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魅惑のサウスポー「宇野亞喜良展」

東京オペラシティアートギャラリーにて開催中の「宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO」へ行ってきました。一部の作品を除き撮影OKだったので、いくつかご紹介します。

オシャレすぎる双六。
シンプルで洗練されたデザインは
時代を感じさせません。
壁一面に貼られたポスターは圧巻。

✒︎ 宇野亞喜良と作品たち

宇野亞喜良さんはマジョリカマジョルカのSPイラストなども手掛けているので、名前は知らなくとも絵柄に見覚えがあるかもしれません。
御年90歳。現在も現役でイラストレーター・グラフィックデザイナーをされています(!)

過去に手掛けられた広告が本当に素敵……。
キャッチコピーもご本人が考えられたそうです。

60〜70年代の、広告の雰囲気が好きです。
センスが凝縮されています。
大好きアングラポップ。

当時、ポスターは大好評で剥がされて持って行かれてしまうほどだったとか 。印刷技術に精通されていて、多様な表現に挑んでいたのだなと展示された大量のポスターを観ていて感じました。


イラストレーション、広告・ポスターの他にも絵本、書籍、アニメーション映画、絵画、舞台美術など幅広く活動されており、展示のボリュームに圧倒されます。

アングラポスターとのギャップがすごい
絵本の挿絵。タッチの変幻自在さに脱帽。
絵本「海の小娘」
セロファンを使用したアイディアが斬新です。

1962年に刊行された絵本「海の小娘」。
日本デザインセンター時代から親交のあった横尾忠則さんとのコラボレーションです。幻の絵本でしたが、現在復刻版が販売されています( ポチりました )。


宇野ワールドが3次元に。
引き込まれる舞台美術の数々。

ディズニーとコラボもしていました。
(2022年)

✒︎ 笑わない女の子

「宇野亞喜良」といえば無表情で媚びない、クールな雰囲気をまとう少女のイラストが思い浮かぶ方も多いと思います。可愛く着飾っているけど、どこか凛としていてかっこいい。

ファンタジー感漂う雰囲気ですが、コンセプトは「日常で見かける格好良い女性」だとか。

宇野さんが少女のイラストを描き始めたのは、寺山修司作の文集のために挿絵を描いたのがきっかけだといいます。それから現在に至るまで様々な作品に登場していますが、その全てが無表情。

宇野さん曰く、大衆雑誌などに載っている写真のモデルたちはみんな笑顔だけど違和感がある。面白くもないのに笑う必要はない、とのこと。
それを聞いて愛想笑いが苦手な私は救われたような気持ちになりました。


✒︎ チケット・図録

フライヤーとチケット

最近はWebチケットが主流になっているので、紙チケットなのが嬉しいです。イラストは寺山修司作の「人形の家 第1回公演『人魚姫』ポスター」から。

図録とポストカードたち

普段図録はかなり厳選するのですが、今回は即決です。マットなゴールドで装丁が美しく大ボリューム。ポストカードもとても可愛く、爆買いしてしまいました。ポストカードよりも少し大きめのイラストカードもあります。


アングラ、レトロ、毒気を含んだ可愛さ、などなど……大好きなものが詰め込まれた宝石箱のような展覧会でした。様々な媒体で長きにわたり活躍される宇野さんは、多くのクリエイターにとって影響を与えられ、憧れの存在だと思います。同じ時代に生き、生み出される作品をリアルタイムで見ることができることに幸せを感じます。

日常を離れ、妖しく耽美な世界へ一歩足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。


宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO

期間 : 2024年4月11日[木]- 6月16日[日]

会場 : 東京オペラシティ アートギャラリー

開館時間 : 11:00 ─ 19:00(入場は18:30まで)

休館日 : 月曜日(祝日の場合は翌火曜日)

URL :  https://www.operacity.jp/ag/exh273/

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