商標出願の時に考えるべき事!
商標を出す時、標準文字で出した方がいいか、それとも、デザインされた文字で出した方がいいか、について私なりの答えを出します。
結論は、
既にデザイン案があり、そのデザインされた文字が気に入って、それで押したいのであれば、
デザインされた文字で出した方がいいです。
もしも、お気に入りのデザイン案がなくて、将来的に、デザイン案が変わる可能性もあるのであれば、標準文字で出した方がいいです。
このように言っている理由は、
デザインされた文字って、
単純に権利範囲が縮まる訳ではなく、実は、文字自体とデザイン性の両方を保護するとの解釈もできるからです。
以下、2つの例を挙げましょう。
(1)阪急百貨店
阪急さんのLOGOは、下記の通りです。
このロゴ、実は、ロンドンにあるハロッズ (Harrods)百貨店のロゴと似ています。
ネットで調べると、「阪急さんのロゴは、ハロッズのパクリものをモチーフにしてる」と言う方もいます。
ハロッズ (Harrods)百貨店のロゴ:
単純に、デザイン性を見ないで、<Hankyu>と<Harrods>の2つの単語を比較してみると、非類似に判断される可能性が高いです。
なので、例えば、<Harrods>側として、標準文字の<Harrods>だけを出していたら、デザインの部分をパクった<Hankyu>は阻止できなくなります。
なので、この場合、<Harrods>側としては、デザインされた文字で出したほうが、有利です。
この事例では、<Harrods>側としては、先ず、1973年に日本で、デザイン性がない英語と日本語の標準文字で、2段表記で商標出願しています。
デザインされたロゴについては、その9年後の1982年に出しています。
これに対し、阪急さんの場合、1968年に既に日本でデザインされた文字で商標を出しています。
と言うことで、<Hankyu>と<Harrods>は、両方とも日本でデザインされたLOGOで登録商標を持っています。
もし、<Harrods>が<Hankyu>よりも先にデザインされた文字で出されたのであれば、<Hankyu>もそんなスムーズに登録にならなかったはずです。
(2)SONY
この事例は、中国での事例です。
ご存知の通り、SONYのロゴはこんな感じです。
これに対し、中国では<sony>に対し、<sqny>と言う商標を、取ろうとしている方がいました。その中、先ず、1つ目は、下記のようなデザインになった商標がありました。
これは、デザイン的にパクった商標です。
この商標は、拒絶査定になりました。
多分、SONYのロゴによって阻止されたと思います。
これに対し、
もう一人は、下記のような商標を出しました。
この商標はどうなったんでしょうか?
この商標、実は登録になってしまい、その後、異議でようやく消されました。異議申立人は多分ソニーさんだったと思いますが、かなり苦労されたんでしょう。
(3)まとめ
このように、商標の事は、必ずXXがいいとか言い切るのが難しいです。
お金があれば、コカ・コーラみたいにしたほうがいいです。
コカ・コーラさんは、日本で商標出す時に、
標準文字の英語、
デザインされた英語、
カタカナの表記、
ひらがなの表記、
更には、中国語の表記まで登録商標として持っています。
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