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【英文法の小径】提案・助言〈助動詞〉

提案や助言に用いられる助動詞といったら、真っ先に思い浮かぶのは should (should・その一)かもしれません。今回は、その should 以外の助動詞が用いられる場合を扱います。

さて、人はだれでも、意思決定の自由を他者に侵されたくないと思っているもの。なので、その気持を尊重することは、提案や助言をする場面でも重視されます。行う行わないの判断を相手にゆだねるような言い方の一つとして、助動詞の could や might を用いることがあります。

a.  You could ask your doctor for a check-up.
b.  We could go out for a drink after work tomorrow, if you want.
c.  You could always call Susie and see if she will babysit.

https://www.ldoceonline.com/dictionary/could 
https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/could 

いずれの例文も、可能性を表す could を用いて、現在または未来における選択肢を提示する形で提案を行っている。can でもいいけれど、could を用いた方が婉曲的な言い方になるのは、これまでにも見た通り。a.「主治医に健康診断をお願いしてみたら?」、b.「明日、仕事帰りに飲みに行くのはどう?」

'could always' は、特に代わりの/別の方法を提案するときに用いられる。c.「スージーに電話して、子守をしてもらえるかどうか聞いてみたら?」

d.  You might try a little more basil in the sauce next time.
e.  We’re going to a concert. You might like to come with us.
f.  I thought you might like to consider a holiday.

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/might 
https://www.ldoceonline.com/dictionary/might 

例文の 'You might' は、指示でないことはもちろん、「〜したほうがよい」という主観的な判断を下しているわけでもない。例えば d. の文で明示されている意味は「あなたはソースにもう少しバジルを加えてみるかもしれませんね」。その前提には「もっと美味しくなるから」という理由があるのだけれど、そういう有益性についてもはっきりと示されていない。ある行為を示唆するだけで、結果として相手にその行為を促している。d.「この次はソースにもう少しバジルを入れてみてはいかがですか」

この might と共によく使われるのが like/want/prefer といった動詞。このときも「そうなさりたいかもしれませんね」というのが明示的な意味。相手の心理(願望)を推し量る形をとりながら、控え目な提案を行っていると言える。e.「ご一緒しませんか?」

f. のように 'I thought' を加えると、より遠慮がちな言い方になる。「休暇をとることをお考えになってはどうかと思いまして」

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