~とりあえずやってみようよ~ 第4回 企業内起業家(イントレプレナー)育成方法

社内で新規事業を生み出す人材を育成に従事し、新規事業の実行者である提案者や、その活動を監督する管理者の新規創出活動を支援する立場にある推進者に向けた起業家育成方法について引き続き語りたいと思います。
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前回の第3回では、行動する前に必要な基本的な知識を学ぶ段階で現れる困った人々についての紹介をしながら対応を説明しました。今回は、基本的な知識をインプットした後に、それらを定着させるための演習を行う段階で起こる問題点について記載します。この項での対応しているのは以下の「3.演習期間」になります。

教育イメージ03

ワークショップを通じて、身近なアイデアや業務から離れた分かりやすい例でについてビジネスの基本となるフレームワークやテンプレートを埋めてみたり、アイデア創出の活動をしてみたり、とした中を行うと、それらの活動を妨げる特徴的なペルソナに会うことになるでしょう。それは、

細かく指示されないと行動できない提案者

定量化しないと進捗を判断できない管理者

の二人です。まずは詳細に彼らの特徴と問題を説明します。

細かく指示されないと行動できない提案者

まずは気軽にアイデアを紙に書きましょう、やテンプレートを自分の意見で埋めてみましょう、というような指示に対して行動できず、「どれくらい具体的に書けばいいのですか?」「何か例はないのですか?」と細かく聞いてきて、しかも何も行動できないという人物が結構現れてくるものです。新規事業創出における知識や手順は、車で例えるならカーナビの案内程度のものです。次の交差点を右に曲がる、100m進んだところで止まるといったぐらいまでしか指示を出すことができないものです。それに対してここで紹介した人は、右に曲がるためにはハンドルを1秒間あたり何度ぐらい傾けながら、アクセルには何Kg重の力をかけ続けるべきなのですか?100m進むとはこの車でアクセルを何秒踏み続ければいいのでしょうか?というような細かい注文を聞いているようなものなのです。とりあえず気にせずやってみなさいと説いて、彼らの細かい注文への答えを探すことはしないようにしてください。(つまり彼らも半ば放置をします)

定量化しないと進捗を判断できない管理者

行動や活動を細かく管理しようとする管理者にも注意が必要です。このような演習についての習得度を細かく見ようとすることも無駄な努力でしかありません。たびたび新規事業を学ぶさまを野球に例えていますが、ボールの投げたかが正しいかどうかについて、腕の角度がどのくらいで、どのくらいの速さで腕が降り切れて・・・なんて評価は難しいでしょう。ストライクが入ったかどうかでも、小学生に求められるレベル、プロ選手として求められるレベルは全然違いますし、あくまでコーチ(人)がいいかどうか感覚で判断するしかなく、実技の評価は実はそんな曖昧なものなのです。なのでここについてもこだわるのは変ですし、まして1回目の演習の出来具合を細かく言ってもしょうがないのです。客観的な評価よりも本人自身に感想を聞くなど、定性的な結果を受け入れられるような管理者でなくてはいけないのです。ということで、何か怪しい評価が始まるようであれば労力の無駄ですので、ここでは絶対に阻止をしておいてください。(無視ではなく、きっちり対処しましょう)

以上がワークショップなどを行う上で現れる人物の特徴と対応方法になります。せっかく用意してきた演習も、想像とは次元が違うところで拒絶反応を示す人がいることもありますので、注意して下さいね。

今回紹介した「3.演習期間」と「2.座学期間」は定着度やカリキュラムに応じて繰り返しましょう。一通り受講者が慣れてきたら移行することになる「4.有識者付き実践期間」についてはまた次回に記載したいと思います。


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