放射線治療を受けてみた (5) :11回目 - 15回目

2017年の秋に子宮体がんと診断され、手術の後28回の放射線治療を受けました。この記事は放射線治療11回目から15回目までの記録です。ここまでの治療の経緯については、過去の記事↓をご覧ください。

告知から入院、療養生活
治療開始の前日まで
治療1回目から5回目まで
治療6回目から10回目まで

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治療11回目

治療そのものにはすっかり慣れた。治療の60分前になったら措置をして、準備が整ったら病院に行く。着替えをしたら機械の上に乗って位置を調整してもらい、必要に応じて下腹部のマークの描き足しをしてもらい、数分間身動きせずに過ごす。最初のころは、治療に必要な数分間が10分ぐらいに感じられたものだ。

今日は照射の後、担当医の先生の診察もあった。トイレの回数が増えていることを報告すると、緩めの下痢止めを処方された。次の診察までに下痢が始まるだろうから、との説明。そうなるとお尻まわりの皮膚のただれなども生じやすくなるので、とりあえず予防のためにリモリスバリア(撥水性保湿剤)の使用を始めるように指示される。

夜になってトイレに行く回数が激増。下痢も始まった。1時間の間に何度もトイレに行かなければならない。

治療12回目

昨日処方してもらった下痢止めのおかげで、昼すぎには多少、お腹の調子が落ち着いてきた。とはいうもののこれはあくまでも一時的なことであって、これからもお腹の調子が悪くなっていく見込み。治療はすぐに終わったが、外来患者の多い日だったためか会計にはいつもの倍ぐらい時間がかかった。

週末

午前中は美容院に行った後、来週分の食料の買い出し。午後は平日用の食事の作り置きをする。

今日のトイレの回数は昨日よりは少ない。だがその一方で食欲不振の程度が強まっているように思う。最近の体重は44.5キロ前後。退院時の体重は51キロを越していたからずいぶん痩せたものだ。

がんであることが分かったのは去年の秋だった。その半年ぐらい前から、食はどんどん細くなっていったのに体重が減ることはなく、全身、特に膝から下が相当むくんでいた。スカートやジーンズのサイズが1つ大きくなったのもそのころのことだ。その時期に撮った証明写真を見ると、びっくりするぐらい顔が病的にむくんでいて驚いてしまう。

私の体調は徐々に、そして確実に悪くなっていった。身体のいろいろなところにサインが出ていたが、病院に行ってみようとは思わなかった。単なる疲れのせいだと考え、いろいろなサプリメントを試したり、自宅でちょっとした体操をすることぐらいしかしていなかった。つまり私は自分の体調ときちんと向き合うことを避けていて、結果的に病気が見つかるのが遅くなったのだ。体調が悪かったらまず病院に行くべき。

夜遅くなってから、Amazonの配信で「バーフバリ 王の凱旋」を観てしまった。観終わったときには午前1時。最初から最後までインドの神話的世界全開で、面白い映画だった。ただ、できればパソコンの小さな画面ではなく、映画館の大画面・大音量で観たほうが良い作品ではある。治療が終わり、胃腸が安定するまでは映画館に行くのは厳しいので仕方がないが。「ブラックパンサー」や、「15時17分、パリ行き」も観たいなあ。

治療13回目

昨日の午後あたりから食欲不振が顕著になっている。治療を始めて間もないころの異常な空腹感はいったい何だったんだろう。

味覚がおかしくなっているようで、何を食べてもおいしく感じない。食欲もない。しかし、食べないと動けないし脱水症状に陥るのも怖い。義務感だけでスープと若干の固形物、そしてヨーグルトやダークチョコレート、豆乳チャイを摂取する。

病院へはタクシーに乗って行きたかったが、すぐにタクシーが捕まりそうな状況ではなかった。結局いつものように最寄り駅まで歩き、さらに病院の最寄り駅から病院まで歩くことになった。治療自体はスムーズに終わった。

その後はレポートその他の文書をまとめる仕事に取り掛かる。長時間硬めの椅子で集中して作業していると全身に余計な力が入ってしまうからなのだろうか、臀部が痛い。身体から余分な肉がだいぶ落ちてきているせいで、今までだったら問題にならないようなことが問題になる。

そして今日もまた、午後10時ぐらいまで仕事をしてしまった。体調が悪い今は普段以上にこういうことは避けるべきだが、ここのところ締切に追われていてそうもいかない。

治療14回目

今日で治療の半分が終わった計算になる。治療自体はスムーズに終わったが、疲れがたまっている。今日は食欲不振やトイレの回数よりも、疲れのほうに意識が向いてしまう。

会社には午後8時半までいて、戻ってから深夜までビデオ会議。明日も朝9時から結構重要な会議が待っている。 自宅で体重を測ったら43キロ台に突入していた。44キロより軽くなるのはいったい何年ぶりだろう。もしかして高校生のとき以来?

治療15回目

朝起きてシャワーを浴びた後、照射をしている部分が赤黒く変色していることに気づく。火傷ともちょっと違う、変な色だ。

今日は体調が今一つで、自宅勤務とさせてもらう。午後はいつもどおりの通院。照射後、現在の体調について看護師さんによるヒアリングがあった。皮膚の状況やトイレの回数などについて話す。治療が終わってからしばらく経つと頭がぼんやりとしてきた。



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