○○式血抜き・・・」と書いてあった。果たしてこの訴求が鰻を食べたいお客に刺さるだろうか。

中小企業の社長に「御社の強みは?」と聞くと、一様に「献身的で誠実な社員です。」とか「品質と技術力です。」「迅速、丁寧な対応です。」「誰にも負けない思いを持っている。」などと答える。ホームページや広告物にも同じようなことが羅列されていて、これでSNS活用だといっても勝負にならない。

確かにそうであるかも知れないが、これらはライバルである同業他社も同じようなことを言っている。商品が良ければ勝手に売れると思っているからである。商品自体は「モノ」であり、戦術的要素である。お客は、常に競合他社と比較検討していて、何がどう違うのかを見ている。

あらゆる業種における市場は飽和状態であり、大半の消費者はモノを手に入れてしまいモノ余りの時代となっている。モノがなかった時代は、モノを手に入れることが目的となるが、手に入れてしまえばモノを買うことは目的ではなくなる。

それでもお客の変化に気づかず、過去の延長とばかりに更に商品の表面的なコトばかりを全面に出してしまう。ライバル会社との価格競争は必至となり、値段を下げることしか出来なくなっている。これでは自社が倒れるか、ライバルが倒れるか、または共倒れになるかの消耗戦となってしまう。

お客さま第一と言いながら、どうやって売るかを一所懸命考えている。ホームページや広告物の表現は自社都合であり、自己満足になってしまう。商いの原則は、「どこの誰に何を」である。自社都合を避けるには、お客がライバル会社で買うけど自社で「買わない理由」を深堀りしてみると良い。

そのためには、戦略実力を高め、単なる「モノ売り」をやめ、お客がほしい「コト売り」に変えることに尽きる。

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