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理系学生の最新動向から考える!理系採用アップデート戦略

Thinkingsグループのイグナイトアイでは、採用担当のみなさまに向けた無料セミナーを実施しています。今回は、2020年6月17日に実施したセミナーを一部抜粋しご紹介いたします。ぜひ自社の採用に取り入れられる部分を考えながらご活用頂けると嬉しいです。

【テーマ】理系学生の最新動向から考える!理系採用アップデート戦略

【パネラー】
桐原 有輝:株式会社POL 営業部責任者
森田 徹:マーケティング&セールス部門統括、当社取締役。

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みなさんの現状(参加者アンケート)

はじめに参加者アンケートを実施し、本日どのような方々にご参加頂いているか、みなさんと共有しました。

note_セミナーレポートセミナアンケート用(画像作成用パワポ)

各設問と上位回答をご紹介します。

質問1:21卒採用について、採用目標数に対する内定出しの進捗率を教えてください
1)81~99%:37%  
2)100%(採用活動を終了した):16%
 質問2:21卒採用について、「最終面接をオンラインで実施した応募者に内定を出す」ことをしましたか
1)最終面接のほとんど(50%以上)はオンラインで実施:60%
2)最終面接は一切オンライン化せず、オフラインで実施:17%
質問3:21卒採用について、「すべての面接・選考をオンラインで実施した応募者に内定を出す」ことをしましたか
1)オンライン面接のみで選考した内定者が多数(50%以上)いる:47%  2)オンライン面接のみで選考した内定者が一部(50%未満)いる:37% 

オンライン面接のみで内定を出した企業が増えているのが今年度の特徴です。

質問4:22卒採用について、インターンシップの実施時期はいつ頃を予定していますか
1)今年8月ごろ:29%
2)今年9月ごろ:23%
3)今年10月~年内:15%

学生の夏休みのタイミングで開始される方が6割ほどですね。

【第一部】理系採用アップデート!理系学生の最新動向から考える

桐原:当社は、業種に限らず理系学生を採用する企業様に情報提供をしております。本日は、21卒・22卒の状況と学生アンケートの結果などを共有させて頂きます。よろしくお願い致します。

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1)21卒理系学生就職活動状況調査(2020年5月)

桐原:当社で実施した21卒学生への調査を元にお話します。

【21卒:就活状況】
①5月17日時点での就活状況

桐原:就職活動を終了した学生は全体の55%で、20卒と比べても平均的な進捗でした。就活を終えた学生の平均内定所持数は1.8社でした。

②5月17日時点での就活状況(専攻別&志望業界別)

桐原:専攻別では、情報系・機械系は就活終了の割合が6割前後と高い一方、生物・農学系は3割と進捗が悪く、志望業界別では、IT・通信業界とメーカー(機械・電気)では半数が就活を終了している一方、メーカー(素材・科学・食品)を志望する学生は4割しか就活を終了していませんでした。

③エントリー数(専攻別)

桐原:エントリー数は「11社」が最も多く、専攻別に平均エントリー数を見ると、機械、電気・電子、情報は化学の半数程度と少ない状況でした。

④内定所持数(専攻別)

桐原:内定所持数は「2社」が最も多く、専攻別に見てみると、生物・農学系は1社を切る結果でした。

当日は、各グラフをご覧頂きながらご紹介しました。

【21卒:オンライン就活状況】
①一度も直接会わずに内定を得たことがあるか

桐原:一度も直接会わずに内定を得たことがある学生が35%に上る結果となりました。そこまで感覚的な相違はないという印象でした。

②選考のオンライン化についてどう思うか

桐原:「全てオンラインで良い」と回答した学生は27%でした。後程ご紹介しますが、22卒でも同様のアンケートを取ったところ、これより少し減っています。21卒学生はオンラインに概ね肯定的です。

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2)22卒理系学生就職活動状況調査(2020年5月)

【22卒研究進捗の悪化】
①研究活動の進捗状況

桐原:理系採用を進めるうえで、変化が起きる要因となっている部分についてです。22卒学生では、研究の進捗が予定の50%以下の学生が約80%もいます。そのうち、全く進捗のない学生が36.2%でした。研究室に行かなければできない、電気系、化学系、生物系の学生は研究進捗遅延が顕著でした。

②この夏の、研究と就活にかける割合

桐原:就活と研究で合わせて10とした場合、今年の夏休みに研究にどれだけ取り組むかを調査しました。結果は、7:3(研究:就活)で取り組むという回答が最も多く、研究重視の傾向でした。

【22卒就活開始状況】
①例年、理系院生は就活スタート「6月」が最多だが、早まる

桐原:21卒では6月開始が20.7%とも最も多く、残りはまばらで多くの学生がマイペースに就活を行っていましたが、今年は5月末時点で80%の学生が就活を始めています。

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桐原:具体的には「就職サイトへの登録」が94%で、当社のLabBaseでも例年より5倍近いスピードで登録されています。次に「インターンシップ探し」が56%で2位でした。

【採用のオンライン化への意向】
①就活のオンライン化についての意向

桐原:22卒学生に関しては、「全てオンラインで良い」は16.6%と、21卒学生より下がっています。ただし、「基本オフライン(対面)で一部オンラインがよい(25.2%)」と合わせて、オンラインを受け入れる学生の割合は、21卒とそこまで変わらず、概ねオンライン化には肯定的でした。

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②就活や選考に関してオンラインで構わないもの

桐原:説明会や個別面接など、情報が一方通行のもの、もしくは1対1で対応可能なものへに限ってきている傾向です。

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3)22卒サマーインターン意向と行動

①応募状況(2020/5/12時点)

桐原:21卒では、約半数の学生がインターンシップへ「参加した」と回答しました。驚いた数字なのですが、22卒での応募状況と比べてみると、「応募した」が25.0%、「応募していないが、応募するつもり」が66.5%で、現時点で9割の学生がサマーインターンへ参加予定であることがわかりました。企業にとって、例年以上にサマーインターンが重要なものになると考えています。

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②サマーインターンの探し方

桐原:全体の70%が「ナビサイト」、次いで「スカウトサービス」「自分で検索」でした。また、理系学生は特に多いと思いますが、「教授・先輩・友人から教えてもらう」も3割近い数字となりました。

③参加したいサマーインターン形式

桐原:オンラインには比較的肯定的な22卒学生ですが、最も多い回答が「1週間未満のオフラインインターン(68.4%)」でした。期間によらず、オフラインのほうが希望が多い結果となりましたが、1dayの場合は、その差が最も小さくなりました。

④何社のサマーインターンに参加したいか

桐原:平均は約3社ですが、最も多い回答は1社か2社でした。今の段階から情報収集し、本当に行きたい企業に絞る印象です。

⑤サマーインターンへの希望(自由記述)

桐原:学生の声の一部をご紹介します。

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4)22卒採用への提言

【22卒理系新卒採用成功ために】

桐原:市場の変化や学生の状況から、学生が求める採用活動に関して、ポイントは、①早期化 ②部分オンライン ③ピンポイント化 の3つだと考えます。

①早期化
に関して、理系学生は文系に比べて多くの企業を受けず、受ける前に絞ってしまう傾向があります。個別に早期に接触を図り、自社のことを印象付けておくことが重要です。それがサマーインターンでなければならないということではなく、1対1の個別面談でも出来ると思います。

②部分オンラインに関して、雰囲気 / 評価 に関わらない部分をオンラインで可能な限り代替するなどして、じっくり志望度を上げることが大事です。

③ピンポイント化に関して、研究遅延の深刻化から学生の応募企業数の減少が見込まれます。そのため集客が難しくなる前提で「欲しい人材」を「小規模」に集めていくことが重要になると考えます。

【 これからの採用の潮流】

桐原:当社では、今後10年で以下のような採用の変化が起こると考えています。

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【22卒サマーインターントレンド】

桐原:理系学生はこれから研究の忙しさが増してきます。夏の時期にインターンの為に1週間近い時間を使うことは、現実的ではないと思います。

こまめに連絡をして関係を維持し、月に1回会って関係性を深める、というような学生と企業の関係を比喩して、当社では『遠距離恋愛採用』と呼んでいますが、従来のように、長い接触期間や1度きりの短い接触から本選考へ移るのではなく、短期で複数日程、複数テーマで何回も参加してもらうような設計を行い、関係性を温めることが大事になってくると考えます。

当日は、「ものづくりを行う機械メーカーの事例」や「1~3日程度のオンライン・オフラインを組み合わせた事例」、「1day×複数テーマ×複数日程での完全オンラインでの事例」などの企業のインターンシップ事例をご紹介しました。

5)LabBaseサービス紹介

桐原:最後に簡単にサービス紹介をさせてください。
LabBaseは理系に特化したスカウトサービスですが、当社として出来ることは、学生への企業認知の向上から、母集団形成をし、採用プロセス改革をお手伝いすることまで可能です。
LabBaseの登録理系学生者数は累計で27000名です。我々のスカウトサービスは22卒学生で返信率が60%を超えており、優秀理系学生へのピンポイントアプローチに関して期待してご利用頂いています。ぜひお気軽にご相談ください。

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【第二部】これからの採用マーケットに対応するHRテック活用と採用体制の変化

森田:イグナイトアイは、テクノロジーと採用ノウハウで、企業の採用力向上を支援しています。採用管理システム「SONAR ATS」は、業界・規模問わず700社強の導入実績がありますので、本日は、現在の潮流も含めご紹介できればと思います。

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1)世の中の変化

森田:緊急事態宣言が解除され社会経済活動は徐々に戻り、イベントなども再開してきています。経済状況に関しては、5月には多くの企業で決算発表もありましたが、上場企業の6割が2021年3月期業績予想「未定」でした。各社でリモートワークやシフト制勤務などが進み、「出社は週2日以下」「削減される通勤交通費を手当として活用する」など、新たなワークスタイルの動きも出てきています。

こうした中で、世の中の変化として「距離感」の変化が起こっていると感じています。

2)採用マーケットの変化

森田:21卒採用では、オンライン採用は急速に拡大したと感じています。4月に当社で開催したウェビナーのアンケートでは、約8割の企業がオンライン採用を実施したという結果でした。5月末に開催したウェビナーでは、最終面接をオンライン中心で実施した企業が約半数もいらっしゃいました。本日同じご質問をした際に6割程度だったため、時期が進んだことと、理系対象であることも関係していると推測しています。

【これからの採用マーケットの動き】
1.採用計画の変化

森田:5月下旬に当社で開催したウェビナーでは、約60%以上の企業が「22卒採用での採用手法見直しを検討」、1/4の企業が「採用する人材の見直しを検討」しているとの結果でした。

経営戦略に基づき、改めて人材戦略・採用戦略を再定義するタイミングになってきていると考えています。

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2.採用施策の変化

森田:これからは、オンラインをベースに、オフラインで+aを補うといった施策になっていくのではと考えています。また、ケアする環境も必要ですので、少人数ベースでの施策に変化してゆくと考えています。

また、現状実施している施策が変化に適応可能か棚卸が必要です。例えば、認知獲得に関して、これまでよりも「偶然の出会い」は減ってしまい、その分企業はスカウトツールなどの利用が増えるのではと考えます。1人の学生に対して多くのスカウトが来て、返信率の低下に繋がることも考えられるので、そうした変化を踏まえた工夫や準備が必要だと考えます。

3.採用体制の変化

森田:新卒採用に関して、マンパワー不足の課題と、マンパワーが成果に繋がるという事実があります。いかに採用担当者以外の方を巻き込んで採用出来るか、特に理系採用に関しては、先輩社員との面談など、関りを増やせるかはひとつポイントになるかと思います。22卒においては、コスト見直しも避けて通れない課題ではないかと考えています。

3)これからの採用マーケットへの対応

森田:このような世の中や採用市場の変化に合わせて、如何に変化に対応していけるかが重要となり、採用戦略をゼロベースで見直すタイミングになっていると感じています。

1.採用目的、採用人材の再定義

森田:現在、経営戦略や事業展開の見直しなどに合わせた人材ポートフォリオの再設計や、実行プランの見直しが必要になっていると考えてます。
特に新しいタイプの人材を採用する際には、ミスマッチが起こる恐れなども出てくるため、ポートフォリオ別にターゲットに合わせた採用フローの設計なども重要になってくると考えます。

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2.自社らしさを伝える接点づくり

森田:LIVE感を伝えたり、短い時間で接触回数を増やすなど、オンラインならではのコンテンツや工夫は必要です。また、WEB上の情報は学生側もよく調べているので、オウンドメディアなどでリアルな情報を伝える発信は必要になってくると考えます。

学校訪問やリクルーターの動きも、これまでのようにリアルに会うのでなくオンラインで会う、もしくは企業側が出向くといった移動に伴うリスクへの考慮も必要です。また、新しい繋がり作るために、学生起点で、繋がりを持てた学生の研究室向けに小規模で説明会を行うなど工夫が必要です。

3.HRTech活用による時間とコスト削減

森田:今は様々なHRTechの活用により、時間の捻出とコスト削減を実現出来ます。SONAR ATSでは、採用をフロー図で管理可能です。理系の採用は複雑なフローを組むケースが多くなりますが、フローチャートで可視化することが出来、クリック1つで採用の進捗をリアルタイムに反映することが可能になります。

オンライン面接ツールとも連携しており、資料や自己PR動画、その後の評価結果もシームレスにSONAR ATSの画面上で共有することが出来ます。また、LINEの公式アカウントとも連携もしており、多くの学生が使い慣れているツールを活用し、効率的に採用を進めることなども可能です。

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森田:今は大きな変化が起きているタイミングで、一社一社それぞれの採用戦略を持つことが今後更に大切になると考えています。その際のツールの見直しや、導入事例のご紹介、今後のディスカッションをご一緒出来れば嬉しいです。気軽にご相談ください。

Q&Aをご紹介!

今回のイベントでは約100名の方にご参加頂きました。当日の質疑応答の内容を一部ご紹介します!

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Q:サマーインターンに求められているものは何ですか?

桐原:大きく二つ、例年とあまり変わらないと思っています。
①入社した時にどのような仕事をするのか。②一緒に働く人 の2点です。これがわかるようなコンテンツにすることが重要だと思っています。その為に一番有効なことは、現場の社員と学生を引き合わせる事です。なるべく1対1で関わる内容がいいのではないかと思っています。
森田:オンラインでインターンを行った場合、その後のフィードバックなどのケアも大事ですね。

Q:今年の夏休みの期間は聞いていらっしゃいますか?

桐原:当社では、LabBaseとは別に、1000人ほどの22卒学生とのSlackを使用した就活コミュニティを作っています。
そこでのアンケートですが、夏休みは「ほぼ無い」もしくは「短くなった」という回答が約半数でした。時期については「8月から9月末」が一番多かったです。その間も研究を進めなければならない学生が多くなってくると予想しています。
森田:夏休みに研究の遅れを取り戻すような感触ですね。

その他、当日回答しきれなかったご質問には後日回答を送付いたしました。

Q:エンジニア職ではオンラインの内定者フォローはどのようなことを行えば良いか?
Q:サマーインターンシップを実施しない(出来ない)企業がコロナで増えていると聞いていますが、参加意欲が高まっている学生との需給は広がっていますか?

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レポート・広報PR担当Minako

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