【英文法の小径】must〈助動詞〉その四
今回は、以前 must について書いた記事の補足のような内容です。
まず、must は、客観的な have to に対して、「話し手の個人的な感情や願望として必要性を述べる」と説明しました。
一方で、must (not) は次のような文面でもよく用いられます。
規則や法律を知らせる公的な標識や通知には、must (not) がよく登場する。a. はシートベルトの着用義務を、b. は手荷物の放置禁止を述べたもの。
次に、[must have + 過去分詞]は、「過去の事柄について確信的な推量(推断)を表す」ことを説明しました。
実は、そうとは限らない場合もあるのです。
目的を表す 'in order to …' に続くことを考えると、ここでの must は(推量ではなく)義務/必要性を表すと解する方がしっくりくる。c.「その仕事に就くためには、他の仕事を辞めていなければならない」
このように[must have + 過去分詞]は、過去のことに関する推量の他に、文脈によっては、完了の必要性を表すこともある。
ある医療機関のウェブサイトからの引用で、この文は治療のために来院する際の注意として記されている。d.「午後の予約の場合は、午前8時までに朝食を済ませている必要がある」
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