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チーム(組織)で目標を共有するメリット│もしも桃太郎が仲間と目標を共有できていなかったら?

チームと呼ばれるものには、サッカー、ラグビー、野球等のスポーツのチーム、ロックバンド等々、様々なものがあります。複数の人々が集まるチームにおいては、集まった人々の力を最大限に発揮し、より良い成果を出すために「目標」を共有することが大切です。目標が共有できていない集団は、ただ人が集まっているだけであって、チームとは呼べないかもしれません。

チーム(組織)で目標を共有することのメリットには、例えば次のようなことがあります。

◇同じ目標に対してメンバー全員で取り組むことで大きな力を発揮することができる
◇メンバーが同じ「思い・考え」をもっていると認識し合うことで、安心感が生まれ、信頼関係が深まる
◇メンバー間の話が早くなる
◇アイディア(改善案)が取り入れられる

今回は、日本一有名な桃太郎(のチーム)で少し具体的に説明していこうと思います。

桃太郎(のチームの目標)については諸説ありますが、一番一般的な目標は「鬼退治」です。桃太郎たちは「目標」という言い方はしておらず、それは、あくまで桃太郎たちの「思い・考え」であったかもしれません。この「思い・考え」(目標)を共有することで桃太郎たちは鬼退治を達成することができました。

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けれど、もし目標が共有できていなければどうなったでしょうか…。

①大半のメンバーが目標を共有している場合
例えば、桃太郎、サル、キジは「鬼退治」を目標としているのに、イヌだけが「話し合いによる解決」が大切だと考えていたらどうでしょうか。鬼退治はできるかもしれませんが、犬だけはやられてしまうかもしれません。
②半数程度のメンバーが目標を共有している場合
では、桃太郎、キジが「鬼退治」を目標として、イヌ、サルは「話し合いによる解決」をめざしていたらどうでしょうか。こうなると、鬼退治は成功するかどうかわかりません。とりあえず、「鬼ヶ島に行く前にしっかり話し合いましょう」と言いたくなります。
③メンバー全員の目標がバラバラの場合
更に、メンバー全員の目標がバラバラだとどうでしょうか。それぞれの目標が、桃太郎は「鬼退治」、イヌは「話し合いによる解決」、サルは「お金による解決」、キジは「自分の考えはとくにない」といった状況であれば、まず「鬼退治」という目標は達成できないでしょう。

※実際の桃太郎のお話では、桃太郎がイヌ、サル、キジと出会った段階で「鬼退治」という契約のもと、吉備団子をもらっていたため、その時点で目標の共有はできていました。しかしここでは、吉備団子による契約は無かったことにして、「もしも桃太郎のチームが話し合いを通して目標を共有していったら」という仮定のもと説明しました。


■具体的なメリット

 それぞれのメリットを少し具体的に見ていくと次のものがあります

◇同じ目標に対してメンバー全員で取り組むことで大きな力を発揮することができる
 チームの全員が目標を共有している場合は大きな力を生み出し、より良い成果を上げることができます。

◇メンバーが同じ「思い・考え」をもっていると認識し合うことで、安心感が生まれ、信頼関係が深まる
 また、同じ目標を共有している者同士の信頼関係は高まります。例えば、②では、「桃太郎とキジ」、「イヌとサル」がそれぞれ目標を共有しています。きっと、同じ目標を共有している者同士は、安心してその目標について話ができるでしょう。例えば、キジとイヌは、これからどうしようかと話をしたくても、相手が違う「思い・考え」をもっていることを知っているため、その話題を言い出しにくくなります。一方で、犬猿の仲といわれるイヌとサルであっても、同じ「思い・考え」をもっているということを認識し合うことで、安心してそのことについて話ができるようになります。そして、安心して話ができる関係性は、互いの信頼関係をより深いものにしてくれます。

◇メンバー間の話が早くなる
 そして、同じ目標を共有することができれば、メンバー間の話が早くなります。目標を共有することで、コミュニケーションの質が高まるからです。例えば、①の様に目標が共有できていれば、「鬼退治」のための作戦について直ぐに綿密な話を始めることができます。しかし、③の状態では、「鬼退治」の話をしようとしても、「話し合いによる解決」を望むサルは、「鬼退治」の方法について考える気になれません。そこで意見が対立し、時間をかけてもなかなか話しが進みません。達成したい「目標」がメンバー間で定まらなければ、その「方法」レベルの話し合いをして、参加者が納得する結論をだすことが難しくなります。
 目標がバラバラな状態で話をしていては、様々な視点からバラバラの意見がでるか、意見がでにくくなるかで、なかなか話がまとまりません。目標を共有し、安心感や信頼関係が高まることで、話し合いの場で同じ目標に関する意見が出やすくなり、余計な議論が減ることで、結果的に短時間で会議等を終了することも可能になります。

◇アイディア(改善案)が取り入れられる
 目標が共有できていれば、メンバーの一人が出したアイディアが他のメンバーに取り入れられやすくなります。例えば、③の目標の共有ができていない状態の時に、「お金による解決」を望んでいるサルが「きびだんごを売ってお金を貯めよう」というアイディアを出したとしても、他のメンバーは「その必要はない!」と、アイディアは取り入れられないでしょう。それが、①のように目標が共有できている状態であれば、誰かが「毎日トレーニングをしよう!」という鬼退治につながりそうなアイディアを出すと、それが全員に取り入れられやすくなるでしょう。

 

 《目標の共有》には、例えば以上のようなメリットがあるため、チーム(組織)で目標を共有して取り組むことが大切になってくるのです。

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