Vol.12”看護師”である前に”人間である”

このご時世、自分が看護師であるということを隠して過ごす日々。なぜ隠しているのか自分でも納得がいかない。本来なら、堂々としていていいはずなのに...

看護師というだけで”看護師なのに””看護師のくせに”等と言われるからだ。つまり何が言いたいかというと、看護師であるが故に、”看護師なのにこんな場所にいていいの?””看護師なのにこのご時世遊んでいて大丈夫?”ということを皆言いたいのだろう。イヤイヤマテマテ。看護師である前にあなたと同じ人間なんですけど?あなたは良くて私はだめ?

最近はコロナに対して気が緩み外に出かける人も多いだろう。旅行に行ったり飲み会に行ったりはさすがにしていないが、これもおかしな話だ。医療従事者以外は出歩いて良くて、医療従事者はダメっておかしくないだろうか?何かあったときに面倒見るのは医療従事者。

このような誤った価値観?認識が、医療従事者を追い込む。結局耐えられなくなった医療従事者は辞めざる負えなくなる。そして人手不足になり医療崩壊へ。

医療崩壊になれば皆、自分が死ぬのは怖いから我にもすがる思いで泣きついてくる。何かあれば医療従事者を批判し、いざとなれば泣きついて助けてもらおうとする。

クラスターがいい例だ。クラスターが起きた病院はこれでもかというくらい批判される。「医療従事者としての自覚が足りない、お前の病院はどうなってるんだ。信用できない」などとまで言われる。でもどうだろうか?そんなことを言っていた人も、いざ自分が病気になれば態度を180度変えてのこのこ入院してくる。正直、そこまで批判したのだったら入院してほしくないというのが本音だ。しかし、目の前に助けられる命がある以上救うのが私たちの仕事だ。感情を押し殺してニコニコし、患者様のご要望にお応えして...

私たちだって皆と同じ人間だ。感情だってある。正直腹が立つことだって多々ある。泣きたい時だってある。もちろん遊びたい気持ちも大いにある。

悪いことばかりではない。そんな私たちを少しでも支えようと、差し入れをくれたり、お手紙をくれたりする人もいる。手紙1つ、言葉1つで私たちは救われる。自分が今やっていることが間違っていないのだと確信するからだ。

どうか忘れないでほしい。看護師も看護師である前に1人の人間であるということを。

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