通貨の強さ(為替レート)は何で決まるのか?

通貨の強さは何で決まるのか?考察してみたい。

短期的な需給

もし、円の通貨量が大幅に増えれば、供給が需要を上回るため、円安になる可能性が高い。実際、日銀が量的緩和を実施しているときは円安になった。逆に、通貨量が減ればその通貨は高くなる可能性が高い。ただし、為替レートはあくまでも相対的なものだ。ドルと比較して通貨量がどのように変化するかがポイントだ。

金利

これも、需給のようなものだが、わけて考える。日本国内の金利が上がれば、債券で運用するのには有利になる。そのため、資金が集まって円高になる可能性が高い。ちなみに、これも需給と同じで、あくまでも相対的なものであり、ドルと比べての金利差が評価される。

その通貨で何を買えるか?どんな取引ができるか?

長期的には、これで決まると考えている。例えば、アフリカの途上国の通貨を持っていても、買えるものは少ない。そのため、途上国の通貨は安くなりがちだ。債券や株式も「買えるもの」の類なので、資産運用もこれに含める。逆に、アメリカのドルであれば、アメリカ国内のものも、国際取引でも使えるので、極めて有用性が高い。そのため、ドルは高くなりがちだ。国際取引で幅広く使える通貨のことを基軸通貨と呼ぶ。ちなみに、デジタル赤字は、これに該当する。AWSなどの外資系のITサービスを利用すると、円ではなくドルでアメリカ本体に吸収されてしまうため、円安要因だ。実質的にAWSは円では購入できないことになる(本当は円決済できるはずだが、グローバル企業は各地の通貨をドルに替えて本体に上納する傾向がある)。

経済成長の余地(将来性)

これも、長期的な為替レートに影響すると考えている。日本円が最近は安くなっているのは、これが影響していると考える。日本企業は海外でドルを得ても、円転して国内への設備投資に使わない傾向がある。それは、国内需要が少子高齢化で伸びないと思われているからだろう。TSMCの子会社、JASMは、日本政府の莫大な補助金で熊本県に立地したので、別に日本が有望だと考えたわけではないだろう。地政学的な要因もある。韓国は、半導体製造工程では台湾のライバルだ。また、中台関係は悪化している。そのリスクを回避する上で日本が選ばれたのだろう。

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