生まれてきた意義

自己責任が叫ばれて久しい。なんだか冷たい気もしている。
そして生まれてきた意義とか生まれてきたからには何か成し遂げるべきみたいな空気もある。
努力して成功するのは気持ちいいし、素晴らしいと思う。
私たちは何のために、生まれてきたのだろうか？生まれてきた意義とはなんだろう？

日本国憲法第二十五条は、(1)｢すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」 (2)｢国は、すべて の生活部面について社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」

日本国憲法

日本という国は私たち国民の生活を保障する義務があると明記されている。努力、自己責任の前に私たちは生まれただけで文化的な生活をする権利を持っているのだ、それが本来の日本国という国であるはず。

わたしの祖母は昭和１１年生まれ。
結婚した時には祖父と祖父の父母（祖母にとってはお舅さんお姑さん）と暮らしていたらしい。

家事？やったことないの？あなたは存在してるだけでいいから。

そう言われたと笑っていた。当時火鉢の火の起こし方も全然知らなかったらしい。よくお姑さんも文句言わなかったと懐かしそうに言っていた。
今の時代ならまだしも、当時はまだ男子台所に入るべからず時代。

私が子供の頃、日曜日の朝ごはんを作ってくれるのは祖父だった。祖母は昼まで寝ていた。当時５０代だった祖父母は共働きだった。とはいえ！

昼頃起きてきた祖母は起き抜けたタバコを吸い。

朝ごはん？いらない。

と言って昼過ぎまでうだうだするそんな人だ。

そういった姿を見て育ったせいか、人は生まれた、それで十分と思うようになったのかもしれない。
努力したり、やりたいことに邁進して挫けたり、悔しかったり、悲しかったり、喜んだり色々あるけれど、根底には存在するだけでいいという思いがある。
どうして生まれてきたんだろう？と思っている人がいたら伝えたい。生まれてきたそれだけでいいんじゃないかなって。