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私たちは「正しく判断できない」


思考の枠

大学で授業をしている時もそうですし、ビジネスの時もそうですが、会話の最中に、その人の「思考の枠」を感じることがあります。

「強い断定」といってもいいかもしれませんし、「強い思い込み」といってもいいです。

それは年齢には関係なくて、若い人も経験のなさから固定概念をもっていますし、キャリアのある人は「経験」から固定概念をもっています。

その「思考の枠」は企画においては天敵です。これに囚われてしまうと、自由な思考をすることできません。


ありがちな思考の枠

代表的な思考の枠は以下のようなものです。

前提条件

前提条件を「●●しないといけない」と絶対条件として考えてしまう人がいます。例えば上司がいってることもそうですね。

同様に「これが正しい」といった形で、正しさ(正義)も思考を停止させます。

一方で、「前提条件」は常にあるものなので、前提条件をどうやって回避するのか、前提条件を概念的に「昇華」させるのかは企画者の腕の見せどころではないでしょうか。

知識、経験

「この業界は●●です。」といったものもそうです。

「この業界は特別なんです」ってどの業界の人も言うっていうのはよく聞く話です。

業界の慣習も思考停止してそれを受けとめず、なぜそのような慣習があるのか、今も有効なのかということを考えるようにしてください。

成功体験

過去の成功体験も「思考の枠」をつくりがちです。

若手と呼ばれなくなった久しい皆様、意図せず過去の成功体験に囚われていませんか。


行動経済学

これらも行動経済学で言うところの「認知バイアス」に含まれます。

何かを企画する場合には自由な思考が不可欠です。自由な思考のためにも、企画マンは行動経済学の本をいくつか読まれることをお薦めします。

代表的な認知バイアスとして以下のものがあります。

確実性効果

病気におけるゼロリスクへのこだわりがそうでしょう。98%安全といわれても、残りの2%を過大評価してしまいます。

サンクコスト

「もったいない」という考えに近いのですが、支払い済みの回収できない費用が意思決定に大きく影響し、最適解を選ぶことができません。

損失回避

10万円もらえるという喜びよりも、10万円奪われるという悲しさのほうが、強い感情になります。私たちは損をするという行為を強く避けてしまいます。


私たちは「正しく判断できない」存在

私たちは常に「正しく判断できない」存在です。思い込みがありますし、間違った判断をします。

これは意識付けや訓練に近いと思うのですが、何かを考える時は、思い込みや感情的な判断に囚われていないかを確認しつつ、なるべく「白紙」のキャンバスの上で考えられるよう、自分を律していきましょう。

その前提こそが、「可能な限り正しく判断するための」数少ない解決策ではないでしょうか。


サポートいただいたら、それで美味しい珈琲を飲みます。 ありがとうございます。