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イスラエル、好き?

ヘブロンへ行った。パレスチナにいる時は『アルハリール』と言うようにしている。ヘブロンはヘブライ語読みのだから。

外務省はレベル2の危険地区としている。

ヘブロンは広い。だからヘブロン全体が危ないとか言うことはないと思う。
思う、としたのは責任を負えないと言う点はもちろん、ヘブロン全地域に訪れたわけではないからだ。



ヘブロンにメイン観光スポットはイブラヒムモスクでありアブラハムシナゴーク。半分がイスラムモスクでもう半分がユダヤシナゴークになっている。なっていると言うか、なってしまった。


そして大きな入植地がある。
旧市街からチェックポイントを超えて入植地があり、その先にパレスチナ人の住むH2エリアがある。

H2エリアに行きたい郵便局があった。2019年に行った時に訪れた郵便局。そこは古い切手をシートで定価で持っている。コレクターショップではなく正規の郵便局だ。

チェックポイントでパスポートを見せる。そして滞在許可証を見せる。

『君にここを通過する許可を与えるか検討するからちょっと待ってて』
チェックポイントの隅っこに追いやられた。
若い兵士がフェンス越に話しかけてくる。
『2 minutes』
2分じゃ何も起きないことは知っているけど、OKと答えた。
『君はイスラエル好き?』
不意にこの若い兵士から質問を受けた。答えに窮してしまった。
ここが入国審査だったら<<大好き!>>と大きな声で言ったと思う。
『いい質問!そうね、イスラエル人のお友達は大好きよ。』
『ムスリム?クリスチャン?ジューイッシュ?』
わたしにはムスリムもクリスチャンもユダヤ教徒の友達もいる。こう言う時、国名で言われると困ってしまう。母国日本だってそうだけど。
『ユダヤ人と友達もいるし、ムスリムもいる、みんなナイスよ!でも国家って言われるとなんて答えていいかわかんない。』
『わかるよ。』
『じゃあ、イスラエルで一番好きなシティはどこ?テルアビブとか??』
『テルアビブはうるさいから、エルサレムの静かな場所が一番好きだよ、もう行った?』
私たちの会話が始まった。
会話の詳細は端折るが、彼は20歳で今月21歳になる。

『兵役が辛いんだ。こんなハードな仕事ないよ。終わったらどっかリラックスできるとこに行きたい。わかるだろ?本当に辛い。どの宗教だって同じなのに。政治だよね、本当に。』

時折涙目になりながら、兵役の愚痴のようなことを言っていた。

沈黙を破るを読んでいたせいもあってしんみりしてしまった。

こんな20歳の若者が辛いと思う現実の政治。
この壁の先がお友達の家。かなり遠回りしないと分離壁が邪魔して行けない。


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