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映画『いつくしみふかき』を観た

普通だったら映画を観た感想を書くところだろうけれど、福岡での上演を見逃したわたしが展示やら何やらで忙しいわたしがこの映画を観た理由を書きたい。
できれば多くの人に観てもらいたいと思っている。

京都の八文字屋という写真家の甲斐扶佐義がやっているバーがある。

このバーは創造的な空間で無秩序、積み重ねられた本はすぐに雪崩を起こす。どこが座っていい席かどうかもわからないままとにかく座った。
そこで偶然にも企画・主演の遠山雄さんに出会った。時間にすれば1時間もあったかどうか。

フットワーク軽いわたしもバーで偶然出会った人の作品を必ず観に行くほど暇じゃない。お金もない。笑

この日は必ず観に行く!と決めていた。遠山さんの話が生々しくて熱があってとにかく観に行かんといかんぞ、これは!と思わせる力があった。とにかく本気で思って取り組んだ思いと空気を感じた。フライヤーをもらったけど、フライヤーに書いていたことを読んだのは映画を観た後だった。遠山さんとの時間だけで絶対観に行こうと決めたのだ。

遠山さんは

親子関係に難がある人だったら何か感じてもらえるはず

というようなことを仰っていた。

作品を観終わったわたしの感想はというと

親と仲良くても、仲が悪くても、親が健在でも、いなくても、存在が不明であっても私たちは親がいなければ存在していない。だから誰が観ても何か感じるはずだ!

と思った。

自分というのは今まで出会ったありとあらゆる人の影響を受けている。その中でも両親は格別だ。
じゃあ、片親だったら?
片方がいないという欠如の強い影響がある。自分にとって良い作用をしているか悪い作用をしているかは各々あると思うが。

わたしには父がいない。正確には10歳くらいからいない。仮の父として祖父がいたし、母の再婚相手をわたしはとても尊敬していてことあるごとに影響を受けている。そう実感していた。

この映画を観て

実の父がいないという大きな影響を感じた、感じたというよりわかった。父の存在を思った。

存在というのは”ある”から存在するというだけでなく、”ない”という存在もあるのだ。その影響を嫌でも受ける人もいるってこと。わたしのこと。


映画『いつくしみふかき』強くおすすめしたい。

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