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More and more people adopt MAP Grammar!

この本を担当の編集者の方から送っていただきました.

今回のこの本がいいのは,例文のフォントが手書き風かつ見やすいことです.この本は「トレーニング」として「瞬時に英語にするのが難しければ,英文をなぞることから始めましょう」となっていてそれはよいことだと思いますが,

もし,この本の小文字(lower case)の"a"がいまこのaという形になっていると大半の人は自分はそう書かないと言うでしょう.だから,別のフォントを選ばないといけません.

Fonts

普通は英語のテキストを教材にいれるときはTimes New RomanなどのSefit(ひげつき)を使います.でないときは,Sans Serif(ひげなし;sansはフランス語でwithoutの意味です)で代表的なのはHelveticaというTOEICでもお馴染みのフォントです.じつはぼくはHelveticaが大好きです.でもね,それじゃ,手書きとは違いすぎます.

で,執筆者や編集者がページのデザインをして安易に「手書き風の,でも筆記体じゃなくて」と指示を出すと,Comic Sans (MS)というWordには必ず入っているもの(かもしくはその類似フォント)を選んでしまいます.でもね.これは読みにくくはないですけど,じっさいやってみるとわかりますが,このように書くのは結構書きにくいです.少なくとも真似して書くべきとは思いません.

あとは,ネイティヴでも日本人でも最初に文字を使うときにならうガチガチのフォントがあるでしょう? それはぼくのコンピューターには入っていないので例はだせないけれども,あんなに丁寧には書いてられないのであれもきついはずです.

で,そこでお勧めなのはもうちょっと崩していて,それでいて可読性の高いフォントです.ぼくは,いくつか自分でお金を出して書いました.いちばん気に入っているのはGetty-Dubay Basicというフォントで,本当にこれはアメリカ人のelementary schoool teacher's handwritingという感じです.ぼくの友達の几帳面なカナダ人がこれそっくりに書くので(彼はそんなフォントがあるのをたぶん知りません),見つけた時は興奮してすぐ購入しました.

実は『ゼロから覚醒 はじめよう英作文』 でもこのフォントを使ってもらおうかとかんき出版の編集の担当の人には,話しましたが,デザイナーさんのところにこんフォントがなければいけないので,ちょっとそれは叶(かな)いませんでした.代わりに使ったのがLucida Schoolbookというフォントです.たぶん,このフォントも標準ではWordに入っていないと思いますが,たぶんLucidaシリーズ(これ自体は標準で入っているはず)なのでデザイナーさんのほうで手に入れて対応するのが簡単だったのでしょう.

『「意味順式」おとなの英会話トレーニング』で使われているフォントはこれらではないですけど,みやすさ,なぞりやすさの点でよいものを選んでいます(註・kのフォントの名前ですがモリサワの"UD DigiKyo Latin Bold"ということです).細かいことだけど,大事なことです.

いくら構成や内容がよくても,結局,こういう本は,例文を耳で聴いて,口に出して,手で書いて,…ということを繰り返さなければ意味がありません.逆に,それをすると「意味順」が「5文型」に比べてどうかという専門家にとっては大事かもしれなくても学習者にとってはどうでもいい議論に巻き込まれずに,英語を自分で生み出す感覚を手にすることができると思います.本当のところ「意味順」が目指しているのはそこだと思います.

まあ,ということで,『ゼロから覚醒』シリーズの土岐田さんの英文法の本もよいですが,受験ではなくて英会話のための文法を体得したいという人にはこのNHK出版の本は良いと思います.個人的な趣味ですが,やっぱり語学の和書はB5のうすい本が良いなと思います.


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