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英文法の小径

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毎回、一つの文法項目について、意の赴くままに説明を試みた散文を掲載中。
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#might

【英文法の小径】非難・不満〈助動詞〉

可能性を表す could と might は、提案/助言を行う場面で用いられることがあることを前回(提案・助言)確認しましたが、文脈によっては、相手を非難する表現になることもあります。 a. のような文で話し手は、ある行為を実行することが(その気になれば)可能なのに、相手がそれをしていない状況に対して、非難/不満を表明している。a.「もう少しやる気のあるところを見せようとしてもいいんじゃない」 b. の[could have + 過去分詞]という形式は、実現しなかった過去

【英文法の小径】提案・助言〈助動詞〉

提案や助言に用いられる助動詞といったら、真っ先に思い浮かぶのは should (should・その一)かもしれません。今回は、その should 以外の助動詞が用いられる場合を扱います。 さて、人はだれでも、意思決定の自由を他者に侵されたくないと思っているもの。なので、その気持を尊重することは、提案や助言をする場面でも重視されます。行う行わないの判断を相手にゆだねるような言い方の一つとして、助動詞の could や might を用いることがあります。 いずれの例文も、可

【英文法の小径】may/might/could〈助動詞〉その六

may を用いていることから、話し手が相手の発言の真実味を推し量っていることがわかる。ただ、後に ‘well’ が付いている。may だけの場合と、何がちがうのだろう? あまり自信のない推量を表す may/might/could に well を加えると、可能性の程度を上げることができます。どの程度上がるのか?(数値を使った説明には問題がないとは言えませんが、)50%以下から70〜80%くらいに可能性が高くなると考えていいようです。確からしさを表す副詞で言えば、perhap

【英文法の小径】may/might/could〈助動詞〉その五

Someone could have been injured or killed.事件や事故を伝える記事で時々見かける一文。この[could have + 過去分詞]は[may/might have + 過去分詞]とともに、過去の出来事等に関する不確かな推量を表すことは前回(may/might/could・その四)、確認したけれど、ここもそうなのだろうか? もしそうだとすると、「確かなことはわからないが、死傷者が出た可能性もある(可能性はそれほど高くない)」といった意味に

【英文法の小径】may/might/could〈助動詞〉その四

You may/might/could have left it in the restaurant.家中、どこを探しても傘が見つからないという相手への一言。 It may be in the car. 同じ場面での答えとして、例えば、こう言ってもいい。これは、今=話をしている時点で、問題の傘がどこにあるのかを推測して述べている。ただ、話し手に自信はない。 それに対して、いや、昨日訪れたレストランに置き忘れてきた、ということも考えられる(確信はない)。この場合は、現在の

【英文法の小径】may/might/could〈助動詞〉その三

The information might/may not be correct.現在の可能性にせよ、未来の可能性にせよ、可能性の内容は肯定(「〜である/〜する可能性」)とは限らない。否定内容の可能性(「〜でない/〜しない可能性」)について述べるときには may/might の否定形 may not (mayn't) /might not (= mightn’t) を用いる。やはり、話し手に確信はない。おや、could がない? There couldn’t be life

【英文法の小径】may/might/could〈助動詞〉その二

It might rain later.外出するときには傘を持っていくように勧めている場面。この話し手は確信を持っているわけではない。もし自信があったら、might ではなく予測を表す will(未来表現・その三)を使って "It will rain later." と言うだろう。 このように、may/might/could は、現在だけでなく未来のことについて可能性を述べるときにも用いることができます。このとき話し手に確信がないのは、現在の可能性について述べるときと同じで

【英文法の小径】may/might/could〈助動詞〉その一

He may/might/could be having lunch.例えばジョンを探している相手に向かっての一言。話し手は彼が今、どこで何をしているのか、知らない。もし知っていたら、may/might/could を使わないで "He is having lunch." と言うだろう。 この話し手はジョンの居場所について推測している(確信はない)、つまり、この文が表しているのは現在の可能性だ。それなのに、might や could という過去形でもいいのだろうか? 現在

【英文法の小径】can/could/may/might〈助動詞〉その三

I could stay up late as a child.子供の頃、夜遅くまで起きていることが「できた」といっても、この「できた」が能力を表すものではないことは明らか。そうする自由を親に認められていたということだから、この文は過去における許可について述べている。 ただし、許可を求めるとか、許可を与えるといった場面での一文ではありません。これは許可や決まりごとを話題にしているのです。こういう場合はふつう、may/might ではなく can/could を用います。

【英文法の小径】can/could/may/might〈助動詞〉その二

You can [may] borrow my car.今回は許可を与える場合。'You can …' と 'You may …' のちがいは、許可を求めるときと同じ。may を用いた方は形式ばった/改まった言い方で、打ち解けた/くだけた場面ではふつう can を用いる。 ところで、お気づきのように、許可を求めるときに登場していた could がない!そう、許可を与えるときには could を用いないのです(相手への敬意を示すことになる could は、許可を与えるときより

【英文法の小径】can/could/may/might〈助動詞〉その一

Can [Could/May] I try them on?試着の許可を求めている場面。'Can I …?' と 'May I …?' のちがいはなんだろう?'May I …?' は形式ばった/堅苦しい言い方で、日常会話では 'Can I …?' ほどは使わない(逆に、公式の場では ‘May I …?’ を用いるのがふつう)。そういうちがい。 それでは、'Can I …?' と 'Could I …?' のちがいは何だろう?could は can の過去を表す形として用いら