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和ろうそくの原料には何が使われている?


和ろうそくの原料1:木蝋(櫨蝋)

櫨の木(ハゼノキ:ウルシ科ウルシ属の落葉小高木)の実を、秋から冬にかけて収穫し、搾ったもの。圧搾法と抽出法がある。一年間保存したものを使用。主な産地は、熊本県、長崎県、福岡県、和歌山県。

圧搾法とは?

櫨の実を蒸して玉締め式圧搾機で搾る方法。

抽出法とは?

櫨の実を薬品で溶かして搾る方法。

和ろうそくの原料2:和紙

主にコウゾ、ミツマタ、ガンピの皮を原料とする。切り株から約1年で生育する枝の繊維を原料としている。アルカリ性の水に浸し柔らかくしたものを、細かく砕き、職人が手漉きして簀で成形する。

和紙の原料


コウゾ:楮

落葉広葉樹の低木。繊維をとる目的で栽培されている。古くから和紙材料として知られており、今日でも和紙の主要原料である。

ミツマタ:三椏

落葉広葉樹の低木。日本紙幣の原料としても用いられる。ミツマタで漉いた和紙はこすれや折り曲げに強い特徴がある。コウゾに次ぐ主要な原料となっている。

ガンピ:雁皮

落葉広葉樹の低木。奈良時代から製紙原料として用いられている。野生品は乱獲しすぎで減少傾向にある。高級和紙の原料となる。

和ろうそくの原料3:灯芯草

イ草の髄を乾燥させたもの。灯芯草のイ草の栽培農家や髄を取り出す、灯芯引きのできる職人が少なくなっている。主な産地は奈良県。

和ろうそくの原料4:真綿

蚕の繭からつくる繊維。繭を煮たものを引き伸ばし、乾燥させたもの。蚕種や養蚕農家が少なくなっている。

伝統的な和ろうそくは、以上の四種類のみからつくられている。

和ろうそくと西洋ろうそくの原料は何が違う?

芯が違う:西洋ろうそくが、主に木綿の糸芯なのに対して、和ろうそくは、和紙を筒状に巻いたものに灯芯草をらせん状に巻き付け、灯芯草が外れないように上から真綿をかぶせた芯。煙突状の芯から常に空気が供給される。
蝋が違う:西洋ろうそくは、主に石油由来のパラフィンや蜜蝋などなのに対して、和ろうそくの原料は、木蝋(櫨の木の実)。
現在では、米糠、牛脂、パーム油などさまざまな油と混合の蝋でつくられたものも、和ろうそくとして認知されている。


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