見出し画像

同性愛は生物学的ミスなのか

生物の第一命題が子孫繁栄であるならば、子供を作れないということはその命題に背くことになってしまう。
突然変異的に“同性愛者”が生まれたとしても、種として子孫を残すのであれば、その確率は当然低くあるべきである。
したがって同性婚反対派の多くは、生物として遺伝子がそのような欠陥を生むことはほとんどないはずだ、そう純粋に真剣に信じている。
だから同性愛の大半は“後天的”に環境によって培われるもの、もしくは同性が好きであると勘違いをしているはずだ、という信仰が彼らにはある。
「同性婚を認めれば、少子化により拍車がかかる」という発言にこれらが集約されている。

同性愛が“先天的”、つまり遺伝子でそう決定づけられているのか、それとも“後天的”な環境に左右されるものなのかは未だ判明していない。
性的マイノリティの方々が声をあげやすくなったことで理解は進みつつあるが、その根本の原因があまりわかっていないのである。

まず断らせてもらうが、僕自身同性愛が遺伝子的ミスによってできたものとは全く思っていない。
むしろ自然界では普通なのである。
キリンの交尾時間が大変短いことはかなり有名だが、その交尾の90%がオス同士ということはあまり知られていないように思う。
ホノボの交尾のおよそ60%はメス同士といった研究報告もあるそうだ。
ヒツジやパイソンなどにも同性愛があるそうで、調べ始めるとほとんどの哺乳類はあるように感じる。

このように哺乳類とはいえ動物の中でも同性愛は多く見られるのである。
動物に「愛情」の概念があるのかは不明であるが、もし愛情の概念があったとしても同性“愛”という現象は人間特有のものではなく、人間の理性と思考によって生まれた勘違いなどでは決してないと言える。
一方で愛情の概念がなかったとしても、本能として同性同士でそのような行為に至るということは、子孫繁栄という命題には背く行為が自然界で行われていることとなる。
したがって同性愛というのは勘違いでも遺伝子的ミスでもなんでもなく、自然界に多くある現象であると考えている。
ただ恋愛の対象が他人と異なる、というだけであって、そこに正しさも誤りもないのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?