読書感想感想文

不眠症 星新一

(あらすじ)
特殊な不眠症にかかったケイ氏は、一切寝れない代わりに、一切疲れない体を手に入れた。
せっかくなので昼夜問わず働き、給料も倍以上になり、充実した人生を送っていた。しかしある日、どうしても睡眠の幸せを取り戻したくなり、病院へ行く。
これまで働いたお金をすべて出して新薬を投与し、治療を選んだ。
実はこれは夢オチで、ケイ氏は昏睡状態で、逆に新薬を使って目覚めることができた状態だった。
結果、目の前にあるのは、昼夜寝ずに働かないと払えないほどの治療費だった。

(主張)
この話を読んで、学んだことはモチベーションの大切さ、そして「俺TUEEEE」状態が大きなモチベーションとなるということだ。

(物語に沿ったサポート)
ケイ氏は夢の中で昼夜休まず働いていた。もし現実でも同じことができれば、治療費は払えるだろう。
もちろん、現実のケイ氏は寝る必要があるので、昼夜問わずとはいかないが、同じモチベーションで2倍の時間をかければ解決できる。

今となっては、それもできない。つらい。絶望しかない。
ケイ氏が2倍働けたのは、2倍働けて楽しかったからだ。
2倍働けることで成果が出せ、自己肯定感を増幅できたのだ。
スラングを使えば「俺TUEEEE」状態がモチベーションの源泉だった。これを失ったケイ氏は、モチベーションを失い、故に絶望したのだ。

(自分に置き換えた話でサポート)
自分に置き換えてみよう。やはり、できることをやった方が楽しい。
勉強でもスポーツでも、できるから楽しい。そして、楽しいから努力が苦にならない。

勉強で言えば、中学の中盤でコツをつかんでから高校入試が終わるまで、勉強は楽しくて仕方なかった。
定期テストは、自己肯定感がマシマシのイベントだった。
高校に入り、一度壁にぶつかったが、受験勉強を始めてから感覚を取り戻し、みるみる成績が伸びた。
もちろん脳のスペックがあるので、そこそこではあったが、自分としては満足のいく結果だった。

スポーツに関しては、運動神経があまり良くないので大抵うまくいかない。しかし、運動神経が不要なウエイトトレーニングは、やればやるだけ成果が出るので、モチベーションを高く維持できている。
これも大したことはないが、将来老化していく中での大きな貯金になると感じている。
これは「俺TUEEEE」体験ではないが、うまくできる実感と比例するという話だ。

努力が苦でないからこそ成長でき、そして、成長するとさらに楽しくなる。
「俺TUEEEE」状態は、ずっと続けられるものではないかもしれないが、成長の上昇気流に乗れれば、しばらくは続けられる。

(予想される反論)
世の中には、逆境こそがモチベーションになる人もいるかもしれない。確かに、それを否定はしない。しかし、そこには少しずつでも解消に向かっているという実感や、成長を感じられる部分が必要だ。

私の経験上、そんな恵まれた逆境などは存在しない。マンガやアニメでしか見たことがない。
心が折れてしまうか、あるいは負のエネルギーをモチベーションに転化させるかのどちらかだ。
後者の場合、それは一時的には成功に見えるかもしれないが、コルチゾールが身も心も蝕んでいく。
逆境を乗り越えた先にあるのは明るい未来ではなく、ただの廃人だ。
大変なITプロジェクトを想像すれば、理解できるだろう。

(結論)
やはり、基本は好きなことや楽しいこと、得意なことを続けることで、成長の上昇気流に乗ることが大事だ。
では、そのためにどうすればいいか。それが今の私の悩みである。
夢から目覚めたケイ氏が、どうこの状況を乗り越えていくのか。非常に興味深いところである。

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