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【今も現役!17世紀の醤油と味噌仕込み】

今回の企画を取り仕切ってくださった、Slow food Jeju代表のKimさんは、
昔の製法で醸す醤油と味噌の蔵をご両親と奥さんとで製造販売しています。
その製法は1600年代と変わらないもの。
ソウルから2003年にUターンしてから文献を読み漁り、
研究者さんや海外の醸造家さんとの対話を繰り返し、この伝統的な醸造法にどんどん魅了されていったそうです。
(そして、食を通して資本主義から人本主義にしていきたいんだ!と、アツく語るアクティビストでもある。)

日本では醤油と味噌は別々に仕込みますが、韓国では同じ甕の中で出来た上澄みの液体を「カンジャン(醤油)」、下に溜まる固形を「テンジャン(味噌)」と呼びます。
カンジャンは昔は貴族などしか食べられなかった貴重なものでしたが、今は手軽に食べられるものになりました。
(ただし安価なものは本来の醸造法に則っていない、なんちゃって醤油も他のメーカーから出回っていたりします)

大豆は、もともと原産は朝鮮半島。
お膝元の青大豆で一年以上かけてつくるカンジャンとテンジャン。
日本のものより酸味を強めに感じますが、美味しい◎

今回は中国、韓国、日本の混合チームで視察で伺いましたが、
どの国も醬の文化があるので、それぞれの国の発酵食品を持ち寄って食べあいっこ。
中国の全麦醤も野性味あふれる風味で美味しかったです!

それぞれの文化が交じり合い、気候や風土に合わせてローカライズしていった醤文化。
今、韓国も西側の海で魚が取れなくなったり、今までなかった地震が起こったりしているそうで、気候変動の余波が出始めています。
採れる作物も変わるかもしれませんが。
環境の変化に適応しつつ、根幹の良さは変わらず、きっとこれからも米文化と醤文化は東アジアで数百年以上、続いていきそうですね。

※この投稿は2017年の出来事のリポストです。

植物の力を給ぶ、得る。
私たちは、北海道から沖縄までリサーチに出掛け、根付いた薬草文化と出会い、薬草茶などの商品を提案する伝統茶{tabel}を2014年より始めました。
おいしさと慈しみ、作り手や風土の魅力をお届けします。

2018年に講座シリーズ「薬草大学NORM」を開校。同年に著書「薬草のちから(晶文社)」を発刊し、ロングセラーとなる。

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