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【導入事例】同志社中学校で、学校のビジョン(教育目標)を深堀り・共通認識化する、教職員向け研修を実施しました!

タイガーモブでは、学校コンサルティング事業の一環で、学校の先生向けの研修プログラムも実施しております。今回は、2022年8月末に行われた、同志社中学校(京都市左京区)の教職員による夏の集中研修において、同志社中学校の教職員26名へ向けて、教育目標をベースに教職員同士の共通言語を再確認するための実地ワークショップを実施いたしました。

ちなみに、参加した先生方からは大好評(そして一部、期待を込めた辛口コメントも!)をいただきました!

アイスブレイクからメイン、最後までが非常にうまく設計されていて、目から鱗でした。教員ひとりひとりが、胸の内を素直に表現し、それぞれの受取方ややり方を許容(受容)される中で、自分ごととして捉え直していく過程になった。ぜひ、今後もお願いしたい。

教職員一人ひとりに個性はあるが、根底では違わないことを改めて確認できる場となった。一方で、微妙な違いも見えて、教員が使っている言葉の一面性を破れたのも、とても良かった。様々な「本音」が出せる場作りだったので、さらにもう一段、グッと深いところに踏み込んでいけるタイモブさんだと期待しています!

教員同士でも、世代・ポリシーが違ったりして、クラス運営は、各自で行う。実は共同作業が苦手なのかもしれない。今回のように共同作業をして、共通のゴールを描いた経験は、非常に有益であった。これを一過性のモノとせず、重層的に重ねていきたい。

本記事は、以下のような課題を感じている先生や教育関係者の方にオススメです。

  • 教職員同士が、チームとして一丸になれていないと感じている方

  • 教育目標や理念など、学校が掲げるビジョンが、形だけになってしまっていると感じている方

  • 探究学習、働き方改革、デジタル化など、学校での新しい取り組みに対して、組織の中でなかなか合意を得られないと感じている方

どんな背景や課題感から、どんなことを実施したのか。以下にて、その実例をご紹介したいと思います。

教職員向け研修の背景~教育目標の捉え直しが必要~

同志社中学校では、学校全体の教育目標として、下記の「5つの教育目標」を掲げています。これらは、いまから約40年前、1987年に、創立者である新島襄先生の建学の精神に⽴ち返り、21世紀に向かって同志社中学校の将来像を考えるため、学内の有志の先生方の取り組みによって設定されたものです。

一、キリスト教主義教育を基本として、調和のとれた豊かな人間性を育てる。
二、基礎学力をすべての生徒に身につけさせる。
三、思考力と創造力のある学力を身につけさせる。
四、自主性を育成し、自治活動を育てる。
五、国際性豊かな人間を育てる。

同志社中学校学内研究誌「彰栄」
(1988年)

しかし、設定されてから長い時間が経過していることもあり、現代の教育環境では誤解を生じかねない文言となっていたり、個々の教職員が各々の解釈をしたうえで日々の授業において創意工夫を行っていました。結果として、ユニークな取り組みが数多く生まれている一方で、教職員同士の連携がこれまで以上にもっと増えて、相乗効果を生むことができれば、さらによりよい学校づくりを進めていけるのではないか、という課題認識がありました。

そこで、改めて学校として目指すビジョンでもある『教育目標』を教職員全員で丁寧に深く捉え直し、教職員同士が本当の共通言語としたうえで、日々の実践に取り組めるような土台を整えるワークショップを、弊社にて企画・開催いたしました。

教職員向け研修の実施概要

  • 実施期間:2022年8月26日、8月29日の2日間。各3時間程度。

  • 実施方法:実地研修

  • 参加者:同志社中学校の教職員26名

ワークショップタイトル:『いま、新島襄先生が同志社中学を「絵」で表現したら』

「5つの教育目標」は、新島襄先生の掲げた「自治自立」を表現する上でとても本質的な表現である一方で、その言葉の持つイメージは教職員それぞれによってバラバラでした。そこで、お互いが教育目標に対して抱くイメージを洗い出したうえで、教職員間の共通認識を持つべく、教育目標を絵として表現するワークショップを行いました。ワークショップの企画にあたっては、研修担当である先生方と数か月にわたって議論を重ねて準備をしました。

1日目:教育目標を『いま』に読み解く

40年前に設定された教育目標を、今を生きる私たちがどう捉えているのか、それぞれの認識を可視化し、認識をアップデートするためのワークショップを実施しました。

ワークショップは、以下の3パートにわけて、現実を直視つつ、その上で理想を描いていきました。
①5つの教育目標を実践する難しさを腹を割って共有する『とは言え』
②小学生でもわかる言葉で表現し直す『何のこと』
③一人ひとりが自分の丁寧な言葉で捉え直す『要は、こういうコト』

最終的には、800枚以上の付箋を使い、教室中に張り出した模造紙を使って、自分たちの持つイメージをどんどん書き出し、全員の認識を見える化しました。2時間集中して、全員で、質より量重視で、書き出してはまとめてを繰り返しました。

1日目。教室の両サイドに模造紙を置き、付箋を使ってワークショップ。
1日目。参加した先生たちが付箋を貼りだす様子。
模造紙だけで15枚近く。教育目標ごと、チームごとで、
付箋をどんどん張り出していきました。

2日目:チームで、絵にする

2日目は、1日目に整理した共通認識を、絵として仕上げました。チームに分かれて、「5つの教育目標が実現している同志社中学」をテーマに、模造紙に絵を描きました。絵心の有無は関係なし。それぞれのイメージする教育目標を、絵を描く過程でチームの中で認識をすり合わせ、ディスカッションしていきました。

2日目。ディスカッションしながらチームで絵をつくるグループワーク。

「え~、描けるかな?」という声もありましたが、いざ書き始めてみると、チームの会話は弾み、全員で手を動かして、各チームが独創的な絵とそのストーリーを仕上げていただきました。最終的には6チームそれぞれの素敵なビジョンと想いの詰まった絵が完成しました!

タイトル「小魚も大魚も自在に成長する同志社中学校」
タイトル「Student Centered Education ~同志社中学校の生徒像~」
タイトル「Diversity Tree」
タイトル「時空を超えた不変の〇〇」

実施した効果

実施後のアンケートでは、参加した先生方から以下のような感想をいただきました。全体として、先生同士の相互理解が深まったという意見を多くいただきました。ワークショップの狙いとしてた通り、普段は分からなかったお互いの意見や考えを見える化できたことで、教育目標をもとにチームとして同じ方向を見ていくための土台をつくることができたのではないかと感じています。

みんなで教育目標が同じ方向性であることを確認できた、同志社中学校がわくわく学校だと再認識できた。」
教育目標を改めて見直す機会がよかった」
他の先生の思っていることを覗くことができた
それぞれの教職員のめざすものが、根底では違わないことを改めて確認する場であったことが収穫だと思う。」
「絵からさまざまなメッセージをうけとめることができ、自分なりの解釈の余地もある。相互理解の方法としては有効だと思いました。」

おわりに

タイガーモブでは、教員・職員間の共通認識を作るためのワークショップや、探究学習についてのファシリテーション研修など、さまざまな教員・職員向け研修を行っております。
教育が大きな変化を迎える中、学校が組織として変革していくために、探究学習カリキュラムの設計から教員・職員向け研修まで、オーダーメイドの企画を行っています。特に中高生向けグローバル探究カリキュラムでは、世界各国との繋がりを活かした実践的なプログラムの提供が可能です。
ご興味がある方は下記のメールアドレスよりお気軽にお問い合わせください。 詳しい導入事例や導入までのステップなどについてお知らせさせていただきます。
詳しくはこちらのページをご覧ください。

https://www.tigermov.com/info/detail/815

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