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71.弱っていていい、逢いにきてほしい

想っていること、悩んでいることをなかなか口にできない方もいらっしゃいます。

特に印象に残っているのが、漫画家の永田カビさんです。

さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(イースト・プレス)を読まれた方も多いでしょう。私もはじめて読んだときは衝撃でした。ああして作品として表現されているのを読んで、私がはじめて気づけたこともあります。とても大きなものを抱えていらっしゃったんですね。

ふたりで過ごした時間で、最終的な答えは見つからなったのでしょう。それでも、私たちが出逢うことで気づきや少しの光を得てもらえた……私はそう感じています。

私たちとお客さまはときに意見をぶつけ合い、ときに泣きじゃくるほどに人生を語り合うことがあります。そんなことを通して、少しでも悩みや抱えていることを軽くしてあげたい。心からの癒しを与えてあげたいと、私も葛藤します。

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言葉を交わすのではなく、一刻も早く触れて、抱きしめてあげなければいけないんじゃないか?というときもあります。永田カビさんもそうでした。漫画には、お風呂のシーンが描かれています。私にとっても印象的なひと時でした。

肌と肌のふれ合いが、何かを得る、何かを乗り越えるきっかけになることもあるんです。

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ご案内の時間が終わってお見送りをするときに、それを感じることもあります。待ち合わせしたときとは、まったく違う空気が流れているんですよね。肌と肌といいましたが、心と心で抱きしめ合ったあとのような、あたたかさと体の火照りを感じます。その安心感は、言葉にするのはむずかしい種類のものです。

私にとって、すべてが挑戦です。

自分が良しとしてやってきたことが、必ずしも正解じゃないときもあります。それでも、挑戦したい。正解でなくとも、考えて近づきたい。努力を惜しみたくないのです。

それが、私たちの仕事なんです。

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みんなそれぞれが抱えている弱い部分があります。痛みをわかってこそ、知ってこその理解だと思います。

私はレズ風俗という場で、弱っている人の話を、声を聞いてあげたい。孤独だったり、急に未来が見えなくなったりしても、最後の希望を与えてあげたいと思います。

そんな思いにさせてくれる仕事があるなんて、最高のことだと思います。

弱っていていい。
我慢せずに、逢いにきてください。

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