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回転寿司をめぐる現状:寿司チェーン店4000店舗で起きていることをマルハニチロの調査から考えます。

LinkedInでマルハニチロさんが毎年実施している「回転寿司に関する消費者実態調査 2024」のサマリーを投稿したところ外国の方を含めてとても良い反応を頂戴しました。

そこで本noteでもリリースを参考にして回転寿司の現状をまとめてみたいと思います。

マルハニチロさんは毎年この調査を実施していて今年で14回目です。
調査設計はこちら:

024 年 2 月 20 日~2 月 22 日の 3 日間で、全国の 15 歳~59 歳の男女で、月に 1 回以上回転 寿司店を利用する人に対し、今回で 14 回目となる「回転寿司に関する消費者実態調査」をインターネットリサーチで 実施し、3,000 名の有効回答サンプルを集計しました。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社) ※今回と 2019 年・2020 年・2021 年・2022 年・2023 年の調査は全国が調査対象地域。2012 年から 2018 年までは、関東(東京都・神 奈川県・千葉県・埼玉県・栃木県・茨城県・群馬県)と関西(大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・和歌山県・滋賀県)が調査対象地域。

マルハニチロ「回転寿司に関する消費者実態調査 2024」より

それでは、同調査リリースをもとに、回転寿司業界の現在地を把握していきましょう。


現状について


これはみなさんが感じてらっしゃる通りのことだと思います。
回転寿司は、手頃な価格で多様な寿司を気軽に楽しめることから、幅広い層に人気があります。
調査によれば、顧客は特に「値段の安さ」「アクセスの良さ」「ネタの新鮮さ」を重視しています。
そして、サーモンやマグロなどの特定のネタに顧客の好みが集中していることが分かります。

回転寿司の店舗数の参考になりますが、全国の寿司チェーンの店舗数は4,000店を超えています。
マクドナルドが約3,000店舗ですからそれよりも多いことになります。

調査資料のサマリー


マルハニチロの調査から得られた回転寿司の客単価、食事量、および人気のネタに関する詳細な情報は以下の通りです。

客単価
-平均: 全体の平均客単価は約1804円です。
-地域別: 北海道が最高で平均1984円、関東は1894円、四国は比較的低い1718円です。
-男女別: 男性の平均客単価は2018円、女性は1590円です。

何皿食べるか
-平均: 全体で平均9.9皿です。
-地域別: 四国が平均11.3皿で最も多く、次いで東北が11.0皿、中国地方が10.3皿です。
-男女別: 男性は平均11.8皿、女性は平均8.1皿です。

人気のネタ
- 平均: サーモンが最も人気があります。
- 地域別: 地域別のデータは特に提供されていませんが、全国的にサーモンの人気が高いと認識されています。
- 男女別: 男性はサーモン、マグロ(赤身)、ハマチを好む傾向にあり、女性もサーモンが最も人気があり、次いでエビ、マグロ(赤身)の順です。

地域ごとの特性や男女の嗜好の違いがあることは興味深いですね。
全国チェーン店だけではなく地域ごとに特徴のあるお店があることが改めて理解できます。

月に1回以上回転寿司を利用する人は約40%です。
サーモンが最も人気のネタであることが続いています。
消費者は価格だけでなく、新鮮さやメニューの多様性、各種コラボ型キャンペーンなどの企画性を求めています。

顧客が享受している価値


回転寿司を利用する顧客は、価格の手頃さと食事の質、即座に食べられる利便性を重視しています。
また、気軽にさまざまな種類の寿司を試すことができる点も、顧客にとって大きな価値です。
伝統的な寿司・鮨屋さんのリプレイスではなく寿司体験エンターテイメントの要素が魅力になっています。日本の伝統的な食のカテゴリーですが、ファミリーレストランに近い存在です。

回転寿司に関してはこちらのLINEリサーチノートの調査もとても参考になります。
こちらの調査はサンプル数も充実していて、地域性なども含めて調査レポートがグラフィカルにまとまっています。

引き続きマーケティングの重要性


顧客が回転寿司に求める価値を理解し、それに応じたマーケティング戦略を立てることが業界の成長には不可欠です。
日本の伝統的な寿司・鮨文化とは異なる存在として理解することが大事になりそうです。
調査にもありますが、市場のニーズに合わせた製品開発、価格設定、販売戦略、プロモーション活動が、回転寿司業界のさらなる発展に繋がりそうです。

まとめ


回転寿司は、その手軽さと味わい多様性、そして店舗におけるエンターティンメント要素で多くの人々に愛されています。
そもそもお寿司が皿にのって回ってくる:SHSHI TRAINということ自体が魅力的ですよね。

従来の伝統的な本格カウンター寿司とは異なり、回転寿司は独自のエンターテインメントを楽しむ場としての側面を強く持っています。
ネタの新鮮さだけではなく、手軽さ、選択の自由、費用の明確化など、新しい寿司文化を形成しています。

寿司の解放ということで捉えるとモダンなMad In Japan インサイトを実現しているということになります。


自分たちの文化を新たに解放して新しい価値を生み出したことはもっと評価されるべきです。

この回転寿司独自のエンターティンメントは、日本だけではなく世界中で喜ばれています。
日本市場の閉塞感を打破すべく世界市場に視線を向けています。

ラーメンショップや書店など、新しい日本の文化が評価されている現状を考えると大きなチャンスがありそうです。


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