[読書感想]仕事なんかですり減ってたまるか ~『佐久間宣行のずるい仕事術――僕はこうして会社で消耗せずにやりたいことをやってきた』~(2492文字)
■今回 読んだ本
■ところで、誰が書いたの
佐久間宣行(さくま のぶゆき)氏。
元テレビ東京プロデューサ(現在はフリー)
「ゴッドタン」「あちこちオードリー」などの番組プロデュースを手掛ける。
■それで、どんな本なの
元テレビ東京プロデューサー佐久間宣行氏による、自身が20年以上にわたる社員生活で身に着けた仕事術の本です。
タイトルにある「ずるい」とはどういう意味か、それは前書きにこう書かれています。
まぁ、テレビ業界やAD、ディレクター、プロデューサーの仕事術が、どこまで読む人の参考になるか、応用性、再現性があるかということの疑問はありますが。
(これはほとんどの仕事関係のビジネス書についても言えることですけれども)
それはそれとして、この手の本は、コンマ1%でも参考になることが見つかれば、めっけものであり、読んだ意味はあったと思い込むのが吉なのでしょう。まぁ図書館で借りたから金銭的コストはかかってないし😆。
■結局、そこにどんな学びがあったの
ボク的には、以下の項目がささりました。
!「雑務」こそチャンスに変える
もしかして有名な話なのかも知れませんがー。
著者がAD時代、雑用を言いつけられます。
撮影の小道具に使う「サッカー部の女子マネージャーの手作り弁当を用意してこい」と。
はっきり言えば、面倒でかつ誰でも出来る仕事です。いくらでも手を抜けます。だからADの著者が言いつけられたのでしょう。
しかし、著者はイラっとしながらも、昔のアルバイト先の居酒屋に頼み込んで厨房を借り、弁当を作ります。
そのとき、「サッカー部の女子マネージャーなんだから、おにぎりをサッカーボールに見立てたらどうだろう」と思い付きます。
ほかのおかずも気になり、ウィンナーをタコさんウィンナーにしたり工夫を凝らします。出来上がったのはロケの2時間前でした。
著者が作った弁当を見た番組の監督が言いました。
「台本を変えよう。この弁当をストーリーのメインにしたい」
誰でもできる仕事。自分は組織の歯車。そう思っていた著者の意識が変わります。
『小さな仕事でも、だれかが必ず見ていてくれる。
誰かが評価してくれる。
どうすれば「よくある雑務」を自分の仕事にできるか。
その問いが、仕事を面白くする。』
!合理的最強ツール「ホウレンソウ」を使いこなせ
ホウ(報告)レン(連絡)ソウ(相談)は、ビジネスの基本中の基本ですが、著者は特に『報告』を重要視します。
なぜか?
それは『上司を不安にさせたり文句を言わせないため』『上司の上司に文句を言わせないため』としています。
つまりは、自分が思い通りに仕事をすることが目的なんですね。
!他人の成否を予想する
『一番成長しないのは、仮説を持たず、言われた通りの仕事をただぼーっとこなすこと』だと著者は断言します。
自分の仕事に限らず、他人の仕事に対しても仮説をたてて検証することは将来のストックになるのだそうです。
!メンツ地雷を踏んではいけない
著者は言います。『人はメンツで動いている』と。
(これはどの業界でも共通項のことだと思います)
だから、『他人のメンツをつぶさないこと、さらには、他人のメンツをたてる』こと、それが『会社の歩き方』だと。
もちろんそれは自身が出世するためではなく、『障壁なく仕事ができる環境を手に入れるため』なのです。
たしかに人を論破することは快感かもしれませんが、相手のメンツをつぶすことに繋がり、ひいては自分のためにもならないのです。
!会社に「友だち」はいらない
著者は一匹狼になれといっているわけではありません。
必要なのは仕事仲間だということです。
そして、その代わりに『会社の外に、損得勘定抜きで付き合える人間関係を持つことが大事』だと主張しています。
!メンタル第一、仕事は第二
『心を壊してまでやるべき仕事なんてどこにもない』と断言しています。(ボク的には、心に加えて、体も入れて欲しいところですが😅)
『たかが仕事なのだから。「真剣」になっても「深刻」になってはいけない』と。
まぁボクは真剣からも程遠い、「ほどほど」野郎ですが😆。
!奇跡を信じる
タイトルだけ見ると、ちょっと引く方もいそうですが💦。
『変化とは「起きる」ものではなく、「起こす」もの。小さな一歩でもかまわない。ますは前に踏み出せば、奇跡がまっていることがある』
ということなのだそうです。
奇跡はめったに起きないから奇跡なんです。
でも小さな変化は、自身が行動することで初めて起きるものです。
そして、それが奇跡へのバタフライエフェクトにつながるのかもしれませんね。
・・・他にもチーム編・マネジメント編・企画術編などのカテゴリごとの記述もありますが、どちらかといえばテレビ業界に特化した事例が多いと思いますので、さらっと読み流しました。
文字がびっしりつまっているというわけでなく、またひとつひとつの項目については4ページ程度に区切られているので、読みやすい本でした。
最初に書いたように、自身の仕事への適応性・再現性が高いかと言えば疑問ですが、少しでもそういう考え方でやってみようかと思えるものがあれば、それはそれでめっけものだと思います。
「ずるい」という表現がちょっとと思うのなら「したたか」でもいいですし、表現はなんでもいいのです。
昨日までとは違う、仕事への新しいアプローチ方法を考えるきっかけになりさえすればー。
じゃ、次のビジネス書いってみよ~ (* ̄  ̄)ノ
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