キャリアはマラソン。40年トータルで考えよう。(ワークライフバランス論 ②)

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前回は、ワークライフバランスを「小さくまとめるのも、大きく膨らませるのも、あなたの選択だ」というお話をしました。

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このサイズをどちらにするかの選択に加えて、もう一つ考えるべきなのが「時間軸」の選択です。

ワークライフバランス=定時帰り?

毎日5時に帰るのがワークライフバランスだ、という考え方もあります。なにも間違ってはいません。5時に仕事を終えれば、おそくても6時には自分の時間になります。夜更かしして12時に寝るとして、毎日6時間のプライベートタイムがあります。これに加えて週末もお休みだと考えると、むしろ「プライベートの方が多い」くらいなので、やりすぎかもですが。

一方、少し違う考え方もあってよいでしょう。それが、こちらです。

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左が、先述した「毎日5時に帰る」パターンです。右側が「40年」で考えるパターンです。

ありえない例ですが「40年の社会人人生の、前半の20年(~40台前半)は寝る間も惜しんで働きまくって、一生分稼いで、アーリーリタイアする」という選択肢があっても良いんじゃないか、ということを示しています。

1日が24時間というのは、古代エジプト人が考えたルールです。(いや、もちろん何も間違ってないんですけどね)その単位の中でワークとライフをバランスさせるわけですから、例えば、1時間のうち、30分働いたら30分休憩する、とか、1分のうち、30秒働いたら30秒休憩する、とか、そういう考え方があっても良いとも言えます。が、普通、そんなことしませんよね。だって、明らかに効率悪いですし、馬鹿みたいですもんね。

一方で、「毎日5時帰り」は普通にみんながアリだと言っていますよね。それはそれで、固定概念に囚われてるんじゃないかと思うわけです。

もちろん、20年間一睡もしないで働くなんて、極端なことを本当にやる必要はないわけですが「40年間でバランスさせよう」という考え方を持つか持たないかは、人生の大きな分かれ目です。

働き方を、ライフステージに合わせて考えよう

人生は、長いです。LIFE SHIFTで人生100年時代ともいわれてますが、現時点の平均寿命で、男性が81歳、女性が87歳まで生きるわけです。

もちろん、晩年は、健康の問題などもでてくるでしょうし、若い時にしかできないこともあるわけですけれど、とはいえ「長い人生を、同じペースで歩き続けるのか」という話になります。

そう考えると、下図のように「ワークとライフのバランスを、適宜変更していく」というのも一つの手です。

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いろいろな制限がない若いうちにワークに寄せておいて、育児など家庭に重きを置くべき時期にはライフを大きくし、壮年期にはまたワーク、引退前にはライフに比重を置く、といった風に、シーソーを揺り動かしながら、40年トータルで「ワークとライフがバランスする」ように持って行くわけです。

若い時に頑張るメリット

上記のライフステージにおいて、「若手の時にワークに振る」と書きました。決して「そうせねばならない」ということではありませんが、僕が、それをお勧めしているのは事実です。

それは「貯金は後で使える」からです。

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貯金と借金は、大きく違います。借金は返済していくことになります。利子が付きますし、場合によっては信用を毀損します。貯金は、溜まっているだけで、精神的安定が得られる上に、貯金そのものが信用となります。(実際のお金の話もそうですし、仕事においても同じです)

若いうちに、仕事において「貯金」すなわち「実力値の余力」「仕事における実績」「周囲からの信頼」を積み上げておくと、いざという時に、その貯金を使うことができます。

さらに、もう一つのメリットがあります。それは「生き方変更の自由度」です。

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当然ながら、人生には色々なチャンスがありますので、どんな生き方をしていても、道が完全に閉ざされるということはそうそうありません。一発逆転の可能性は、常にあります。

しかし、奇跡が起こることを期待するのは、なかなかチャレンジングな生き方です。自分の未来をサイコロを振って決めるのは、勇気ではなく、蛮勇なんじゃないでしょうか。

そうすると、人生の後半に幅広い選択肢を残す(言い換えれば、より多くのチャンスの種を撒いておく)ために、若いうちに「ワーク」に多くの工数を投下するのも、悪くない手だと僕は思うのです。

時を戻そう。~働き方改革とは~

と、ここで、前回の冒頭のお話を思い出していただきましょう。

僕もすっかり忘れてますが「働き方改革」のお話です。働き方改革の旗印のもと、みんな早く帰ろうぜ、プライベートなことに時間を使おうぜ、という大号令がかかっています。

何度も同じことを書いて恐縮ですが「それももちろんアリ」です。毎日5時に帰るのも、選択肢にはあって良いし、それを選ぶのも自由です。

でも、絶対に流されないでください

「世間が、早く帰った方が良いって言ってるから帰る」は、「世間が、死ぬまで働けって言うから働く」のと、まったく同じマインドセットです。

「ノー残業デーだから、5時に帰る」も「フル残業デーだから、徹夜する」のと、同じマインドセットです。

働き方改革は、働き方の選択肢を増やして、生産性を高めていく活動です。ブラック企業は撲滅されるべきですし、育児休暇などを取りやすくする狙いもあります。決して「さっさと帰ることが正解」ではないのです。

そういう風に考えると、「働き方改革」は「ライフステージに合わせた、ワークライフバランスの調整」と重なってきます。

入社早々に、自分の将来を思い描くのは難しいと思います。実際、僕も、完璧にできていたか?と言われると、自信がありません。とはいえ、早い段階で「一旦、こういう人生にしたいな」と考えておくことは、極めて有用です。

ちゃんと、自分で、選ぼう

働き方改革も、ワークライフバランスも、ただの言葉です。しかも、短くキャッチ―な「キーワード」ですから、解釈の幅は非常に大きいです。

ですから、自分の頭で考えて、自分なりに「どういう風に生きていくのか」を選択しましょう。

誰かに言われたからではなく、自分の意思で選ぶんです。

この記事に書いた「若いうちにワークに力を注いだ方がいいんじゃない?」も、僕の意見に過ぎません。決して、唯一無二の正解ではないのです。もし仮に、毎日5時に帰るとしても、そのあとの時間に何をするか、で、この際の人生は大きく変わります。時間の使い方をどうするか、に正解はありません。

ですから、正解ではなく、ベターアイデアを探しましょう。そして、そのアイデアについて、しっかり、深く考えて、自分自身の「意見」に昇華させましょう。

「40年後に後悔しない、生き方・働き方」を、どれだけ早く見つけられるかが、人生の満足度にかなり影響すると僕は思うんですよねー。

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