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【英文法の小径】現在形〈時制〉その六

I (can) see the moon.

夜空に浮かぶ月を見て一言。まさに今、つまり話し手が話をしている時点で、月が見えている。〈現在進行形〉を用いなくていいのだろうか。

see という動詞は視覚の意味で用いるとき、対象に目を向けるという動作ではなく、対象が目に入ってくるという状態を表します。つまり、「見る」ではなく「見える」ということ。

そして、この意味の see のような動詞は、〈現在形〉のままで今の状態を表すことができるのです。動作を表す動詞とはちがい、今、生じていることだからといって、〈現在進行形〉を用いて ”I’m seeing the moon.” と言うことはありません。

さらに、「今、見えている」ことを述べるのに、特にイギリス英語では多くの場合に can see を用います。そのため、この can を進行形の代用と説明することもあります。

I (can) hear a strange noise.

〈現在形〉を使ったこの文も、今の状況を表している。(ちなみに、ここでの hear も「聴く」ではなく「聞こえる」ということ)

〈現在形〉や〈現在進行形〉の使い方を正しく理解するには、前回(その五)の know や like だけでなく、see や hear のような動詞も、行為や出来事を表す動詞とは区別する必要がありそうです。

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