見出し画像

From Zero to Breakthrough

この度『ゼロから覚醒 はじめての英作文』を世に出すことになりました.『ゼロから覚醒』シリーズは,大学入試向けに国語を教えられている柳生好之(やぎゅう・よしゆき)さんによる現代文の参考書がでていて,それが大変売れていると聞いています.そのシリーズにぼくが書く本を加えていただくことになり,大変うれしく思っています.

『ゼロから覚醒 はじめての英作文』はどちらかというと英語を苦手としている学習者を対象に次の3つのことを身につけていただくことを願って書きました.

① 簡単なセンテンスを書く
② ①の簡単なセンテンスをつなげて,まとめて意味のあるテキストを作る
③ ①②を可能にするだけのマインドセットを身につける

実は英語の苦手な人の多くが「①簡単なセンテンスを書く」ことができません.そこで,文法をやり直そうとするようですが,リーディング用の難しい文構造を読み解く文法はライティングでは初級者が必須でマスターするものではありません.ごくごく基本的な文法事項を見直すことは必要だとしても,言いたいことをごくごくシンプルなセンテンスに落としていく訓練のほうが重要に感じます.

その上で,②「①の簡単なセンテンスをつなげて,まとめて意味のあるテキストを作る」ことが大事です.例えば,Melody is a gourmet.というセンテンスを書いたとして,次には通常how she enjoys fine food(美味しいものをどのように食べているのか)というような内容がくるはずです(本書 p.85).言われてみればそれほど難しくなさそうなことでも,このように正しく展開できるように練習をしたことのある学習者は驚くほど少ないと思います.

個人的には,大学入試で「英作文」とよばれる文法・表現の習熟度を問う「和文英訳」を意識しすぎるあまり,③ 「①②を可能にするだけのマインドセットを身につける」ことが難しくなっている可能性を危惧しています.本書を書くために入試問題を調べた限りでは,かなりオートドックスなライティングタスクの出題をする大学も少なくありません.しかし,大学受験用の英作文の参考書の多くは和文英訳のためのやや難しめの文法事項を扱うものがメインで,上記の①②を扱うものはほとんどありませんでした.

そこで,①②③にしぼってを書いてみました.文法や語彙を十分に身につけてからライティングに取り掛かるのではなく,ライティングに取り組みながら基本的な知識を少しずつ蓄えて,本書が終わる頃にはライティング以外の総合的な英語力が上がっている状態になるような本を目指しました.担当編集者の前澤美恵子さんのおかげで,他にないユニークな本にしあがったと自負しています.騙されたと思って,ぜひ手に取ってみてください.

残念ながら,発行部数を考えると,書店で平積みになってくることはまずなく,かなり大きな書店以外は置いていないと思います.ネット書店このリンクから「ご購入はこちら」をクリックいただくといくつかのオプションが示されます.ただ,こだわりがなければAmazonでご購入いただければと思います.なぜかというとここでの順位が全体的な売れ行きに左右するからです)でお求めいただくか,ご注文頂ければと思います.逆に書店に置いてあるのを見つけた方は,店員さんにご了解を得た上で,SNSなどに写真をアップしていただけると光栄です(店名・書名および「買いました」以上のコメントはつけなくて構いません).

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?