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高校入試に挑戦する中学生へ

リクエストを頂いたので高校受験に挑戦する中学生を対象として、家庭教師が思う対策をまとめました
私は現在東京大学に所属する理系の学生です
塾講と家庭教師で学費を賄っています
主な対象は高校生なのですが、何人か中学生も見ていますので少しは参考になると思います


高校受験特有の注意点

大学入試と異なる点として内申点の存在がある
授業中の態度や、定期考査の点数により加点があったりする
私立高校では使用しないこともあるが、公立高校では重要であることが多い

内申点の話

受験勉強を頑張って当日の数点を取っても、内申点で10点差をつけられては意味がない。一般に内申点を稼ぐ方が、当日同じ点数を獲得するよりも簡単である。無理して漢検などを取りに行く必要はないと思うが、多く欠席しない、授業態度を少し良くする、先生と対立しないなどは簡単な事なので、やっておくといいだろう。
問題は定期考査などの点数によるものだ。定期考査と受験勉強どちらを優先すべきか悩むかもしれないが、受験勉強と定期考査は両立できるものである。定期考査の勉強だけをするのは受験勉強に差し支えるが、受験勉強を行いその復習として定期考査を活用するといいだろう。
受験勉強の方が学校の進度より先行していることが多く、復習に使用できることが多いはずだ。
私は、定期考査の一週間ほど前から対策を行っていた。
イメージとしては定期考査を終えた範囲は復習も終わっており、今後勉強しなくてもほぼ大丈夫と言える程度まで仕上げておけるといい。


勉強する環境について

家で勉強する際にも、極力受験会場と似た状況を作ることをお勧めする。人間は記憶したものを、似た状況で思い出しやすい。例えば水の中で覚えた英単語は水の中で思い出しやすい。
受験会場では基本的に、机があり椅子に座って受験が行われる。
この状況で最善のパフォーマンスを発揮するためには、似た状況で勉強を行うことが望ましい。ベッドで寝ころびながら、胡坐をかきながら、音楽を聴きながらなどは受験会場では出来ないので、そうやって覚えたものは思い出しにくくなってしまう。

出来る限り、受験会場を想定した環境で学習することをお勧めする。

学習計画

やみくもに勉強しても効率的な学習にはなりえない。いつまでに何をしておくべきか逆算して計画を立てる。私は受験前の模試でA判定かB判定が欲しいと思っている。現在の模試の結果からA判定を取るためには何が必要かを具体的に考える時間を取ることをお勧めする。夏までに偏差値55にするなどは具体的でないことに注意してほしい。

模試などには、各分野の正答率や、平均の正答率なども記載されていることが多い。これをもとに、「どの教科のどの分野が何故失点しているのか?」そしてそれを「失点しないようにするにはどうすればいいのか?」「どのくらい時間が必要か?」を模試を受けるたびに考えなければならない。

この時、希望的観測を含めず客観的に考えることが重要になる。
根性論もダメだ。特に受験が近くなると、他の受験生も一層努力するので、差をつけたり、差を埋めたりするのにかかる労力はどんどん大きくなる。
現実的に、具体的に考えて実行していくことが重要になると理解してほしい。

学習計画を立てる例を挙げる
大目標は受験合格、では中期的な目標は?短期的な目標は?これを具体的に埋めていく

準備

まずは、志望校の配点について調べる
そして、平均得点や合格者平均点に着目する
配点に偏りがあるのであれば、配点の大きいところを優先して対策しなければならないし、平均得点が低い科目は難易度が高い事が予想され、模試などでとれている得点を獲得できるか分からない。英作文はあるのか?数学は記述形式が多いのか?そういうことを加味して各教科のプランを作成する。

模試などを参考に、各教科の分析を行う
「なぜ失点しているのか」「どうすれば何点取れたか」をしっかりと考える

英語で単語力が課題だったとして
覚えられないならばやり方を変えることで改善できないか試してみるべきだし、類推力を高めることでも対応できるかもしれない。

大目標から逆算し中期目標をたてる

「いつまでにどうやってどうするのか」を明確にすることを意識してほしい

中期目標はいくつか用意する

1. 夏休み前
2. 夏休み後
3. 直前の模試
あたりでの目標をたてるとする

直前の模試ではA判定を取ることを目的とするならば
数学は偏差値○○、国語は○○といった具合に数字を出す
そのためには夏休み後にはどれだけいるのか?を考える
そうやって、偏差値での目標を各時期で算出する
この時、後になるほど伸びにくくなることを前提にしなければならない

中期目標を達成するための短期目標をたてる

具体的に何をいつまでに行って、中期目標を達成するのか検討する
毎日英語を2時間やるなどではなくページなど具体化をおこなう
重点的に学習しなければならない教科は英語で特に英文読解が苦手だったとしよう
課題は単語力だったと分析したとする
英単語を毎日100単語覚えるのを何週間行うか
それで、どの程度点数が伸びるのかを考える

目標に足りないのであれば、さらに文法についてもやらねばならないなどが分かるはずだ
特に苦手な時制を2週間で学びなおそう
教科書のこのページを読んでから、問題演習を何ページ行うなどとしていく

注意

長くても1日で作り上げて欲しい
あくまで、勉強の準備であり、計画を立てても成績が上がるわけではない。実際には模試ごとに見直しが必要であり、計画通りに進む事はないからだ。

偏差値で50を下回る教科は何らかの問題を抱えている可能性が高い。小学校や中学序盤で学んだ知識の確認を行うことをお勧めする。学問は基本的に積み上げていくものであり、中学レベルで完全に理解できていない分野があるといくら勉強してもうまくいかないことが多い。復習するにしてもそんなに手間はかからないはずだ、きっちりと確認してから進めた方が効率が良くなる。


各教科のざっくりとしたアドバイス

英語

基本的には英単語を知っていれば知っているほど有利になります。単語を覚える効果的な方法は長期的な反復訓練です。文法に関しては、細かな特例よりも大原則から優先して覚えましょう。(三単現のsが分からなくてもなんとなく意味は分かりますが、時制などが分からなければ文の理解は困難です。)英文読解では、品詞を理解していると文意の把握が楽になることが多いです。また、知らない単語が出てきても類推して文意を取る訓練も重要です。前後の文との兼ね合いで読めなくても読む能力は本番で数点もぎ取るうえで必須になります。英作文は平易なもので対応できることがあります。

数学

中学における数学は、理解するものである。
一次関数と一次方程式の違いは分かっていますか?
それらは何を示しているのか分かっていますか?

問題が解けることつまりやり方を覚えるのではなく何故それを使えば問題が解けるのかを理解しましょう。分からなくなったらどこに戻ればいいか考えて根本的な問題の解決を優先しましょう。

国語

各高校により大きく差があり、細かなことは言えません。
文章読解では書いてある通りに読むことが基本的に重要です。推測したり、勝手な解釈を行うことは失点につながることが多いです。
古文や漢文は基本に忠実に文法などを覚えると同時に、当時の世界観などを知っていると有利になります。

理科

暗記科目ではあるのですが、理解によって暗記する量を減らすことができます。一般常識(あなたが日常的に感じるもの)と解離していないかを考えるとあまりにもおかしな選択肢などが削られることもあります。図説などがあれば見ておくと、有利になる場合が多い気がします。

社会

歴史分野は大きな流れから把握することが重要です。細かな年号などは後回しでいいので、こういう流れがあったということを把握します。なぜそうなったのか?理由を知ることでも記憶に残りやすいです。年号などを覚える際には、最も重要なものを覚え、その前なのか後なのかを覚えていくといいでしょう。
例えば、日本史における1600年これは関ケ原の戦いがあったとされる年ですが、これ以前は戦国時代、これ以降は大規模な戦争が行われていない安定した時代になるわけです。覚えていない年号でも、1600年以前か以降かなどは大体判別がつきますね。

私は一回目は、大きな出来事の流れだけを把握。二回目は少し細かな出来事も把握。三回目以降は年号や登場した人物全てを覚えようとしていました。


地理などでは、関連付けが大事になります。地図を見ながらだとイメージがしやすいかもしれません。国についてはWikipediaなどで簡単に情報収集をすると、いらない知識と一緒に覚えることが多かったように感じます。


勉強への雑多なアドバイス

勉強時間だけでなく勉強の質を高める

受験勉強は競争です。5時間かけて習得しても他の人が3時間で習得していたら追いつかなくなってしまいます。勉強時間だけにこだわるよりも、質にもこだわり効率の良い勉強をしましょう。
英単語を一日5時間やったとしてほとんど記憶に残らないでしょう。同じ5時間かけるのであれば、5日に分けて毎日1時間行う方が効率的です。
私は1日で1教科を3時間以上続けて勉強することはなかったと思います。

とりあえず勉強するという状況は、望ましい状態とは思えません。何を目的としているのかを考えて勉強する。寝る前に、今日学んだことを思い返すなども効果がありました。

時間を決めて行動する

2時間でこの分野を理解するなど、学習時間を設定して行うと効率が上がる事が知られています。目的もなく、ダラダラと教科書を眺めていてもほとんど頭に入りません。タイマーなどを使い、効率の上昇を狙うと良いでしょう。

友達と教えあう

人に教えるのは、かなりの理解を必要とします。人に教えることで、知識が整理され自分の理解が深まることもあります。教えあう機会があれば積極的に活用しましょう。高校の時になりますが、私たちは各分野を自分でまとめて説明するということをしていました。自分とは違った視点で関連付けがされていたりして、記憶に残っています。

実際に教える機会がなくても、人に教えるつもりで情報をまとめるとかなり理解が深まります。できれば、「なぜ」という質問を想定してみるといいでしょう。そこまでできた知識はそう簡単に忘れません。暗記ではなく理解されているので、概要は頭に入っているはずです。

ちゃんと寝る

受験直前などに多いのが、体調が悪いにもかかわらず勉強し続ける方です。効率が悪い状態で勉強をするよりも、回復してから勉強した方が最終的にはプラスになります。悪化などした場合さらにロスをすることになります。

普段でも睡眠時間を過度に削ると授業中に寝ることになったりし、内申点が下がってしまう可能性があります。体調管理がきちんとできるというのも、受験における重要な能力です。無理なく頑張ってください。

おすすめの英単語暗記法

毎日50個英単語を覚えます。
書いて覚えるのであれば、書いたものや英単語帳の該当する単語を隠してください。
スペルが見える状態ですと、模写になる可能性が高いです。
一回一回短期記憶させることが重要です。

覚えたら、テストします
満点が取れるまで頑張ってください

翌日は新規の50個と共に前日の50個もテストし覚えなおしをします

1週間たったら、350まで進んでいるはずです
ここからはもう一回の復習も開始します
8日目は新規の50個、前日の50個、一週間前の50個のテストと覚えなおしをします。
つまり、当日、翌日、一週間後の3回チェックと覚えなおしをすることになります。

忘却曲線というものが知られており、忘れにくい復習のタイミングに復習をすることで知識の定着が促進されます。



最後に

通常、家庭教師として活動する際にはその方の現状に即した対応を行うのですが、今回は極力一般的なお話をしています。それでも全ての方に適しているわけではないので全てを行おうとせず、ご自身のケースで使えるものを選んで使っていただけるといいと思います。このノートはあくまで私が家庭教師として思う事で、全員にとって正しいものではありません。自分にとって最適な勉強方法を見つける一助となれば幸いです。

私は努力される方を応援します
質問や聞きたいことなどありましたらお気軽にコメントしてください
可能な限り対応します
大変だと思いますが頑張ってください

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