各国のペインポイント(弱点)

アメリカ、中国、ドイツ、日本、インド、ロシアのような大国であったとしても、必ず弱点(課題)がある。それを考えてみたい。意外と、日本は恵まれていると感じるかもしれない。

アメリカ合衆国

格差・貧困が最大の課題だ。例えば、シリコンバレーで有名なカリフォルニア州だが、不動産価格の高騰で、家に住めないホームレスが大量にテントや自動車で生活している。異常なことだ。医療も課題だ。アメリカにおいては、日本よりもお金儲けが医療において重視されている。そのため、ちょっとした手術(盲腸など)でも、300万円かかる場合がある。庶民はそれだけで破産する場合がある。犯罪も問題だ。銃乱射、違法ドラッグ、レイプなど、日本よりも犯罪発生率は遥かに高い。カリフォルニア州では、刑務所のキャパシティ不足で、窃盗が軽犯罪になってしまった。長期間の刑期だと財政が逼迫するからだ。ほか、公共交通機関が貧弱であり、自動車と飛行機での移動が多いため、日本よりもCO2排出量は多い。

中華人民共和国

アメリカと同じで、格差と貧困が課題だ。中国においては、都市と農村で戸籍が異なり、戸籍によって高等教育や社会保障で相当な格差がある。これは、毛沢東が農業重視の思想だったからなのかもしれない。あまり、都市に出てきてほしくなかったのだろう。日本よりも地方出身者が社会的に成功するのは遥かに難しい。また、中国特有だが、共産党との距離が近いと恩恵を得られるため、賄賂も多い。習近平は腐敗を撲滅しようとしているが、これが政争に利用されることもあり、とにかく政治に国民が振り回されることが多い。例えば、塾禁止なども習近平の思いつきだろう。不動産セクターに依存して経済成長してきたため、不動産バブル崩壊で、未完成のマンションが多く、せっかくマンションを買ったのに住めない人も多い。

日本

韓国と並んで、世界でも最悪レベルの少子高齢化だ。このままでは、人手不足で中小企業を中心にどんどん倒産していくだろう。

ドイツ

天然ガスのエネルギーをロシアに長年依存してきたため、原発を停止してきた。そのツケが今になってドイツにダメージを与えている。風力や太陽光は変動が激しいため、天然ガス火力や原発がないと、冬を越せるか毎年心配しなくてはならない。

フランス

ドイツとは異なり、製造業が弱い。そのため、観光にかなり依存した経済だが、昨今はテロが多発しており、それで観光客から敬遠されつつある。

イギリス

政治に振り回されてきた。この国は政策の振れ幅が大きい。アトリーの時の社会福祉重視の左派政策から、サッチャーの新自由主義、ブレグジットなど、その時の政権に国民は振り回されてきた。ブレグジットは、EUとの結びつきが弱くなり、イギリスは経済的に孤立しかねない。ホンダやトヨタなど、長年イギリス経済に貢献してきた自動車メーカーを邪険に扱ったことが仇となり、両社は撤退を示唆した。イギリスはロンドンの金融が強いが、ドイツとは異なり製造業がそこまで強くない。金融エリート以外は、これから何で稼いでいけば良いのか見えない。フランスやスペインと比較して観光も弱い。

インド

インフラと教育が弱い。いまだに、インドでは頻繁に停電が発生する。識字率も、ほぼ100パーセントの日本とは異なり、文字を読めない人が一定数いる。また、非常に文化・民族的にダイバーシティに富んだ国であり、国民統合が難しい。水不足や衛生面の課題もある。

ロシア

プーチンに国民が振り回されてきた。プーチンは時代遅れの帝国主義のような思想であり、ウクライナ戦争をしかけた。石油や天然ガスに依存した経済であり、ドイツのように製造業が強いわけでも、イギリスのように金融が強いわけでもない。あえて挙げるならば、軍需が強い。ロシア製の兵器は輸出されて、外貨を獲得している。戦争を嫌がって、若い男性や富裕層が大量に国外脱出しており、これからどうやって経済を再建するのか課題になるだろう。

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