がんばって乗り越えた、は、立ち上げ期にしか効かない

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大変な状況を「がんばって乗り越えた」という達成感は、ビジネスを立ちあげていくフェーズでは、大いに役に立ちます。いや、むしろ、そういう経験なしに立ち上がるビジネスなんて、ありえないんじゃないか、って話です。高ければ高い壁の方がのぼった時気持ちいいもんなってヤツですよ。

しかし、それでは、永続的にオペレーションが回る組織になりません。次に何かしようとしたときも、同じように「がんばって乗り越える」ということになってしまいます。

これは、リーダーもメンバーも、全員が不幸になる最悪のルートです。 リーダーは、決してこの道を選んではいけません。 (ある意味、宗教とかマルチとかの世界は、敢えてこっちを選んで追い込むことで、判断力を奪い、陶酔させることを狙ってるわけですよ。)

永続的に戦える組織作りこそが、リーダーの仕事

永続的に戦える組織をいかに作るか。 これが、リーダーの最大の使命であり、お仕事です。

したがって、 自分で手を動かすタイプの人は、リーダーとして大成しにくいんです。いつまでも、自分が「最強の駒」になってしまう。 自分が組織で一番仕事ができる、という状態を、如何に早く脱するかが、組織で仕事するということを成立させるための鍵なんです。

と、まぁ、偉そうなことを言ってますが、僕は「最強の駒」でありつづけるタイプです。なので、僕はきっと、組織を作らないし、自らの意思でチームを率いることはありません。やっぱり適材適所って、大事なんですよね。

「永続的に戦える組織を作るのに、全力で貢献する」が僕のスタンスです。リーダをサポートする役目です。

メンバー全員が ”リーダー気質” の組織は、それはそれでうまくいきません。「永続的に戦える組織」における、理想のメンバー構成を実現すること、つまり、事業のフェーズに合わせた適切なチームの組成も、リーダーに求められるお仕事です。

永続的に戦う=再現性が高い

さて、ここまで「永続的に戦える組織」と繰り返し書きましたが、それって、じゃぁどういう組織なんだよ。というお話になりますよね。

それは「再現性が高い組織」です。

もう少し詳しく述べると、
1.業務がプロセス(一連の流れ)として設計されている
2.役割(ロール)が機能(ファンクション)とリンクして割り当てられている
3.PDCAサイクルが形骸化せずに回っている
というあたりでしょう。

もうちょっとだけ解説すると、

1は、いわゆる、業務フローがある状態ですね。もちろん、ガッチガチの業務フローを定義し、文書化しないといけないか、というとそんなことはありません。暗黙知だったり、属人性が残ったりするのは、ビジネスの立ち上げ初期には許容されるべきです。しかし、それでも「この仕事は、こういう手順で、こういう風に進める」という大まかな仕事の流れが存在することが、最低ラインです。

2は、業務設計の話です。ロールを割り当てる、という話は世の中に(言葉としては)浸透しているように思うのですが、残念ながら「ファンクションを定義する」というところは、おざなりになっているように感じています。事業活動は、複数の機能が組み合わされて動くものです。どういう機能がどう連動しているのか、を定義し、それを、ロールに割り当てていく、のが正解です。大きく言えば「営業機能」「開発機能」などですが、営業の中にも「新規開拓機能」「契約締結機能」「文書処理機能」などがありますよね。それらを(これも、初期はだいたい、で良いので)定義して、どのロールに割り当てるかを定めることが大切です。
※この話は、ファンクション→ロール→個人 という構造の話なので、別の機会に詳しく解説します

3.最後がPDCAです。近年OODAとかも流行ってますが、個人的にはPDCAは、噛めば噛むほど味が出る最高のビジネスフレームワークだと思ってます。PDCAがうまくいかない、という人の大半は、PDCAをちゃんと理解して回していない、のが原因です。Planに時間をかけすぎるべきじゃないですし、PlanするにあたってObserveしてないような人もどうかと思います。Doした後にCheckしないのは言語道断ですし、ActionでいきなりPlanを書き換えに行くのも愚の骨頂です。
PDCAは、
- ちゃんと考えてPlanする。これは「仮説思考」のスタート「仮説立案」です。ゴールと、そこへの道筋の仮定義です。
- そして、Plan実現のために、Doする。実行されないPlanは、絵に描いた餅よりタチが悪いです。絵の方が、鑑賞できますからね。
- Doした結果、Plan実現に近づいているか、Checkする。これは「仮説検証」です。
- もし、Plan実現に近づいていない、ということが分かったら、「やりかたの再検討(Doの見直し)」を行います。これがAction*です。
というような流れで行われるべきです。
上記のようなPDCAプロセスが回っていれば、常に「仕事のやり方」に対しても批判的な姿勢を持てます。つまり、上述した業務フローや機能設計も、「成功しなかったら、改める」ということで、再現性が高まっていくわけです。まぁ、要するに、ちゃんと仮説を持って行動しないと、失敗した理由が分からないから、改めようがないってお話です。

*:もちろん、Planの根底にあるゴールそのものが間違っているケースもあります。ただ、初期のCheck段階で間違っていることが判明するようなゴール設定は「ちゃんとPlanを練られていない(それこそObserveもできていない)」か「Checkのサイクルが遅すぎる(もっと早くCheckすべき)」のいずれかです。

リーダーとメンバーの機能分担

上記のように、適切なメンバーを集めてチームを組成すること、そして、業務をプロセス化して再現性を高めること、権限移譲をして自走できるようにすること、こうしたことを実現できるリーダーが、理想のリーダーだと、僕は思うんですよね。

で、そういう理想のリーダーには絶対になれない僕は、そういう「再現性を高めるために必要なこと」を考えていくのが得意です。

この役割分担も、事業が成長していくにつれて、もちろん変化していくものですが、少なくとも「0→1フェーズ」の「頑張って乗り越えた」を引きずり続けると、「1→10」どころか、「1→5」なんなら「1→3」くらいでつまづきます。

チーム組成初期に「再現性」を高める方向に舵を切りましょう。

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