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【英文法の小径】may/might/could〈助動詞〉その五

Someone could have been injured or killed.

事件や事故を伝える記事で時々見かける一文。この[could have + 過去分詞]は[may/might have + 過去分詞]とともに、過去の出来事等に関する不確かな推量を表すことは前回(may/might/could・その四)、確認したけれど、ここもそうなのだろうか?

もしそうだとすると、「確かなことはわからないが、死傷者が出た可能性もある(可能性はそれほど高くない)」といった意味になる。報道記事は事実伝達を原則とすることを考えると、不自然ではないだろうか。

[could have + 過去分詞]という形式は、実際には起こらなかったけれど、起こる可能性があったことについて述べるときにも用いることがあります。なので、冒頭の文は(死傷者なしというのが事実だが)「死傷者が出てもおかしくはなかった」と、事件・事故が起こったときの状況を説明していると解釈するのが自然でしょう。

He might have had an accident.

約束した相手が時間になっても現れない。「事故にでもあったのかもしれない」ここでの 'might have had' は、過去の事柄についての可能性/推量(事実は不明)を表している。

You might have had an accident.

車の運転の仕方について注意している場面。(例えば、あんなにスピードを出すなんて)「事故を起こしていても不思議ではなかった」こちらの 'might have had' は、実現しなかった過去の可能性(事実は判明)を表している。なお、この意味で[may have + 過去分詞]を用いるのはふつうではない。

いずれの意味になるのかは、もちろん文脈次第です。

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