フレームワーク: VVMW
VVMWは、フィロソフィー(=経営の哲学や理念、コンセプト)を整理するためのフレームワークです。
VVMWは、
・Vision
・Value
・Mission
・Worldview
の頭文字を取ったものです。
VVMWは、この順番であることが大事です。
ストーリーとして覚えていきましょう。
1. Vision
まずは、先ほど述べたビジョンです。スタートアップ側としては目指すべきゴールです。現在の世界から遠くなるほど実現の難易度は高くなりますし、現在の世界よりも壮大になるほどやはり実現の難易度は高くなります。大事なのは、「いきなり明確なビジョンを描ける人は存在しない」という事実です。人間は未来を予測できません。MVPを用いてビジョンとの距離を縮めていきながら、誰よりも早く未来を検証していくことが大切です。
2. Value
バリューとは、そのビジョンが実現するとどんないいことがあるのかという話です。当然ですがどんなに壮大なVisionがあっても、現状より衰退してしまうのであれば誰も共感してくれない訳です。
お客さんは、Visionという理想に共感し、Valueという報酬を求めてお金を支払います。
誰にとって何が嬉しいのかは、しっかりと言語化しておきましょう。
3. Mission
ミッションとは、Visionを実現するためにスタートアップが何をしていくかという話です。これは具体的な作業というよりも、どんな事業をやっていくのかということだと思ってください。具体的すぎても抽象的すぎても行動指針としての機能が果たせなくなってしまうので、この辺の粒度感は試行錯誤だと思います。
参考までに、マネーフォワード のミッションは「お金を前へ。人生をもっと前へ。」だそうです。金融を前進させられること、それを通じて人生を豊にできること、そういったことを業務としてやっていこうという判断基準が、このミッションからは感じ取れるはずです。
4. Worldview
ワールドビューとは、世界観という意味です。
スタートアップは競合がいないことも多いですが、スモールビジネス では競合がいることがあります。
つまり、Vision/Value/Missionが被っているケースです。
この時に競合と差別化するための戦略の一つが、ワールドビューです。
競合とは異なる一貫したUXを演出することで、同じVision/Value/Missionであっても、ストーリー性を生むことができます。
顧客は、プロダクトがありふれたものである場合、このストーリーへの共感によって、購入を決意することになります。
参考サイト
・認定NPO法人フローレンス
注意点
VVMWは一度作ったら終わりではありません。
大企業が持つ経営理念VVMWは長いこと変わらないケースが多いですが、それは、長い経営の歴史の中で自分たちの会社のVVMWがある程度自認できているからというのが大きな理由です。
しかし、スタートアップはどうでしょうか。創業当初は、VisionもValueも全くの妄想でしかありません。実際に事業を初めてみると「思っていた世界と違った」ということが多々あります。そんな時にVVMWを固定し続けてしまうと「誰も求めていない世界」に向かって突き進んでしまうことになります。結末は火を見るより明らかですね。
ですからVVMWは、適宜アップデートしていく必要があります。それはどのタイミングかというと、リーンスタートアップが1サイクルし、ビズモシートが更新されたタイミングです。
ビズモシートには、「理想/独自提案価値」「ソリューション」という項目があります。理想がVisionに相当し、独自提案価値がValueに相当し、ソリューションがMissionに相当します。
これらの項目が書き換わったタイミングでVVMWも書き換わることになります。
PMFまではVVMWは頻繁に変更して問題ありません。恐らく創業当初に思い描いていたVVMWは、PMF前後では90%近く変化していると思います。それくらい人は未来が見えないモノです。
PMF後でもVVMWは変更することになりますが、その頻度や大きさは小さくなります。
といった感じで、経営理念VVMを行動指針として設定することは、自分たちのビジネスモデル簡潔に理解することに等しいということです。
関連フレームワーク
Worldview
・ブランドエクイティ論(ブランド資産論)
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