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「よいアウトプット」は「よい質問」から。


良い企画を考えたい

私は「ウェブサービスや事業の企画をする人間」と自分自身を定義しています。端的に言えば、企画マンということです。

そのような仕事をしていると、「良い企画を立てたい!」、「みんなを驚かせたい!」っていう思いがやっぱりあります。

その時に「良い企画をどうやって立てるのか」という話です。

回答は質問に規定される

私が常々思っていることは「回答は、質問に規定される」ということです。

例えば、とても知的で素晴らしい方がいらっしゃったとします。その人に対して「今日の天気はどうでしょうか」という質問をした場合、得られる回答はどうしても限定的になります。普通に考えたら、今日の天気のことでしょう。

もちろん「天気から普遍的で大切なお話」をすることができる方もいらっしゃるかもしれませんが、一般的には「何が得られるかは、何を質問するか」に大きくよることになります。

当たり前のことだと思うかもしれませんし、実際当たり前の事なんですが、正しい解を得ようと思うならば、正しい質問を用意しないといけないということです。

同じように良い企画を立てるためには、そのための良い質問が必要ということです。

クリティカルシンキングは「適切な質問の実践」

よく「クリティカルシンキング」が大事って言われていますし、それに関する書籍等も多くあります。

実務的なことで言うならば、クリティカルシンキングとは「適切な質問に照らし合わせること」に他なりません。

企画であれば「これはユーザーの課題は本当にこれ?」「この数字は正しい?」など様々な質問がアイデアの強度を作り出していきます。

あらゆる仕事において

あらゆる仕事において熟練するということは、「言語化されているかいないかは問わず、物事を良いと判断できる質問を用意する」ということではないでしょうか。

名伯楽という言葉がありますが、良い馬を見分ける方法も、伯楽の中で様々な質問があるはずです。

お尻の筋肉?血統?目の輝き?身体の大きさ?他いろいろ。。
その質問をチェックして、「これはいける!」という判断を下すはずです。

正しい回答を得るためには自分自身がいくつかの質問を常に身につけておくことが重要になります

私が大事にしている質問

きっと企画には企画の質問があるように、シェフにはシェフの、お店の店員さんには店員さんの正解に導く質問があるはずです。

参考までに、私が企画を立案するときに使う質問をあげてみます。

この解決策は何をするためのもの?

課題はそのもので現れるよりも、「具体的な解決策の相談」という形で現れることが多いです。(滞在時間の改善したいのだけど、とか。)

その際に、これは何を実現したいのかを確認してみてください。もっとよい方法論があるかもしれませんし、そもそも解決の必要がないかもしれません。

このゴールってなぜ必要なの?

なぜこのゴールが設定されているのでしょうか。それを知ることでよりよい企画が提案できるかもしれませんし、ゴール設定が誤りのケースもあります。

改善はされる。でも改善される数値は目標に足りるの?

物事は「良くなる、良くならない」という軸で判断しがちですが、実際のところ重要なのは「程度」の問題です。それは目的を達する程に「良くなる」のか?を確認してください。

この言葉は言い換えられない?

もっと「分かりやすい言葉」はないか、という意識をもってください。例えば「営業」という職種も多くの会社で異なる業務内容を指します。あなたの言葉も違う意味を他の人に与えるかも知れません。

この企画が失敗するとしたらどのようなシナリオ?

なにかのアイデアを実現する時に、人は成功した状況ばかりをイメージします。それよりも、どうやったら失敗するのかをシミュレーションするほうが効果的です。

このデータ、他の読み方はない?

データを分析するときに見方によって結論は大きく異なります。まず冷静になって、逆の見方はできないかを考えてみましょう。

因果が逆になっていない?

「売上が落ちているから、モチベーションが下がっているのか。」、
「モチベーションが下がっているから、売上が落ちているのか。」

例えば、このような簡単な事例でもどちらが原因でどちらが結果なのかすぐにはわかりません。表示されている因果関係が逆の可能性がないかを考えてみてください。

ユーザーの声に囚われすぎてない?

ユーザーやスタッフの声は真実ですが、正解とは限りません。

「●●がなくて困ってます!」というケースであれば、困っていることは正しいですが、原因は間違っている可能性があります。

もしこの解決策を実施しなかったらどんな風にこまる?

「実施すると良くなる」ことはわかるのですが、実施しなくても困らないことも多々あります。その場合は、それはいま解決するべき重要な課題ではないかもしれません。

質問を見つける旅

他にもあるのですが、私はこんな感じに自分自身に問いながら、よい回答(よい企画)を探していきます。

きっと皆さんそれぞれの仕事に適した質問があって、その質問を手に入れていくことが経験であり、成長ということかもしれません。

たぶん皆さんの頭の中に言語化されていないたくさんの質問があるはずです。それを言語化するだけでも、よいアウトプットに直結すると思いますよ。


サポートいただいたら、それで美味しい珈琲を飲みます。 ありがとうございます。