探す、それは足で稼ぐこと！

何の詳細情報もなく、ただベツレヘムというキーワードだけを頼りにアラックの製造元に行こうとしていた。一見すると無謀だけどやってやれないことはないし、やれなくてもやってみないと納得できない性格なので仕方ない。

ベツレヘム旧市街でアッチと言われたヘブロンロードの方に出てみる。ヘブロンロードはベツレヘムとベイトジャラを挟む主要幹線道路でエルサレムとヘブロンに通じている。大通りなだけあって車の通りは多いが人はそんなにいない。

商店に入ってそこにアラックがあればまた手がかりがつかめるかもしれない。道路沿いの小さな商店に入ってみる。

サラームアレコム、こんにちは。

やあ、どうぞ。どうした？

わたしはスマートフォンの写真を見せて、このラベルの工場を知らないか聞く。

見たことないねー。ごめんね。

ありがとう。

この繰り返しだった。本当に見つかるのかな。ちょっと不安だったけど、やめれば終わり、続ければ希望あり。続けるしかないでしょう。

道路に小さな低い椅子を出して座っているおじさんがいた。この人に聞いてみよう。

ああ、この道をまっすぐ行って右の方だよ。

おじさん、知ってるの？

知ってるよ。君はこのアラックが好きなのかい？近くの店でも売っているよ。

作ってるところが見たくて。

そうかい、詳しいことはまた近くで道を聞くといいよ。ただし、クリスチャンにだね！ムスリムはお酒を飲まないから知らないと思うから。

そっか、そうだよね、色んな人に聞いて知らないって言われたのはみんなムスリムの人だったのかも。

あははは、そりゃあ、知らないだろうね。

おじさん、ありがとう。あっちね。行ってみるね。

アラックまでまた一歩近づいた。