【連載小説】透明な彼女 vol.5「ユイ?」
あれから二年。
俺には彼女ができたりなんかもしたけれど、誰とも長く続かなかった。
二年という月日は長いのか、短いのか。
俺は卒業の年を迎えていた。
何度も何度もユイが生き返らないかと思っては諦め、空虚な毎日を送っていた。
あの日からちょうど二年目、夏休みも終わりかけたその日、俺はユイの墓参りに来ていた。
ユイの好きだったガーベラの花を供えると両手を合わせた。
がさがさッ。
なにか音がする。
がさがさがさがさッ。
ほら、向こうの植え込みのところから音がする。