【読書メモ】哲学はこう使う
著者の堀越耀介さんは、上智大学グローバル・コンサーン研究所に客員研究員として在籍するかたわら、哲学プラクティショナーとして学校教育や企業の場において「哲学する」という実践を広めるため活動されている方とのことです。
ちなみに「哲学プラクティショナー」とは、哲学を通じて教育現場や企業においての新しい学びの場を作り出したり、または哲学的対話を通じて悩みや苦しみを持つ人のカウンセリングを行うなどの活動を行う人全般を指す言葉のようですね。
*英語版Wikipediaを参照
この本は哲学に関する知識を述べるというよりも、哲学という思考方法を「いかに日常の中で使っていくか?」ということに軸をおいて書かれています。
「哲学思考」とは何か
書籍の中では繰り返し「問う」ことの重要性が語られます。著者は、実践のイメージからかけ離れた「哲学」という学問を、単に理論や思想のインプットとして扱うのではなく、「問いをたてて考えるという思考方法」にフォーカスして論を展開していきます。
私たちは日頃、様々な迷いや悩みに直面します。このとき、実は直接「答え」を出すことよりも、どのように「問い」を出せるかが問題解決の鍵になるのです。
「直接答えようとする」のではなく、「問うことによって間接的に」、問題に迫っていく方法。
それこそが、本書でお伝えする「哲学思考」です。
上記にて著者のまえがきの一部分を引用しましたが、ここで述べられているように、様々な角度での観点を提供するということに哲学思考の価値があるのかなと本書籍を読んで感じました。
問いを立てることは実は結構むずかしい
書籍中では、哲学思考の実践例として、問いを立てる際の注意点や効果的な問いの立て方についても言及しているのですが、実際に使いこなすほど「哲学思考」に慣れるまでは時間がかかりそうだなと思いました。
自分の例でいうと、家族のライフプランについて特に興味があるので、哲学思考を使って考えてみると、
・幸せな家族とは何か?
・良好な家族関係とは何か?
・何を持って「良好」といえるのか?
・家族と社会との関わり方はどうあるべきか?
・一人では幸せになれないのか?
などの問いを立てることができるでしょう。
この辺りの方法論は、著者が「コップ」について考えるということをしてみたりして詳しく解説されているので参考にしてみると良いかもしれません。
ただ気になった点としては、「問いを立てた後に思考をどうやって深めていくか?」ということや、「どうやって家族の他メンバー(妻)と対話をしていくか?」などの具体的な実践部分については、実際に自分で試してみたり、「哲学カフェ」などのイベントに参加したりする中で肌感をつかんでいった方が良いのかなと感じました。
なんにせよ、「哲学思考を日常の生活に取り入れていく」ということの価値が分かりやすく、そして最初の第一歩の実践方法が詳しく書かれているという点において、とても参考になった本には間違いありません。
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ほなまたね