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タグラインで伝える企業の旗印

戦国武将、武田信玄の旗印は、「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」です。日本語読みは「其の疾きこと風の如く、徐かなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如し」となります。

この意味は、風のように素早く進軍し、林のように冷静沈着さを保ち、火のように激しく攻め込み、山のように泰然自若と動揺することなく堅く守るという意味です。この語句は、「風林火山」として有名で、孫子の兵法・軍争編に見えるもので、軍隊をいかに進軍させたらよいかを説いた言葉です。敵将は、この旗印を見ただけで震え上がったと伝えられています。

経営に置き換えると、この旗印は企業が市場や顧客へ向けたブランドとなります。ブランドを具体的に表現するものとしてタグラインがあります。

タグラインとは、企業や商品、サービス、ブランドなどの特徴を簡潔に伝えるための文言です。企業のロゴマークに隣接して書かれている言葉で、その企業のコンセプトや理念、メッセージをキャッチフレーズやスローガンとしてコンパクトに表現するのが一般的です。

英語で、Taglineと書き、「タグ(Tag)」は、物事を認識・識別する付け札やレッテル、またはそれを付けること。「ライン(line)」は一筆、一節を意味します。直訳するとタグラインは「(企業やブランドを)認識するための一節」となります。顧客と潜在顧客、市場に対して、その企業やブランドが持つ感情面と機能面のベネフィット(優れた価値)をわかりやすく伝えるための表現です。

例として
ニトリ:「お、ねだん以上。」
カルピス:「カラダにピース。」
カゴメ:「自然を、おいしく、楽しく。」などがあります。ちなみに弊社の場合は「戦略眼を、鍛える。」です。

タグラインで伝えるべきポイントは以下となり、企業の旗印と言えます。

●顧客にどのような価値を提供しているか
●商品やサービスを通して顧客が得られるものは何なのか
●どんな問題を解決してくれるのか
●競合ライバル会社と何が違うのか

戦略が決まったら、これに基づいて仕組みづくりが重要となります。仕組みづくりの一つが企業のブランディングとなります。旗印を掲げるからこそ、「この指、とまれ!」とばかりに市場から認知され、共感される企業となります。ブランディングされていない企業は、仕組みがないので何事も戦術ばかりが物事のスタートとなってしまい、成果に繋がらず苦戦ばかり続くことになります。

「急がば回れ。」この格言にあるように企業の大小に関わらずブランドという旗印を掲げることは、戦略による具体的実践でカテゴリ1位、すなわち顧客支持率1位への近道となります。

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