マガジンのカバー画像

保健室(がんと私)

15
保健室(がんと私)
運営しているクリエイター

記事一覧

ひばり

 20年前、私の長姉は、50歳で亡くなった。膵臓がんだった。わかった時には余命3ヶ月と告げら…

『モリー先生との火曜日』

脳転移放射線治療 乳がんからの脳転移が見つかって、その治療のためにお盆から入院しています…

9

手持ち無沙汰な左手がハルを探す

私の愛犬・ハルが死んでしまった。あまりにも突然すぎて、気持ちが追いつかない。散歩の時、い…

11

【月のしじま】

漉工房SUKIKOUBOU  (手漉きパルプ&和紙の造形制作) 高山しげこさんのすてきな作品を我が家に…

18

DVD完成しました!

DVD完成のご報告 なんでも、やらないよりやってみるものですね。 乳がんが再発し、主治医か…

花豆を煮る

しっとり雨の月曜日。 「お豆さんが朝子さんのところへ行きたがったから」 と菅平の美恵子から…

やまいを養う

ハルの避妊手術 「ハル、おかあさんだよ、迎えに来たよ。」と声をかけても、ハルは腰を低く尻込みして私に近寄るのをためらっている。そっとなでながらいたわりのことばをかけてあげるとやっといつものように、私の顔をペロペロと舐め始めた。 毛を剃られたお腹が寒そうで、12センチほどの長さの傷跡が痛々しい。傷口をそろそろと舐めている。ごはんの時間がきても吠えない。尻尾がたれて意気消沈、途方に暮れたような顔をして、すごすごと自分の巣箱にもぐりこみ体を丸めている。 ハルと暮らして7ヶ月だが

別の扉(後編)

別の扉(後編)来月2023年3月7日(火)は、ノユーク・チャイプレゼンツによる6回目のホームコン…

別の扉(前編)

別の扉(前編)大きな転換期には、それまで大事に守り続けてきた世界を閉じて、そこから離れざる…

明日も青き踏むために

明日も青き踏むために兼題「青き踏む」 「青き踏む」は春の季語。“春に新しく芽生えた青草を…

お伊勢さん

お伊勢さん 2022年12月15日から2泊3日のクラツー観光ツアーでお伊勢参り。 二見興玉神社・夫…

夏至夜風Liveに託されたもの②

  それは偶然と妄想から始まった  「夏至夜風Liveに託されたもの①」の冒頭で私は 「お…

10年後の目標

10年後の目標 < 2020年12月20日の記録 > ワークシートをお守りに 将来の目標(10年後)67歳 生…

本と旅とつれあいのこと

『歌に私は泣くだらう 妻・河野裕子 闘病の十年』#保健室 『歌に私は泣くだらう 妻・河野裕子 闘病の十年』 (新潮文庫) 永田和宏  (著)   親しい方がSNSで紹介していたというだけの理由で、予備知識なく、短歌の心得もないのに迷わず購入した。「早速ポチッとしました」とコメントしたら彼女から「ツムギさん、きっと泣き出してしまう‥‥心配。」とのお返事。「新しい本との出会いはいつでもとても楽しみなんです。世界が広がります。本で泣かされるのは本望」と正直に伝えて、その数日後。