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狼と七匹の子やぎ【グリム童話】

母の忠告


ある日、母やぎは七匹の子やぎたちを集めて言いました。「私が市場に行ってくる間、家にいるように。そして、狼には絶対にドアを開けてはいけないよ」

「わかったよ、お母さん!」と子やぎたちは声を揃えて答えました。

母やぎは市場に出かけ、子やぎたちは家の中で待っていました。

狼の策略


母やぎが市場に出かけた後、狡猾な狼が子やぎたちの家にやって来ました。彼は母やぎの声を真似して言いました。「子どもたち、開けておくれ。お母さんだよ」

コロはすぐに気付きました。「その声はお母さんの声じゃない!お前は狼だ!」

狼は一計を案じて、喉に粉を塗り、声を変えました。「子どもたち、今度こそ本当にお母さんだよ。ドアを開けておくれ」

しかし、コロは再び言いました。「お母さんの足は白いはずだ。見せてくれ」

狼は足を窓から見せましたが、それは黒くて毛むくじゃらでした。子やぎたちはドアを開けませんでした。

狼の成功


次に狼は白い粉を足に塗り、再びやって来ました。「子どもたち、今度こそ本当にお母さんだよ。ドアを開けておくれ」

コロは再び足を見せるように言いました。狼は白く粉を塗った足を見せ、子やぎたちはついにドアを開けてしまいました。

狼は飛び込んできて、子やぎたちを一匹ずつ捕まえました。しかし、コロは素早く隠れて、難を逃れました。

母やぎの帰還


母やぎが市場から帰ってくると、家は荒らされ、子やぎたちは姿を消していました。母やぎは嘆き悲しみましたが、コロが隠れていた場所から出てきて、全てを話しました。

「お母さん、狼が兄弟たちを捕まえました。でも、僕は隠れて無事でした」とコロは言いました。

母やぎは勇敢なコロを抱きしめ、「よく無事でいてくれたね。今すぐ兄弟たちを助けに行こう」と決意しました。

救出作戦


母やぎとコロは狼の後を追い、狼が大きな木の下で寝ているのを見つけました。母やぎは鋭いハサミで狼の腹を開き、中から子やぎたちを一匹ずつ救い出しました。

「もう大丈夫だよ、みんな」と母やぎは優しく言いました。

子やぎたちは無事に母やぎのもとに戻り、母やぎは再び狼の腹を石で満たしました。狼が目を覚まし、水を飲みに川へ行くと、重い石のせいで溺れてしまいました。

新たな始まり


子やぎたちは母やぎと共に家に戻り、平和な日々を過ごしました。彼らはもう二度と狼に騙されることはありませんでした。

「コロ、君の勇気のおかげでみんなが無事に戻れたよ」と母やぎは感謝の言葉を述べました。

「お母さん、僕たちはみんなで力を合わせて、これからもずっと一緒にいよう」とコロは答えました。

こうして、母やぎと七匹の子やぎたちの物語は、未来永劫語り継がれることとなりました。彼らの勇気と知恵は、多くの人々に希望と勇気を与え続けました。

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