廉価版パワーリフターホームジムへの指南書

 皆さんこんばんは。昨今は世間が大変なことになっておりますね。
 こと世間のマッチョたちは生息地が奪われたかのように各地へ散り散りになり、各々苦労していることでしょう。もちろん私もです。

 さて、今回の記事は私が昔にほかのブログで書いた、個人向けホームジム器具についての記事のアップグレード版となります。
 ここ数年で廉価版トレーニング器具は増加傾向にあるかと思われます。しかし、小さな会社で販売しているところも多く、なかなか熱心なマニアでないと、知り切れない部分も増えてきているかと思います。
 また私自身もしばらくのジム難民に苦しみ、行く先も見えない中、少しでもそれを解消し、ほかの方々への一助となればと思い、ここに筆を持たせていただきます。

 今回の記事のコンセプトとしては、まずあくまでビッグスリーを基本としてトレーニングを実施している方向けとなります。
 また同系列に考えている点として、価格を安く抑えるという事です。前回の記事と違う点として、ホームジムを検討されていられる方の中で、もともとパワージムに通っていらした方もいるということです。
 もともとパワージムに通っていらした方の場合、世間が回復に向かった際には、ホームジムに完全移行するか、元のジムと併用される方に分かれるかと思います。
 廉価版で器具をそろえることで、ホームジム移行時のアップグレードのでの財布へのダメージを抑える、元のジムのサブの役割に移行する、といった流れを作ることができると思われます。
 もちろんあまりにもメインのジムと差が広がるとサブの役割も難しいため、サブとして果たしたいところも、この記事では書かせていただきたいと思います。
 内容としては、バーベル、プレート、ラック及びベンチ台についてがメインとなります。


【バーベル】

 バーベル(シャフト)に関しては、しなりや直径がパワーリフティングに大きく影響してくるため、妥協点は高くなります。

 ベンチプレスの握りの感覚やデッドリフトのファーストプルに大きく影響するため、パワーリフティングの大会を考えるならφ29mmの品以外はありえないです。また一部粗悪品となると、スクワット150㎏程度で折れ曲がって戻らなくなる、使い物にならないほど滑る有名メーカーのシャフトもあるため、下記以外は全くおすすめできません。
 近年はうれしいことに、公認品以外でも29㎜のシャフトは増えてきました。特に公式品のOEM品のようなものもあり、依然と比べるとかなり安価に購入できるようになってきました。

・BULL
オリンピックシャフト 税込73150円
 国内ではここ数年、各全国大会でほぼ使われるようになってきました。アジア大会など、一部海外の大会でも使われているようです。
 国内大会を考えるならこれで全く問題ないです。しかしワールドスタンダードであるELEIKO社のバーベルよりも柔らかくしなるという意見もあり、その差を体感でも理解しておく必要があるでしょう。
 なおBULLシャフトは主に二種類あり、上記は所謂‘’黒BULL‘’と呼ばれるものになります。もう一種類’’銀BULL’’と呼ばれるものもあります。

BULL オリンピックシャフトメッキ税込67925円
 上記は黒BULLと比べ安価ではありますが、個人的にはローレットが強く手に刺さる感じがあります。そのため、日常的に使うには手が痛くてあまり好みではありません。


・ROGUE
オハイオパワーバー 税込66040円
ステンレスオハイオパワーバー 税込84120円
 ここ一年でクラシックベンチでは初めてシャフトとして採用され、勢いを増している製品。
 世界最大級のフィットネスの祭典アーノルドフェスティバルで、何人もの1000lbオーバーのスクワットを受け止め、420kgのデッドリフトに耐えるシャフトと同じものがオハイオパワーバーです
 規格はELEIKOと全く同じで、バーを入れるスリーブ止めの長さも同じ為、ワイドデッドで広げられる足幅もエレイコと一致します。握りのローレットのフィーリングはやや独特ですが、手が滑ったり、きついローレットでデッドリフトで流血するようなものではありません。
 ステンレスオハイオパワーバーはオハイオパワーバーに対腐食性が備えられ錆びにくくなっています。

詳細→http://www.mbcpower.jp/hpgen/HPB/entries/10.html
 家庭用なら普通ので、吹き曝しなど環境の厳しいところではステンレス製の方が良いと思います。

・GYMWAY
セラコートパワーバー税込43450円
 端的に言えば、BULLと同製品だそうです。
 差異はコーティングが本家より耐摩耗性、耐腐食性に優れ、かつ安いことでしょう。シャフトのしなりやすさはBULLと同様しなりやすい部類にはなりますが、一本目として最適なものかと思います。

・ONI
 ONIパワーリフティングバー税込33000円
 唯一のオリジナルパワーバー。耐摩耗性、耐腐食性に優れかつGYMWAYよりも安価となる製品。さらに29㎜。グリップフィーリングも他とは違う独特なものとなっております。上記の中で唯一非公認(GYMWAYは一応中身は公認品)なため、長期間の使用での際は不明ではありますが、サブジム用としては最適化と思われます。

【プレート】

 重量誤差の無いものを選びたいですが、手間をかければ家庭の体重計で測定し重量を調整するなどして安いものを正確に使用することも可能かと。
シールタイプの重りを使用すると便利です。
 またプレートには28mmのものと50mmの物があり、一般に後者はオリンピックプレートとも言われ、試合は後者でしか行われません。
購入の際は注意しましょう。

 またセットで購入することで安くなる場合は多いですが、ここでは最も数が多く値段もかかる20~25kgプレートの単品を例に紹介します。

WildFitオリンピックプレート
20kg1枚8500円 25kg1枚10500円
 20kg25kgプレートは業界最安値です。○ィティングロードや○ディメーカーより安いです。ラバーでベアリングも入っており、うるさくなりません。
 問題点としては、誤差と直径です。
誤差は多いものでは500gほど違うようで、その際には調整を余儀なくされるでしょう。
 また20kgはプレートで430mmと普通のものより小さいです。25kgプレートは450mmありますが、なんといっても八角形のため、転がらずデッドリフトの際に不便なため、向いていません。
 デッドリフトをしない場合は良いでしょうが、行う場合は20kg以下で、1セットは規格内の円形450mmプレートを持っておくと良いと思います。

・LBGYM
3グリップ50㎜ラバープレート
 驚きの送料込み税込396円/㎏ 25㎏プレート一枚10000円切りますね。中身としてはおそらくBM社と同じもので、直輸入とかその変かと。もちろん上記と同様に重量誤差がありますが、安いは正義です。
 これは25㎏プレートは公式のサイズと同じですが、20㎏以下は直径小さくなるため注意しましょう。


IVANKO(イヴァンコ) OMKオリンピックペイントプレート 
20kgプレートまで。1枚~11880円
 精度を求めるならこれが最安値と思います。
欠点はスチール製なので、しっかりカラーで締めないと金属音が鳴り近所の迷惑になります。


GYMWAYトレーニングバンパープレート
25kg2枚34000円 (1枚17000円)
 重量誤差50g以内、25kgプレートで厚さ57.5mmの薄型バンパープレート。しかし上記が重さごとに色が変わり視認性が高いものの、この製品は黒一色で視認性の点で劣ります。


【パワーラックなど】

 パワーラックに関しては、正直市場に回るものが多い点と、スペースの問題が人それぞれなた明言しにくいです。

 耐荷重250~300kg以上で、ラックアウトの高さをdiyでクッションなどを使い調整できれば安いもので構わないと思います。差別化としては、懸垂の際のハンドル(パワーリフターでも懸垂をコンディショニング種目に使う人は多い印象です)や、ディップス台の有無があります。
 私は1Kのアパート住まいのため、買うとしたら省スペース化が可能なこの辺(リンクあり)かなあと思います。
 またハーフラックであれば、武器屋さんのこれとか、よそのこれがありますが、いずれも受注生産だったり、品質が怪しかったりします。mbcpowerさんが自社製品作っているようなので、気の長い方は待ってみてください。

 ただサブジムでなく継続してメインジムにするのであれば、思い切って公式品を買うのもありかと。
 現在日本で使われている公式パワーリフティング用スクワットベンチプレスラックは
・BULL
・ELEIKO
・パワーライン
・ER
の4種類のみで、大会で使われやすいのも概ねこの順です。
 それぞれベンチの厚みや幅、高さじ詳細は後述)が若干違いますが、規格内ではそれほど大差なく、好みと値段で良いと思います。
 一般に、スクワットはBULL以外一緒(ガチャガチャするそうです)。そこまで差はないとは思います。
 ベンチプレスはパワーライン>BULL>ERでやりやすいそうです。
 値段に関しては1度問い合せて交渉の余地もあると思います。


ELEIKO
60万円ぐらい
世界大会で最も良く使われるものです。家庭用には少々高すぎるかと思います。最近は新型が出たり、旧型が20数万円で出たりもしましたが、現状はこのぐらいでしょう。


BULL bench&stand
税込514800円
高さははしご式で、テコで変えます。少し後ろにスペースが必要ですが、首の部分が高くなっており安全性が増しています。正直旧型のジャッキタイプのほうがホームユースでは優れていました。


ER
472000円(?)
国内大会では最も少なく、一部の地方大会でしか見られません。はしご式ですが、意外と安いのでアリかも知れません。


パワーライン
定価60万円(JPA関係者は20%オフ?)
最も幅広でやりやすいベンチ台と言われています。ジャッキ式で高さ調整が簡単ですが、手動にすることでより安価にしたものもあります。

ROGUEコンボラック

税抜50800円
一応は公式品のはず。まだ公式戦での使用経験はないはず。愛知県の大会では今後使われそうな予感がします。

【フラットベンチ】


 公式ラックは高くて手が出せない際には、パワーラック+フラットベンチの組み合わせが良いと思います。ここでは公式規格のフラットベンチを紹介します。

まずベンチプレス台の公式規格は
高さ42~45cm 16.5358~17.716inch
幅29~32cm 11.417~12.598inch
となります。
長さは大きくは影響しないため割愛。

 つまりこの規格に合ったものでないと、肩が落ちすぎたり、低すぎて上手く脚の力を使えなかったりします。
 しかし殆どの市販のフラットベンチは、通常より細く低いです。
 唯一見つかったのはこれですかね。他は3万円以上したり、ベンチの足が邪魔でベンチの練習に邪魔だったりします。
 ベンチの足を気にしなければこれとかも。いずれも2万円弱。

またアジャスタブルベンチとの選択もありますが、アジャスタブルベンチはさらに細いものが多く、廉価なもので幅高さ両方満たすものは見つかっていません。

・パワーライン
ベンチ用交換ボード 値段不明
通常のフラットベンチに付け替えることで、幅の問題を解決する方法もあります。その場合高さを決める足の部分はこれこれなんかが使えそうです。高さが一緒ならいいかと。


【今後の日本での販売が期待されるもの】

 現状としては転送サービスを使えば可能なものの割高になりすぎるものです。しかし日本でも販売されれば、新たなスタンダードになりうると思います

・StrongArmSports
the combo rack $895

・TexasStrengthSystem
ipf style combo rack $1590

・ELITEFTS
signature competition combo rack $2749

上の三つは非公式ながら公式ベンチと同等の規格のものです。3番目のものはInstagramで海外の強豪リフターも使用しているようです。

【まとめ】

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