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-秋の気配-

雨の紅葉、ダムを拝んで参りました。

その傍らのトイレ、小屋の麓に、男女の姿が見受けられました。

カップルだろうか。

そういうことを考えるとき。

ここ何年か、いつも決まって思うことがある。

ほんとにカップルなのかな。

女性とふたりで歩いている。

という場面が、たまにある。

劇団の活動のちょっとした隙間時間や、或いは、懇意にしている方と歩いているときなど。

また、友人と歩いていることもある。

わたしは久しく彼女などは居ないので、カップルと考えられるケースはなかろうと思う。

そう思ってくれたら嬉しいな、というケースなら、或いは、あるかもしれない。

そういうわけなので、男女がふたりで居ること。

イコール、カップルであろう、とは、いささか気の早い話に思えてしまう。

男性が口説きに入っているのかもしれない。

女性が口説かれに入っているのかもしれない。

そんなことを、うじぐじと考えるのが、これまた、わたしは大好きなのである。

だから、あまり振り向いてもらえないし、避けられてしまうのであろう。

しかしながらも、作家としては、悪くない。

人の愛憎渦巻いておる様を眺めておるのは、作家冥利に尽きるものである。

さて、作家冥利を考えに考えたところで。

わたしはまた今夜の改稿の書き起こしをしてから、布団に入ろうと思う。

作家として、良心的な人生を歩みたい。

きっと、あなたの夢を叶えます。

なので、気を長くして、わたしの栄進をお祈りして頂けたなら、これ幸いに思います。

それでは、また秋の気配の色めく夜に。

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