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巨人の肩にのる

企画の仕事

「企画の仕事をしています」という話をすると「新しいものを考える人」であったり、「アイデアマン」だって思われることも多いですが、実際そうでもありません。

それよりも「情報を整理したり、曖昧な概念を明確にしたり、問題や課題を明確にしたり、それに類似する事例は何かを考えたり」する仕事が中心です。

結果として、他の人にとって「新しいと感じられる」ものになるケースがありますが、「全く新しいものを考えたい!」と考えているわけではありません。

巨人の肩にのる

科学者アイザック・ニュートンが知人に宛てた手紙の中に、「私がかなたを見渡せたのだとしたら、それは巨人の肩の上に乗っていたからです。」という言葉があります。

意味としては、先人の積み重ねた発見に基づいて何かを発見したりすることですね。

自分の力だけではなくて、昔の人の発見や成功の上に私があるんですよ。という意味です。

もう既に考えられている

企画も同じようなものではないかって思うんです。私が考えるようなことは、他の人も以前考えているに違いないんです。

そもそもGoogleで調べるということも、「過去に同じことをやった人がいる。」という前提での行動です。

何かを始める時は、まずは「先人の知恵」に学ぶべきです。

物語の構造

私は「映画シナリオの書き方」といった類の本が大好きで、そういった本を見つけるとすぐ読み始めます。

その中で書かれている「世の中の小説や映画といった人々を感動させるコンテンツが、数少ないいくつかのバリエーションに分類される。」といった「物語の構造」論は、ビジネスにおいても十分転用できるはずです。

物語の基本的骨格と同様に、成功しているビジネスを「抽象化したもの」は、他の領域においても十分に活用できます。

企画においても、新しいものを考えるときに、今あるものや古いものの中から探し始めていきます。ビジネスの構造は「再利用できる」ということです。

「いまあるもの」の新しい価値を見いだす

多くのケースにおいて、「何か新しい物事を考える」ということは、いま「存在していないもの」を作り出すというよりも、「いまあるものに新しい見方や価値を発見する」ということに近いです。

見向きもされなかったり、まだ言葉も無かったものに、「言葉を定義し、評価し、価値を見いだす」というプロセスなのではないでしょうか。

結果として、「新しい発見」というのは、多くの人にとって「それは知っている」、「私も考えていた」という印象を与えますが、本質的には違うものです。

具体的な再利用方法

私が参考にするのは代表的なものでいえば「業界内のポジションにおける戦略」と、「その会社がもっているビジネスモデル」です。

業界内ポジション

業界内のポジションに関しては、「リーダー企業がどのような戦略をとって成功したのか、失敗したのか」、「2番手の企業がどのような戦略をとったのか、」、逆に「新規参入の企業はどのような戦略を取ったのか」といった形です。

皆さんの知っている業界で構いません。車業界でいったら「トヨタの戦略ってこうだよな」とか「テスラってなぜ人気でたのだろう」とか、そういう形で、自社の業界ポジションと当てはめて考えていきます。

ビジネスモデル

「その会社のビジネスモデル」は、成功している会社のビジネスモデルを抽象化して考えます。

ラクスルであれば、「点在することで非効率なリソースをまとめることで価値化する」という形ですね。残念ながら、それがその企業の本質的な強みではないケースがあると思います。それでも数多くの型を持つことで、新しい組み合わせは発見できます。

ラクスルで適当な話すると、「例えば美容院とか個別に予約とってるから、それをまとめて価値化できないかな。」とか考えることになります。

まずは先人の知恵を頼る

新しいアイデアというのは、いまある見向きもされなかったり、まだ言葉も無かったものに、「言葉を定義し、評価し、価値を見いだす」というプロセスです。

新しいことを始めたいとするならば、過去を振り返り、様々なアイデアや評価軸をしっかり確認することをお勧めします。

ニュートンが言ってるように、巨人の肩にのったほうが楽に見通せますからね。

サポートいただいたら、それで美味しい珈琲を飲みます。 ありがとうございます。