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第25話「この絵本を手に入れたときは、大人になったな、と思いました。」-ワースレスが歌った絵本-


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「くままでのおさらい」のこと

ごきげんよう、ぴーひゃらんです。
2冊目のワースレスのおどれる絵本「TALK」に収録されるであろう曲の絵本について、ぴーひゃらんは「くままでのおさらい」のことを書こうと思います。
 
出版はビーナイス、絵と文は井上奈奈さんです。
 
とあるイベント(ブックマーケットだっけな?なんだったっけな?)で出張ニジノ音楽会をやることになり、ニジノ絵本屋いしいあやに「これやってほしい!」と教えてもらったのがこの「くままでのおさらい」という絵本でしたが、私は手に取るより先に「この絵本が好きだ」と思いました。

理由は、表紙が黄色いからです。
そう、ぴーひゃらんの好きな色は黄色!でも黄色が好きすぎて、何でも黄色にしちゃうとヘンな人みたいになっちゃうから、さし色に赤!と思ってたら、今度は赤いものが増えて結果へんな人みたいになっちゃってるよ、ここ数年!!
 
話がそれましたが、黄色が好きな私は、遠目から見ても「この絵本が好きだ」と思っていました。
さらに、実際に手に取ってみてもやっぱり「この絵本が好きだ」と思いました。
触り心地が抜群、いや、グンバツだったのです。
表紙が布張りで、読むのが勿体ないような高級感。読むんだけどね。本だから。
この絵本を手に入れたときは、大人になったな、と思いました。
実際にはブックマーケットの出店でラスト1冊のところを、さにちゃんも欲しいと言っていたのに譲ってくれたので、さにちゃんのほうがよっぽど大人でした。

もともと人並み以下にしか本を読まない私にとって『装丁にこだわる』ということがどういうことなのか、いまいちピンときてなかったのですが。
井上奈々さんは 一冊の本を作る ということに凄く丁寧に真っ直ぐ向き合ってる人なのだと思います。
一度原画展に行ってご挨拶した際に、その人柄から、自分で作る作品に対する思い入れや、こだわりを感じました。
 
井上奈奈さんの絵本は、版画でできています。
ひとつのページでも、いくつかの絵が重なって1枚の絵になっています。
紙の手触りは心地よく、インクの濃淡の表情が儚げで、物語の内容とあいまって、そのせいなのか、読んでいると泣きたくなる衝動にかられます。
 
ぴーひゃらんが泣きたくなる衝動にかられるとどうなるか?

泣きます。
 
 
きっと誰しもが持っている感情だとは思うんだけれど。
例えば、好きな人のことが好きすぎて、私に出来ることなら何でもしてあげられるという気持ち。
私にならこの人のことを幸せにしてあげられるという自信。
それと一緒に、こんな事なにも意味はないかもしれないと思ってしまう虚無感。
大事にしてたものが突然壊れたり、失くしてしまった時の喪失感。
おそらく一生続く感情の一部を切り取ったようなお話です。

たまに読み返して、その時の自分の状況で感じ方が変わるし、その時に感じたことを大事にしたいと思うので、ずっと手元に置いておきたい絵本です。
 
皆さんもぜひ、「くままでのおさらい」に出会う機会があったら、手に取ってみてください。
 

「おままごと」のこと


「くままでのおさらい」から出来た曲は「おままごと」というタイトルです。
「おままごと」って、小さいときはやってたのかなぁ。やってたんだろうな。覚えてないけど。
 
「おままごと」って私、たぶんそんなに好きじゃないのかもしれません。
つくりもの、というか、茶番、というか。
はい、おわり。お片付けしよう。
で、終わってしまうもの。ニセモノ。
 
儚い幻想のようなもの、というところでは「くままでのおさらい」に通づるところがあると思います。

そして、私はこの曲がすごく好きです。
(そんなに好きじゃないのは、ごっこ遊びのおままごとね!)
 
好きなポイントとしては、ワルツ(4分の3拍子)の曲であること。
この点に関しては、完全に感覚の問題なので、話は広がりません。
 
前述したように、とあるイベントの出張ニジノ音楽会でお披露目したこの曲ですが、
練習する時間が取れなくて、記憶に残らないほどあっさりと本番が終わってしまい、そのまま他で演奏することもあまりなく、曲の存在すら忘れかけていました。(忘れちゃダメ、ゼッタイ!)

月日は流れ、ある夏の日、村田食堂に誘われ、葉山の素敵なカフェでライブがありました。
村田食堂とワースレスの激アツ対バンということで、お店は満席、村田食堂の演奏もお店の外から窓を覗き込んでみてました。
 
ワースレスのライブのセットリストは基本ミスターが考えていて、本番中でもやっぱこの曲やる!と言って思い付きで曲が変わることもしばしば。
この日のライブでは、お客さんのリクエストに応える!と言い出して、そのお客さんからのリクエストが「おままごと」でした。
わかるわかる、良い曲だもんね。私も好きよ。
いや、ちょっと待って、どんな曲だった?キーは何だった?やめて、始めないで!待って!!あーーー!!
と思ったまま、私ひとりズタボロの演奏をして、気付いたら終わってました。

こんな大恥じ人生でもなかなかないレベルでした。
この時に、ちゃんと練習しようって思ったのかもしれません。
この日の記憶は、ご飯がおいしかったことと、海のある町の人はカングー乗りがちだったことと、大恥をかいたことしか残ってません。
 
今回「TALK」に収録されるであろう曲として挙がったこの「おままごと」を日々インスタライブで練習して、少しずつ上手に弾けるようになってきたことにより、自分の中で好きなのに最悪な印象のこの曲が、大好きすぎて早くメンバーで合わせていろんなところで演奏したい曲になりました。
 
そうそう、やっぱりのんしゃらんとふたりっきりで練習してると、そろそろワースレス全員で演奏したいし、みんなに見てほしいって思うのよね。
また前みたいに演奏ができるようになったら、ワースレス楽しすぎて爆発しちゃうんじゃないかしら。
みんな吹っ飛ばされないように、お近くの手すりにおつかまりくださいね。
そのあとは、手洗いうがいアルコール除菌しようよね。

一日でも早くみんなに演奏を見てもらえる日が来ますように。
それではまた、ごきげんよう。

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