【読書メモ】「畳み人」という選択
著者は、幻冬社 ブロックチェーン・暗号資産メディア「あたらしい経済」の編集長を務める設楽悠介さん(@ysksdr)。2020年2月に第一刷発行と、わりと最近に出版されたビジネス書です。
本書ではまず、革新的なビジネスアイデアをもって「大風呂敷を広げる」経営者やリーダーの陰で、アイデアを現実に落とし込む仕事人を「畳み人(たたみにん)」と定義します。
現在はさまざまな会社で役員やアドバイザーを務め、やりたい仕事をできているとおっしゃる設楽さんですが、そうした状況を作りあげることが出来たのはご自身が「畳み人」として振る舞い、目の前にある仕事を着実にこなしてこられたからだと述べています。
なぜ「畳み人」が今の世の中に求められているのか?
「畳み人」は組織でどのように振る舞い、どんな仕事をするべきなのか?
「畳み人」を極めていくことが、どんな未来に繋がっていくのか?
と、設楽さんが実際に数多くのプロジェクトを「畳んで」こられたリアルな経験の話もありつつ、一方で、ビジネスパーソンにとって普遍的に価値のある内容もふんだんに盛り込まれている、とても学びの多い一冊でした。
「畳み人」こそプロジェクトを成功に導く立役者
本書を読んで興味深いなあと特に感じたのは、リーダーである「風呂敷広げ人」に比べて陰が薄くなりがちな「畳み人」が、実はプロジェクトを推進する核となることも多く、そして場合によっては「畳み人」の行動によってプロジェクトの方向性すら変わりうるということでした。
設楽さんは本書の中で「広げ人と畳み人という仕事に優劣はありません。」と述べられています。私自身「畳み人」という言葉をみた時は、最初は「単なるオペレーション要員でしょ?」ぐらいのイメージしかなかったのですが、とんでもない誤解でした。
畳み人とは・・・
「風呂敷広げ人」の一番近くで、そのアイデアを一緒に面白がりながら、
アイデアを形にするために、ありとあらゆる戦略を立て、
プロジェクト遂行のためのリスクを細かく想定した上で、
リーダーと現場の間に立ってチームの力を最大限に引き出し、
そして時には、当の風呂敷広げ人以上に、アイデアに付加価値をつけていく人。
そんな「畳み人」としての在り方はとてもカッコよく、自分もそういった仕事ができるビジネスパーソンになりたいと心底思いました。
何者でもない自分を恥じていないか?
この「「畳み人」という選択」という本を読むことが、自分自身のキャリアと仕事観について改めて振り返る機会になりました。
少し私のことをお話ししますと、日本の仮想通貨の会社であるQUOINE株式会社に2016年7月に入社して4年間、動乱期の仮想通貨業界を一社員としてではありますが、必死に走り抜けてきました。
しかし「会社をもっと成長させるために、一個人としてもまだまだ出来ることがあるんじゃないか?」とモヤモヤした気持ちがずっとあり、そのためにどうしたら良いのかと悩んでいました。
そうした時、この本を読んで「斬新なアイデアで、改革を掲げる風呂敷広げ人にならなくても、畳み人という生き方があるのか!」と目からウロコが落ちる思いでした。スーパースターかもしれなくても、カオスな状況に突っ込んでいって、その状況を収めることで大きな価値を生んでいく。そういう生き方もあるのかと、勇気付けられました。
もちろん、単に「自分は風呂敷広げ人じゃないから、畳み人として仕事をしよう」というような、消極的な態度では何事もなし得ないでしょう。まさに本書のタイトルの通り、「畳み人」という生き方を『選択する』という気概と覚悟が、物事を好転させるチャンスを掴んでいくために必要なのだと学びました。
この本に出会えたことは、とても幸運なことだと感じます。
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ほなまたね