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ECLヴィテッセ戦から見る新生コンテスパーズ

こんにちは、スパサポ大学生の遼です。

今回、新たにアントニオ・コンテが監督に就任したトッテナムについて、マッチレビューを踏まえて書きます。尚、ここではコンテの基本戦術について考察していくため、人数が10人に減った後半59分以前を中心に取り上げます。また、サイドの表現を用いる際、トッテナム視点から書かせていただきます。

1.スタメン、基本フォーメーション

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トッテナムの基本フォーメーションは、3-4-3と前回のマンチェスター・ユナイテッドとの対戦まで使われていた4-2-3-1からコンテならではのフォーメーションへ変更されました。また、今シーズン初めてレギロンとデイビスが共演しました。

対するヴィテッセもトッテナムと同じ3-4-3の布陣を敷いてきました。

2.試合開始

開始1分、いきなり猛攻に出るトッテナム。相手キーパーのロングフィードをロメロが奪取。前線のソンへ縦パスを出すと、ソンはそのままシュート。キーパーがセーブしたボールにケイン、レギロンが詰めるも相手DFによってクリア。ソンがシュートを放った時、ボックス内にはルーカスを含め4人入っていた。その後も20分のカウンターなどボックス内に多く選手が入ってくる攻撃が繰り返され、前線とWBの選手の攻撃意識の高さが垣間見える。

2分、トッテナムの右サイドに対し、ハイプレスを仕掛けられ、ボールロスト。ショートカウンターを受ける。11分にはトッテナムの左サイドへハイプレスを仕掛けられ、ロスト。ヴィテッセは開始から試合を通して、急造3バック対策としてWBの裏やWBとCBの間を狙って来た。

15分、試合が動く。トッテナムとのサイドでの攻防につられて、ヴィテッセの中央にスペースができた。ホイビィアからルーカスへ縦パスを通し、抜け出してシュート。そのこぼれ球にソンが反応し、ゴール。(1−0)ここでも、ソンがシュートを放った際、ボックス内にはソン、ケイン、ルーカス、レギロンの4人が入っていた。ルーカスのシュートのこぼれ球にソンが反応したことも含め、高い攻撃意識が得点に結びついた。

19分、ヴィテッセの狙いがハマる。右サイドからの仕掛けに対し、ロメロが相手の左WBにつき、ロメロが元々入っていた右CBへエメルソンが入る。ロメロはサイドでの守備に慣れていないため、後ろ人数が足りているのにも関わらず、プレッシャーをかけず、クロスを上げられピンチを迎えた。

21分、トッテナムに追加点が入る。ダイアー、ホイビィア、ルーカス、ケインと縦パスで一気に前線へ。ケインが相手CBを引きつけた所にルーカスが走り込み、抜け出し、ゴール。(2-0)試合開始からWBも含めた攻撃を仕掛けてきたことによって生まれた。(下図:2点目 黒矢印:ボール、緑矢印:トッテナム、赤矢印:ヴィテッセ)

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31分、トッテナムはサイドからの攻撃により追加点を挙げる。24分ごろからヴィテッセが自陣に引き、攻撃が停滞していたトッテナムは、CBのデイビスがレギロンにボールを預け、上がっていくなど、ポジションを流動的に動かし、得点機会を狙う。ソンからレギロンへとサイドへ振り、中央に入ってきたデイビスへ折り返し、デイビスはシュートを放つ。このボールが相手CBに当たり、オウンゴール。(3-0)この試合、左CBのデイビスは、左WBのレギロンへボールを預けて上がるなど、変化をつけながらビルドアップを続けていた。(下図:3点目)

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32分、ヴィテッセは反撃の狼煙をあげる。トッテナムが課題としてきたコーナーキックからの失点。ダイアーがマークしていた選手にかわされ、直接ヘッドでゴール。(3-1)互いが誰に付くか、付いた選手は徹底的にマークする。セットプレーでは各々の役割を各々が自覚し、タスクをこなすことが必須である。

38分、トッテナムは立て続けに失点する。ルーカスからロメロへのバックパスをカットされゴール。(3-2)試合開始から再三受けていたサイドへのハイプレスからのショートカウンターによる失点。コンテになり、繋ぐサッカーが重視されているのは、試合を通して分かった。しかし、人数をかけてプレスを仕掛けられている状態では無理に繋がず、ロングボールを蹴ってリスク回避する選択も大事だ。今後の練習、試合を通して、プレー選択の徹底を計りたい。

この試合では、後半59分にロメロが2枚目のイエローを受け、退場してからは、4-4-1にフォーメーションを変え、重視を後ろに下げた。ここからは、コンテの考える戦いではないように感じたため、今回は省かせていただきます。(プレミアリーグのマッチレビューでは、90分通して行う予定です。)

結果:ECLグループステージ第4節トッテナム-ヴィテッセ(3-2)

3.まとめ

この試合では、セットプレーでの守備や3CBでの守備など、守備面にいくつか課題が見られた。しかしながら、前半のみで3点を記録したり、カウンターにおけるWBからのクロスに前線3枚に加えて逆サイドのWBがボックス内に入ってくる場面など攻撃にどんどん選手が加わり、前節までは見られなかった厚い攻撃が見られた。前半からでもコンテスパーズに十二分に期待できる。就任から1週間も経たない試合でここまでの変化を見せてくれた。次回のプレミアリーグ第12節エヴァートン戦を楽しみにここで閉じさせていただきます。

お読みいただきありがとうございます。


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