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”NO RULES” を読んで、思ったこと、やると思うこと

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発売して、読もう読もうと思っていて、ようやく読みました。非常に面白かったです。共著者のエリン・メイヤーさんの異文化理解力もかなり面白い本でしたが、組織形成・運営に関して多くの参考になりました。

このエントリは、以下の3構成にします。

超要約:備忘録を兼ねて要点を箇条書きでまとめます
思ったこと:色々ありますが、本を読んで考えたことをシェアします
アクション:自身の組織運営にどう役立てるつもりか記載します

本を読むだけに終わらせない、考えるだけに終わらせない、行動に活かすために、あえてnoteします。

ほぼ、自分のための備忘録です。それでも、この本を読もうか悩んでいる人の参考に少しでもなれば幸甚です。

超要約:クリエイティブを重視し自由と責任のカルチャー

ここは私の備忘録的なもので、分かりづらいところもあるかもしれません。
(もっと上手な要約を目指します)
①能力密度をあげる。超優秀な人たちだけで構成される職場をつくる
これが土台となっており、これ以降のポイントを実現していく条件になってきます。とにかく、優秀な人達だけを集めて、一人の怠け者が全員のパフォーマンスを下げてしまう。

②率直なフィードバックをする、上司にもフィードバックする
優秀な人材に対して、私心のない率直なフィードバックで、更に上のパフォーマンスを実現をする。フィードバックのガイドラインは、”4A”。
Aim to assist, Actionable, Appreciate, Accept or Discard

③経費・休暇などのルールを減らす。
優秀かつ倫理の高い社員であれば、ルールはを廃止して自由を与える。その自由によって、オーナーシップのある判断ができるようにする。率直なフィードバックがあれば、間違った運用にも指摘がはいる。

④クリエティブ系には、人材市場で最高の報酬で採用・給与を調整する
クリエティブな仕事においては、ひとりの社員が他の人の10人分以上の価値があることも多々ある。その人の能力に対して、マーケットで最も高額な報酬を出す。

⑤会社の重要情報も公表することで、コミットメントを強化する
重要情報を開示することで、社員への信頼を示す。社員の責任感、オーナーシップは更に増す。

⑥意思決定は、職位に関係なくその事項に最も精通する人に与える。意思決定において賭けができるようにする
迅速な意思決定をするためには、そのプロジェクト等に最も精通する人物が意思決定をする。上司は、躊躇なく賭けができる環境を構築する。失敗した場合、何を学んだかを含めて公表する。

⑦「メンバーを残すかどうか」というキーパーテストをマネージャーに徹底
社員がやめたいと言ってきたときに、必死にとめるか?ホッとするのか?後者なら十分な退職金を支払う。家族でなく、プロスポーツチームのように常に最高のパフォーマンスをする人が集まる組織。

⑧フィードバックを活性化する仕組みを設ける。例えばライブ360度評価(ディナーなどもしながら)
率直なカルチャーは難しい。制度や仕組みでフィードバックを生むようにする。ライブ360度評価は、その場でフィードバックを受けるもの。地獄のようにも思うが、4Aに従いフィードバックを贈り物として行う。

⑨コントロールでなく、コンテキストによるリーダーシップ
細かいルールや上限をつくるコントロールでなく、条件や背景を共有すること。例えば、毎日2時間電話でアポ取りしなさいがコントロール、
売上(利益)を今月はやろうと目指していること、ターゲット顧客の属性などを徹底的に共有することがコンテキスト。
(ここが一番考えさせられました)

⑩異文化である他国に適応させる(Adapt)
ネットフリックスのカルチャーをベースにするものの、国ごとによってベースとなるカルチャーが異なる。日本であれば、率直なフィードバックは国のカルチャーとして難しい。国ごとに適応させる。

思ったこと:日本のカルチャーはクリエイティブに相性が悪すぎる

Netflixの特徴の中でも、”ローコンテキスト”と”率直なフィードバック”は日本の文化とはかなり遠いなと感じました。みなさんも、自分の上司に対して率直にフィードバックができるでしょうか?言い回しを慎重にすると思いますし、持って生き方をそうとう準備すると思います。そればかりか、同僚や後輩であっても率直に話ができるでしょうか?
また、コンテキストという意味では、「空気を読む」という言葉ある通り、かなりハイコンテキストです。背景などを言語化せずとも、意図を汲み取ったり、共通認識で業務を遂行していきます。一方、ルールに関してみると、日本の多くの組織ではきっちりと言語化されています。

上司の意向を汲み取ってよしなに、細かいルールに則って業務遂行

この曖昧と緻密さが矛盾するよう業務運営は、高度なオペレーションスキルだと思います。
一方で、「これってクリエイティブなこととめちゃくちゃ相性が悪いよね」という思いもあります。クリエイティブって新しいなにかをつくるだとしたら、あまり変わらない共通認識ってほぼ役立たないし、むしろ障害があります。「いいアイディアだけど、上司に意図にあわなそうだからやめておこう」といったことが多々あると思います。
この辺が、クリエイティブ、イノベーティブなものを生み出すことには苦手なのかなと思います(特に、Netflixのようにエンタメ&テックのようなものとは遠いのかな

第9章に記載がありましたが、コンテキストでなくコントロール(細かいルール)が、力を発揮する業種もあります。安全第一だったり、ミスが許されない業界などには強みが発揮されます。仮に、ミスが許されない業界で、コンテキスト(背景や条件)だけ丁寧に説明されて、ルールがなかったら不安だと思います。そういう意味では、日本人(日本の教育も?)の思考様式にそちらのほうがあっています。安全かつ正確な交通機関だったり、緻密なハードウェアなどはやはりお家芸なんだと思います。

今回、本を読んで疑問で深堀りしたいなと思ったのが、日本にも生まれたクリエイティブだったり、イノベーティブなものは、典型的な日本文化と違うのか?ということ。(今後考えます)

自由闊達にして愉快なる理想工場を掲げた”ソニー
世界に誇るコンテンツである”漫画”や”アニメ

アクション:能力密度をどうやってあげるのか?

読んでみて素晴らしいカルチャーだと思いましたが、ネットフリックスが置かれているエンタメというインダストリーだったり、国や地域としてのカルチャーの土壌だったり、適応する条件があってのものかなとも思います。
全面的に導入することは極めて難しい。。。
また、日本の労働法制上もこの運用は難しい点がいくつかある。

とはいえ、2つ決めたことがあります。

1.能力密度をあげる。相互に能力を高め合う組織を目指す
最高の仲間がいれば、全員のパフォーマンスが上がるのはその通りですが、若年層や新卒など能力がまだ不十分な人もたくさんいます。最初は、教育や確認に時間がかかろうとも、自律的に成長できる環境をいかに用意できるか?自分が見本になれるか?ということを課題にしていきます

2.コンテキストを丁寧に説明し、可能な限り自由にする
自由にやってもパフォーマンスが出るためには、能力も必要です。能力が足りないのに、自由と重い責任を課すことは、マネジメントが無責任ではと考えます。コンテキストを説明し、どこまで自由にできるかを常に見てギリギリを攻めたいと思います。

ものすごく極端なカルチャーだからこそ、学びが非常にありました。いずれにせよ、自分たちも人が読んで”すごい”と思うのでなく、”納得する”というカルチャーを創っていきたいです。


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